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いじめの職場で初めて自分を確立する 2006/05〜

丸一日無言のデザイン事務所で鬱になり、逃げるようにやめてエステティシャンに転職するも、新人いじめの毎日。。
せっかく私のこの失敗人生を変えたくて転職したのに……
いや!絶対変えるんだ!
ここで辞めたら前と同じだと、店舗移動願いを本社に出します。

店長をスルーして本社に直接届け出たので、ちょっとした問題になりましたが、正直、わかっててやりました。笑

いじめで潰され次々辞めていく新人を見ながらも、これからデートだからとその横で自分にエステをさせるような、自分にしか興味のない店長に相談しても、声が上まで届かないと思っていたからです。

びっくりした本社から銀座店に連絡が入り、さっそく店長に呼び出されました。

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「そんな常識もない甘い人間じゃ、他の店に行っても同じよ」とそれらしいことを言われましたが、そんな小言でこの店を出られるのならいくらでも聞き流せるくらいには、おかげで強くなりました。笑
そして入社して5ヶ月後、銀座店から他の店舗に無事異動することになりました。

新しい店は、のんびりしたムードの少人数の体制で、スタッフが少ないので私もお客さんの施術に入らせてもらえるようになりました。
元々仕事が嫌なわけではなく、活躍したいモチベーション自体はあったので、抑圧さえされていなければ水を得た魚です

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エステには20代から50代の女性まで通っていましたが、色々なお客さんと接するようになって、ふと疑問が浮かぶようになりました。

「世の中の定説で、『人は20歳をピークに老け始める』とよくいわれてるけど、ここのお客さんでも40になっても若々しくて綺麗な人もいれば、20前半なのに老けこんでる人もいる。…あれ?じゃあ『年齢』とはなんだろう??
そんなことに興味が湧き、お客さんとの会話から自分なりのそれに対する答えが見えてきます。

「そうか、『年齢』って実年齢だけじゃないんだ!年齢には3種類あって、『外見年齢』や『精神年齢』は『実年齢』とは別の動きだったりするんだ。そして人は年齢が何歳であろうと、本人が美意識を捨てた時点からが老け始めなんだ!」

他にも、「顔や体系は別にモデル級ってわけでもなく普通のはずなのに、何故かあのお客さんはキラキラしていて素敵に見える。その人の周囲にある空気が美人というか…あ、これが『雰囲気』というものなのか?
でも何が違うんだろう??美人の空気って、じゃあどうやって出すんだろう…??」(これについての最終的な答えは、この6年後に確立します。)

そんなことを日々考えては、新しく発見した自分の答えをお客さんにいつも話していました。
美を論理的に解説し、自分の考えを持って深い話ができるエステティシャンというのは珍しいと、経営者や話を聞きたがるお客さんに気に入られて、徐々に指名が入るようになります。

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入社数ヶ月のまだ技術力のそこまでない新人でも、自分のファンを作ることができました。
その結果、雑用担当で5ヶ月売り上げも0だった人間がぐんぐん上位になり、全国のランキングにも名前が上がったことで、銀座店の先輩たちも何も言ってこなくなりました。

自分という人間の特性をフルに発揮することで、初めて私は職場の中に『自分の居場所』という安全を確保したのでした。
今思うと、前の仕事ではコミュニケーションを取らないことでこの居場所が最後まで作れず、孤立して失脚したんだなと思います。

…おまけ話ですが、新店に移動直後から急に売り上げをぐんぐん伸ばした私に、「こんな人材を抱えていたのに、銀座店は今まで何を教えていたんだ」と本部から銀座の店長が叱られていました。
あの時、相手の小言に反論して揉めるのではなく、仕事の結果を出すことで自分の正当性を示し、争わない反論ができたのでした。


…ところでこのエステで働いているある一時期、愛知県へと単身赴任があり、2ヶ月間ビジネスホテル暮らしをしていました。
車もないのに、夜はコンビニも閉まりあたりは真っ暗な陸の孤島でした。ネットもない環境で、自分の心を保つためにやったことは、自分の部屋作りでした。笑

(つづきます)



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