【読書】ホモデウス - 神になる人類と家畜化する未来
ユヴァル・ノア・ハラリ著の『ホモデウス』は人類の未来に関する予測が語られています。本書は、サピエンス全史に続く著書であり、これからの人類がどのような進化を遂げるのかに焦点を当てています。この記事では、その未来予測を詳しく解説します。
1. ホモデウスの意味
『ホモデウス』というタイトルは、ホモサピエンス(人類)とデウス(神)の合成語で、「神になる人類」を意味します。著者のハラリは、科学技術の発展により、未来の一部の人類が神のような存在になる可能性を指摘しています。AIやロボット工学、医療技術の進歩により、人類はこれまで神に依存していた力を自ら手に入れつつあります。
2. 神様に近づく人類
人類の歴史を振り返ると、狩猟時代には「アニミズム」と呼ばれるすべてのものに魂が宿るとする考えが一般的でした。しかし、農業の発展とともに、特定の神を崇める宗教が生まれ、神と人間の間に明確な差ができました。これにより、人間は神に従い、家畜などを管理する立場となります。
しかし、近代に入り、科学技術の発展が進むと、神の力とされていたものが次々と解明され、再現可能となりました。これにより、人間は神に代わる存在として地球を支配し始めます。現代では、AIやバイオテクノロジーを活用して、不老不死や幸福感を人工的に作り出すことも可能になりつつあります。
3. データ至上主義と人類の分断
しかし、ハラリが予測する未来は、すべての人類が平等に神のような存在になるわけではありません。少数の選ばれた人々が「ホモデウス」となり、データとアルゴリズムを管理し、世界を支配する一方、残りの人類は「家畜化」されるというシナリオが描かれています。
未来の社会では、ホモデウスとなった人々が、ビッグデータやアルゴリズムを駆使して他の人々を管理するようになると予想されています。現在でも、食べログやGoogleのアルゴリズムが私たちの判断を左右することが増えており、この傾向が今後さらに強まるとされています。
4. 未来のカースト制度
動画の結論として、未来の社会では、神のような力を持つホモデウスと、それ以外の家畜化された人類というカーストが形成されると予測されています。AIやロボット技術が発展することで、人間が持っていた「働ける」という強みも失われ、家畜と同列に扱われる未来が待っているかもしれません。
まとめ
『ホモデウス』は、人類が神に近づく一方で、その力を手にした少数の人々が世界を支配し、残りの人類は管理される側になるという未来を描いています。この未来予測は衝撃的であり、我々が今後直面するであろう課題を考えるきっかけとなるでしょう。