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禅の丹田呼吸法

白隠禅師は厳しい修行のしすぎで禅病(ノイローゼ)にかかってしまいました。禅病は、生きる力を殺ぎ、体も不調になり、最終的に死んでしまいたいと自分を追い込んでしまう怖い病気です。

白隠は当時を振り返って、自分の病状をこのように述べています。

心火逆上し、肺金焦枯して、雙脚氷雪の底に浸すがごとく、両耳渓声の間を行くが如し(中略)肝肚常に怯弱にして、挙措恐怖多く、心身困倦し寐寤種々の境界を見る。両腋常に汗を生じ、両眼常に涙帯ぶ…

(不安が募り、心臓の鼓動はいつも速く、肺は枯れたように苦しい。両足のつまさきは氷のように冷たく、両耳は耳鳴りがやまない。いつも緊張状態と恐怖で気が休まることもなく、動くことすらできない。心身は衰弱し悪夢を見て寝ることすらままならない。常に脇汗をかき、涙が止まらない…)

心の病が体にも悪影響を及ぼしている様子がわかります。そんな時、白隠は心の使い方が間違っていたことに気が付きます。具体的には「丹田」(おへそから5センチぐらい下のところ)で呼吸することで、心を空にすることの大切さを再認識しました。

普段、何気なく息をしている私たちは、酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を体外にしっかりと出すという意識が低く、これが呼吸の乱れにつながります。しかし丹田で呼吸すると、下腹に程よい圧力が高まり、全身に血液がよく循環します。

丹田を意識した呼吸は難しくありません。下腹部を意識して、肺がおへその下5センチぐらいにある意識で呼吸をするだけです。そうすると丹田に気がたまり、酸素と血流が体内を循環することで、心身の状態がよくなります。

【丹田呼吸法のポイント】
  3秒かけて吸う (下腹を膨らませる)
  2秒息を止める 
  15秒かけて吐く (下腹を凹ませる)

これを10セット、合計200秒、たった約3分で終わります。
口呼吸ではなく鼻呼吸をするのが大事です。

禅の丹田呼吸を是非試してみてください。きっと心身が調い楽になるに違いありません。



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