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見た目ばっかり気にしてると…

真っ赤なフェラーリを見ました。
思わず、「かっこいいなあ。俺もあんな車に乗ってブイブイ言わせたいなあ」っと、邪悪な心が動き出してしまいました。

でもよくよく考えると、そういえばフェラーリに乗っている人ではなく、フェラーリという「車」を褒め讃えているだけの自分に気がつきました。

似た話をもうひとつ。
ある職員から「最近、部長からの風当たりがとても強くて、精神的に参っている」という損談を受けました。

心当たりがないか聞いてみると、部長がルイビトンのロゴがバッチリ入った鞄を買って誇らしげにそれを持って出勤した朝、課長や係長以下全員が部長を褒めているなか、彼だけが黙々と仕事をしていたとのこと。

見た目ばかり気にしている人は、人から評価されないと自分をしっかりと評価しない相手を良く思いません。それがエスカレートして、自分をスゴイと言わない相手に嫌がらせしたりもします。もちろんそんな人からはどんどん人々は離れていきます。

今回はそんなエピソードを紹介します。

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王様は最近手に入れた白象をとても気に入って、もっぱら白像の自慢ばかりします。

或る日、王様がその白象に乗って街の中を歩くと、街の人々は口々にその姿をほめ称えました。しかし、人々は白象のことは褒めても、王様を褒める者は一人もいませんでした。

誰も褒めてくれない王様は腹が立ってしかたありません。
「この白象のせいで、私は恥をかいている。そんな像はいっそのこと殺してしまおう」

王様は象にまたがると、山の険しい崖までやって来て象使いに言いました。「ここから象を空中に立たせてみろ。命令だ。崖から足を踏み出して、空中に立たせるのだ。それができなければ、おまえは死刑だ」

象使いは、王様に喜んでもらうことだけ考えて今まで尽くしてきたのに、その考えは大きな間違いだったと気づきました。そして、白象に跨って命令したのです。
「さぁ、崖から足を踏み出すのだ。いままでありがとう。もういいから、一緒に王様のもとを去ろう」

白象は大きな鼻を振り上げながら、一歩を踏み出しました。次の瞬間、王様は目を大きく見開いて息をのみました。白象は一歩一歩、階段を登るように空中へ浮かび上がっていったのです。

王様が見続ける中、その姿は雲の中へと消え、白象と象使いは、再び戻って来ることはありませんでした。

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どんなに持っているものが高価な物であっても、結局は人間の中身が大切なんですね。逆に、人間の中身がダメだと、どんなに高いものを持ってもそれはすべてお金の無駄遣いになってしまいます。

私はお金が無いので高いものは買えませんが、だったら猶更、人間の中身を磨かないといけないと思わせてくれるエピソードです。


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