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20010905 海外渡航用ナンバー

 海外での自動車レースや雑誌の写真で海外渡航用の自動車登録ナンバープレートを見かけることがある。白地に緑の文字で国内のナンバープレートと同じ様子だが、書いてあるのはローマ字である。

 web上でこのナンバープレートの写真を探したがなかなか見つからなかった。国内自動車メーカー$${^{*1}}$$等の海外ラリーの様子を写した写真を色々探したが、ナンバープレートがはっきり映っている写真は殆どない。最近は前面のプレートは取り外して走るらしいのである。自動車の後ろ姿を写したものは写真としては栄えないのでページに掲載される可能性が低いのであろう。

 ようやく見つけたのがこの写真$${^{*2}}$$である。

 よく見ると「TKS 35 NI 7027」と書いてある。ここ$${^{*3}}$$を見ればもっとはっきり写っている。このようなナンバープレートを初めて見たのはテレビ神奈川の新車情報$${^{*4}}$$という番組だったと思う。これがどういう意味か疑問に思っていた人はweb上にもいて、ここに詳しく説明してある$${^{*5}}$$。

 「TKS」とは「東京品川」の意味である。「尾張小牧$${^{*6}}$$」ならば「ACO」になるらしい。この海外渡航用ナンバーの一覧表はこのページ$${^{*7}}$$に掲載されている。

 これでローマ字表記のナンバーの意味は判ったが、どうしてわざわざ略号の中に都道府県名を入れているのだろう。一覧表を見ると北海道のナンバーには入っていない。県内に一種類しかナンバーがない場合はその県名がナンバーになっているが、必ずしもこの法則に従っていない。例えば山梨は「YN」で県名が略号として入っていない。ところが「三重」は「MEM」で「MiE Mie」となっている。福島県には「福島$${^{*8}}$$」と「いわき$${^{*9}}$$」はそれぞれ「F S」と「FSI」である。これはナンバーの表記の変遷$${^{*10}}$$に関係があると思われる。最初は漢字一文字であったが、「福」のつく県名が福岡以外に福井、福島があったため、福岡は「福」になり、福井と福島はそれぞれ「福井」と「福島」の例外的な二文字表記になった。一文字時代のローマ字表記は2文字だったので、漢字では二文字であったが、ローマ字表記では重ならないためそれぞれ「FI」「FS」であった。

 後に全国で漢字二文字表示が標準になると漢字一文字時代のローマ字2文字表記と区別するためにローマ字3字表示になった。従って「三重」はかつては「三」であったのでローマ字表記が「ME」から「MEM」にされた。ところがもともと漢字二文字表記だったところは無変更なのでローマ字表記も2字表記のままになったのと思われる。

 それにしても何故都府県名が入るのだろう。何か理由があるのだろうか。

*1 MITSUBISHI MOTORS MOTORSPORTS
*2 MITSUBISHI MOTORS/1998 PARIS-GRANADA-DAKAR RALLY 1-18 January 1998
*3 https://up.autotitre.com/6730e9bd1c.jpg
*4 TVKテレビ 新車情報
*5 海外用ナンバープレート
*6 20000706 自動車登録番号
*7 ラテン文字表示
*8 自動車検査・登録ガイド 福島陸運支局
*9 自動車検査・登録ガイド いわき自動車検査登録事務所
*10 地名表示の変遷

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