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自己分析というのは恋愛中でも構わず頭の中に沸いてくる衝動なのだろうか。

いまのこの感情を忘れたくないので書き留めておく。
 
おそらく惚気になるような気もしているので、気分でない方は戻ってくださいませ。


彼と会う時にはじめてデニムを履きスニーカーを履いた。
 
ショッピング施設の地下にある飲み屋街で2軒はしごをしてお酒を飲み夜ご飯を食べた。

彼と会うのはこれで5回目。それでもわたしは少しでも良いように見られたくて、化粧をする前にパックをするし、いつもよりとても丁寧にメイクを仕上げた。

1軒目の話の途中で、わたしの名刺を渡した。わたしは彼のフルネームを知っていたが彼は知らなかったはずだ。
 
付き合おうってなってからフルネーム知るの変だってと笑っていた。確かにそうだ。

そして改めて食の好みが似ているのだなと感じた。美味しいと思うもの、普通のもの、美味しくないものの感性がとても似ている。

私は美味しくないものは食べたくないので躊躇なく残すタイプで、よく友達や先輩後輩になすりつけては子供かと怒られているのだが初めて同じような人間を見つけた。
 
ねえ、これ残していい?美味しくないよね?と言ったのでとても驚いた。わたしはとりあえずその付き出しは食べたのだ。普段なら絶対に残すのだが。似ている、最高である。これで次から普段の私でいける。
 
また、わたしは期間限定や初めて食べるものに全くチャレンジしないタイプだが彼は真逆で全て新しいものを食べてみるタイプだ。真反対な部分も見つけた。

お店を悩んでいる時に、会社員の人と付き合うのははじめてだと言うと、だから変なんだってとまた笑っていた。


食べ終わり、私おすすめのドライフルーツ詰め放題に向かった。とても楽しそうで私まで嬉しくなった。
 
そしてコーヒーをテイクアウトしようとなり目当てのお店に向かう。彼は前から来てみたかったみたいでとても嬉しそうにしていた。わたしまでほっこりしてとても嬉しくなった。

コーヒー片手に手を繋ぎながら終電まで1時間近く散歩した。桜を探しに行ったのだがもう葉桜になってしまっていた。


彼は標準語を話す。とても低く落ち着く声で、ゆっくりと。使う言葉もとても優しい。

わたしを見てはずっと笑ってるねと、彼も笑っている。普段は感情が出ることがないポーカーフェイスだと言っていたが。

お互いに出会ったことのない、付き合ったことのない人種なのだろう。謎ばかりだが何故か成り立っている。

私の手は大きい方で指が長い。世の男性の半数よりはきっと大きい。彼の手はとても綺麗でわたしより少し大きい。末端冷え性の私の手はとても冷たく、彼の手はなぜかずっと温かかった。

かわいいでしょ?と言ったらかわいいねぇと返してくる。

わたしの意味のわからない考察を少しバカにしながらちゃんと聞いて納得したフリをする。

私、自己肯定感高すぎて自分だいすき!と言うと、笑いながらいいね、俺もめっちゃ自己肯定感高い。自分だいすき。と、何故か同意される。最高じゃない。なんなんだこの人は。

そんなこんなであっという間に終電の時間だった。

5時間も一緒にいたのに全然足りないのだ。だが彼は明日も仕事で早起き。付き合わせるわけにもいかずちゃんと終電で帰ろうと駅に向かった。

生まれてはじめて、まだ帰りたくない!と漫画のようなセリフが頭の中に出てきたがそんなことを改札前で言うわけもなく。脳ゼロで出た言葉は、心苦しい!!!おやすみ!!だった。アホすぎた。

はじめて切ないという感情を知った。それすらも楽しめる余裕があるのは大人ならではだなとも思う。

切ないというワードが頭の中で繰り返され、そのまま彼に送ると、そうでしょ?電車でしかできない体験だよ。なんて返ってくる。上手を取られたような気分。それすらも心地が良い。

散々歩き回って終電で帰ってきたというのに、わたしは頭の中がぐるぐるしてこのまま家に帰ってはもったいないと、公園に向かった。
 
ベンチに座り桜を眺め、切ないについて考えた。
 
とても良い時間だった。美しい時間だった。

 
頭のグルグルがおさまってやっと家路に着いた。


はじめて終わりが見えない人と巡り会えたような気がしている。

またすぐに会えるのも嬉しい。

この出会いは大切にする。

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