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春がやってきた。

前回の記事で書き留めた男性が、彼氏という存在に変わった。

出会った後、3回目のデートだった。
わたしが好きなお寿司屋さんの予約を取ってくれた。

彼の仕事終わりに急いでやってきてくれた。

わたしは何日も前から、あと3日、2日、明日、とカウントダウンをするくらいに楽しみにしていた。
友人には決戦の金曜日やから!!とか言ったりして。

とっても楽しくお寿司を食べてから、バーに行くことにした。

繁華街を歩いている時、
これはデートだから手繋ご、と手を取られた。

ビックリして顔が熱くなった。
照れてにやける顔を手で隠すのに必死だった。

彼も笑いながら、
ちょっと、そんな照れてると俺まで照れてくるから。
なんて言うくらいに。

こんなことがあるのかと。
恋愛経験は少なくないはずだ。
手を繋ぐなんてしょっちゅうあったはずだ。

それがなんだこの様は。
なんて思いながらバーに向かった。


初めて出会った時から既に煙草を吸うことは
バレていたのだが彼は吸わない人なのでやめていたら
いいよ、なんなら少しちょーだい。
などと言うのである。

バーでもとても楽しくいろんな話をした。

そのあともう一軒飲みに行き、
さすがに午前3時、帰ろっかとなった。

心の中で、待て待て今日は決戦の金曜日だ。
これ以上なにもないのに会っていれば、
わたしが好きになりすぎるからダメだ、と。

普通の道端でタクシーを拾う前に、
「で、彼女にはせーへんの?」と
聞いてしまった。言葉選びなんてしてられなかった。

「せーへんならもうデートも行かへんけど」
などと畳みかけたりもした。最悪だ。

それでもわたしは彼氏でもない男性と
手を繋いで繁華街を歩くような女ではない。

彼はビックリしていたが、
「もう会わないって選択肢はないね」
と言った。

こんなことはじめてだなんて、呟きながら
とても真剣に考えていた。

わたしはNOという答えが来ても
まあ仕方ないかなとは思っていた。

何を悩んでいるのかと呟いてる内容を聞いていると
まだ知らないこともたくさんある、、
いやでも付き合ってから知ればいいのか、、
もう会わないなんて絶対にいやだ、、
こういうのって俺から言わなきゃじゃないの、、
なんてとても真面目に考えているのだ。

心の汚れたわたしはてっきり遊びのつもりだったけど
どうしようかなと悩んでいるものだと勘違いをしていた。なんて悲しい差なのかと思ったが黙っていた。

30分ほど呟きながら眠い頭を動かして
一生懸命考えたあと何を決めたかは分からないが、
「付き合ってくれる?」
と言ってくれたのである。

そしてうん、と答えたら
右手を差し出して「よろしく!」と言われた。

笑いながら握ってしまったが、
わたしはとても感動していた。

なんだこの好青年は。素敵な人すぎて眩しい。

そしてもう夜も遅いからと、わたしが
帰ろ帰ろ〜〜とか言いタクシーに乗って帰路に着いた。


帰ってからよくよく考えてみると、
人生で初めて自分から欲しいと思った人だし、
自分から告白のようなものをしたことに気づいた。

30年近く生きてきてこんなことがあるのか。
あっていいのだろうか。

彼氏になったらしい。

え?本当に?というのが正直なところだ。

次の日の朝起きた時、夢かと思った。
夢ではなかったらしい。嬉しい。


どうしよう。

すべて今までの人生で経験したことがない。

飾らずに、いろんな思い出を作っていきたい。

どうしよう。

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