報告 初のトークライブ
4月から準備を続けてきたことが、あっという間に終わってしまいました。ライブはお祭りのようなもの。時間をかけて積み上げていったものが一瞬で大きな喜びを振りまいて消え去ってしまうのです。その後は寂しさと次はどうしようかという気持ちになるのです。
しかしそれは、それだけ充実感があったということかと思っています。このnoteはあくまで演奏者の視点で報告を綴るものですから、機能ご覧くださったお客様にも新たな視点で見てもらえたらと考えています。
会場へ
浜松市はお天気もよく絶好のイベント日和となっていました。
9時台、古庄さんをお迎えに駅まで向かって行くと、何やら設営とサウンドチェックをしている音が聞こえてきました。駅周辺もイベントだらけなのかなと思いながら、新幹線改札口を目指しました。
電車の時間が表示されている掲示板をぼうっと見つつ、到着を待っていると、中二階からストリートピアノの音色が聞こえてきました。結構思い切りよくガンガン気持ち良さそうに弾いているようでした。
計画ミス
古庄さんとともに送迎レーンで待機しているりょうこさんと合流し、そのまま会場に向かいました。
この日の会場が3階であることへの配慮が抜けており、移動用の台車の手配や時間割の時間配分などにミスを感じました。早速の反省材料ではありますが、こうやって実際にやってみないと気が付けないことって多いと思うんです。だからそういう時は気が付けてよかったねという発想で良いと思っています。
会場レイアウト
カメラ屋記録装置、音響機器の設置とセッティング。コンセントはどこにあるんだ?テーブルはどう並べて使おうか?そもそもどっちをステージにしようかな?明かりはどんな風につけようかな?エアコンの音が気になるかもしれないな。などなど・・・。
お客様が入ってご覧になった形になるまでにはいろんなことをためしていたりします。
その結果、このような形になりました。でもこの後しばらくたってから、もう一度見直しテーブルをもう少々前に出しました。
しかし、これも後から考えるともっと前に出した方がよかったなという反省材料でした。
客席の椅子も最初はこのように並べていたのですが、やはりこれもちょっとステージと距離があるなと思ったので、全体を前に出しました。
自分は視力障害者だし、そういうのは見える人にまかせる方が上手くいくに違いないという考えのもと、レイアウトはほとんど人任せにやってきました。まあ、実際にその方がうまくいくことは多いと思うのですが、今回は自分が主催であったこともあり、自分があらかじめ考えていたレイアウトをなるべく大切にするようにしました。
本番の様子
今回のライブは2部構成となっており、前半がトークの部となっておりました。
まずはじめのご挨拶をさせていただき、古庄さんをお招きして、まずは1曲演奏していただくという流れにしました。えんじろうの中でも大変なじみ深い古庄さんのオリジナル曲を、最初の曲に選んでくださっていました。
トークの部
以前から申し上げているようにえんじろうは、トークがあまり得意ではありません。でも喋りたい気持ちはあるのです。それがオカリナの話となればことさらです。
音合せの記事の時にも書いたのですが、古庄さんとしゃべっていると自然と話題が展開して行きます。コロコロと展開してどこに行ったんだか分からなくなる事も多いのですが、それを含めて楽しいと思える会話になります。
実は何を隠そうえんじろう、今回のライブに対して喋る内容を具体的に文面までイメージすると言うことはしませんでした(というか今までそこまでシミュレートして単回と言われそうですが)それをしなくても充分いけると思ったからです。そんな風に思えることは滅多にありませんから、自分でも不思議なぐらいでした。
そしてそれは案の定うまくいきました。
出会うことになったきっかけのお話、オカリナという楽器をどのように見ているのかという話、いわくつきの楽器のお話など、いろんな話題を本当に自然体でしゃべっていくことができました。
滑舌の悪い自分としては、もうちょっとゆっくり喋ればいいのにと後から反省はしましたが、とにかくお客さんの目がたくさんある中なのに、変に一生懸命にならずまさに人目を気にせず話せたことが自分でも新鮮でした。かといって、別にお客様の目線を無視していたわけではありませんよ。
お喋りをしては、合間にオリジナルを1曲ずつ演奏するという構成で進んでいきました。
写真は演奏写真というよりも声帯模写中の写真です。ちょっと鳥さんが入り込んでいる状態なので、変な格好ですね(笑)
