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転職したエステサロンで新人いじめの洗礼にあう 2006/01〜

(前回のあらすじ)

体験エステで美容の偏見が取れ
学校に入学し晴れてエステティシャンになった私は、
推薦で銀座のエステサロンに就職します。

初めての職種です。
全員が無言で無関心のデザイン事務所から、
スタッフもお客さんも美に関心の高い
美容エステ業界へ。

そして、女の職場の洗礼を受けます。

「ちょっと塩崎さん!
洗濯やっといてって言ったでしょ!?」
「タオル早くして!」
「これ、あと全部片付けといて」
「塩崎さーん、みんなのお茶いれてよ」

私の後にも新人さんが何人か入ってきましたが、
みんなある朝突然、
音信不通になって来なくなってしまいます。
(オ察シシマス)

なので、ずっと下っ端のまま。
つまり、下っ端の全部の仕事を
一人でこなさなくてはいけませんでした。

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ある日、
「塩崎さんって絵が描けるんだって?
じゃあこのキャンペーンのポスター描いてよ。」
と言われ、
タオルの山をたたみながら了解しました。

とはいえ、あのいつもの業務の合間を縫って、
数分書いては中断してまた他の作業をします。

蒸しタオルの補充が終わって
続きを書きにスタッフルームに戻ると、
私の書きかけのポスターの絵が、
黒のマジックで
上からメタメタに殴り書きされていました。

スタッフルームに数人の先輩がいましたが、
みんなしらーん顔。

ショック…というより、
しばらく頭が無になりました。
病院のシーンなんかである心肺停止が
自分の脳で起きた感じです。

そして数秒後、
感情は止まったまま頭だけが再稼働し
状況理解しようとします。
心の防衛本能というやつです。

「……あれ? え、待って待って。
これ、コピーとかじゃないよな?
本物の原画だよな?
てことは、ジョークとかじゃないよな?」

それでもわずかに残っていた最後の理性で
できるだけ感情を乗せないように、
その場の先輩たちに声をかけます。

「……あ、あの、このポスター、
頼まれて描いてたんですが、
もう必要なくなったってことですかね?」

「さぁ?知らなーい。そうなんじゃない?」

そう聞いて、ただ何も考えず何も感じず、
自分の手でゴミ箱に処分しました。

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ドラマや漫画の世界の話だと思ってましたが、
リアルにあるんですね。そんなこと。笑


又、コーヒーを片付けていてこぼしてしまった時に、
「きったねーな!ゴキブリ出たらどうすんだよ!
ゴキブリ担当塩崎って書いて、壁に貼っとけ!」

と言われて、周りの人たちも
「やだ○○さん、こわーいww」
とクスクス笑うだけでした。

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あぁ、みんな綺麗な人たちだけど、
ものすっごい下品だな。
素直に、そう思いました。


鬱になった前の会社から脱出するも、
今度は新人いじめのひどい会社に就職。。

もし私がノリがよかったり強い人間だったら、
こういう時うまく切り返せていたんでしょうね。

どちらの職場でも私がやってしまったのは、
やられっぱなしの状況にただ感情を無にし、
ひたすら黙って飲み込むことだけでした。

前の会社の記事でも書きましたが、
全部自分が悪いと思ってしまう癖があると、
「こんなの、やっぱりおかしい!」
って発想ができなくなるんです。

学校の生徒という立場の時は
あんなに強気だったり思考的になれるのに、
職場になると急に下僕精神になる思考癖が
作られてしまっていました。

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「せっかくあの失敗の前職を挽回したくて
転職したのに…また失敗したのか…
いや!絶対変えるんだ!」

下僕精神を生命力が打ち破り、
ここで辞めて泣き寝入りしたら前と同じだと、
異動願いを本社に出します。

(つづきます)

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