お客様からの質問コーナーなども用意しましたので、それに対して2人が段階的に具体的な内容でお返事をすることができました。そうなのです。楽器へのアプローチがほとんど同じ2人なので、質問に対する回答の視点が重なるのです。なので、それぞれの見解を述べるというよりも、話を先につなげていくという感じになるのです。これは面白いと思いました。
ほかの人と一緒に演奏をした際によく、この演奏はこの組み合わせじゃないとできないねという話をすることがあります。これがトークに対しても成り立つんだなあということをしみじみ感じたひと時でした。
10分オーバー
ひとしきりトークの部を終えたら休憩。
トークがやや伸びるだろうことを予測していたため、ご予約の皆さんが全員集まった時点で5分早めにスタートしました。そんな状態で休憩に入った時に5分遅れ。つまり、実質10分のオーバーでした。
いつものMCと違って、こういうのはなかなか事前に計算することは厳しいなと思いました。
演奏の部
さて、今回の写真は最初からそうでしたが、カメラを設置した方向をミスっており全体として右がはみ出ています。えんじろうが一番右にいたので、もっともチョンギれています(笑)
後半はハーモニーを中心に、ピアノ伴奏にりょうこさんを加えて3人でお届けする時間。古庄さんとえんじろうがそれぞれアレンジしたハーモニーを次々と演奏してゆきました。
えんじろうが主旋律を演奏する部分では一歩前に、そうでない部分では後ろに下がるパフォーマンスをしていたのですが、伝わった人がいたら嬉しいなあと思いました。
これは以前、千葉さんとデュオをやった際に、どちらがメロディーを演奏しているのか見た目ではよく分からないという現象が起こったため、考え出しました。生音ということもあるので、一歩前に出るだけで少し音量が変化すれば、それもありではないかと考えてのことでした。
ハーモニー
ハーモニーを作るときには相手の音を聞いて、その音の根元で相手がどうしたいと思っているのかを想像することから始まると感じます。そして、相手もまた同じように考えている。探り合いながら共通の落としどころを見つけてゆくという行程が加わると感じています。結局おしゃべりと同じで、それが嫌な相手なら合わせる気にもならないので、相手の音を聴く事からしないと思います。そして相手にもここまでなら合わせてくれるかもしれないと期待をしているので、それを探り合うことは結構スリルを感じてしまいます。だからそのスリルも含めて楽しいと思える人でなければ、正直合わせたくないんですよね。それを人に聴いてもらうとなればなおさらのことです。
今回は自分が主催だったこともあり、古庄さんが自分の吹き方に合わせてくださるシーンが割と多かったように感じます。古庄さんのライブに混ぜていただいたときには、その逆の感想を持ったこともあります。
その辺に関しては、事前に話し合って決めたわけでもなく、音合せをする中で自然にそういう結果が現れることが不思議だと思います。
人と何かをすることがあまり得意ではない自分にとって、一緒にできてよかったなあと思える人がいてくれることはとても貴重なことです。本当に感謝だなと思います。
ただいまのオカリナ
今回活躍したのは8本のオカリナでした。ソプラノC管とアルトC管が3本ずつあるのは、特に音量の違いからです。音色の違いもあるのですが、今回はオカリナは生音で演奏していたので古庄さんとのバランスが大事です。
などとさぞ立派そうなことを言っておきながら、実は古庄さんに会いたがっているオカリナが、前の日の夜に「絶対連れてけ」と言い張ったのです。
何を隠そう、下の写真にある手前2本のヒーリングオカリナは、古庄さんのところからお嫁に頂いた個体なのです。そりゃ古庄さんに会いたいと言うわけです。アンコールの一曲で古庄さんが演奏する兄弟とも言えるオカリナたちとハーモニーを組めて、オカリナたちが里帰り気分で幸せそうに聴こえました。
1つ1つの楽器と吹きてとのあいだにあるストーリー。オカリナはそんなところから楽しめる個性豊かで貴重な楽器です。自分とオカリナという名詞ではなく、楽器それぞれとの1対1の関係をこれからも大切にして行きたいと改めて思いました。
今回は世の中のたくさんの行事と被ってしまう日だったようで、そんなお忙しい中足を運んでくださったお客様に心から感謝いたします。暑い中、本当にありがとうございました。
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