見出し画像

余裕

小さな頃から周りのみんなが好きなテレビや歌について話しているのがとても不思議だった。

どうやって知るのだろうか。
どこで情報を入手しているのか。

わたしは昔からとても忙しく、幼稚園に入った5歳頃から暇な時間などなかったのだ。

習い事を詰め込んでいたのでテレビを見た記憶はほとんどないし、唯一覚えているのが父親が深夜に観ていた水曜どうでしょうくらいだ。

中学生の時は部活に明け暮れ、部活終わりには塾に行き公文に行き帰りも22時を過ぎていた。

ご飯を食べるときにテレビは消すルールだったので、テレビとは全く縁のない幼少期だった。

高校生になるとアルバイトに遊びに忙しく、帰りはほとんど深夜だ。

専門学生のときも朝まで毎日働いていた。

就職してからは出張も多く、勉強することも多く、家にはお風呂に入るためだけに帰るような生活を送っていた。

そのまま28歳を過ぎるまで約23年間、日常に余裕なんてない生活をずっと送ってきたのだ。


友人がアイドルにハマったり推し活をしていたり。
アニメやドラマの話をしているのが本当に不思議だった。

どこにそんな時間があるのだろうか?
なんなら暇なのかとすら思っていた。

去年からわたしはいろんなことがあり仕事量を減らし、人生で初めて余裕のある生活を始めた。しばらくすると飽きるだろうが1〜2年はいいだろうとゆっくりしている。

先程の疑問について考えるようになった。
みんなこうやって日常を生きていたのかと初めてわかった。

テレビはうちには無いのでわからないが、YouTubeを見てみるようになった。ラジオを聴くようになった。自炊を続けてするようになった。

暇なのか?の問いについては、暇だったのだ。

暇でないとこれは出来ない。

しかし、これは人間として生きる上で必要な暇だと感じる。好きなものが増えるのだ。文化を取り入れる時間がとても増えた。

仕事以外で勉強することの楽しさ、好きなものを見ることの楽しさ。感じたことのない楽しさがそこにはあったのだ。そしてそれはわたしの感受性を刺激し、思考にも感性にも影響をもたらした。


金属バット、アルピーの平子、野爆のくっきー。
好きな人が増えた。

ギターを買おうかなとか、絵を描いてみようとか。人生の楽しみが増えた気がする。


そしてジムに通いはじめ、ピラティスをはじめてみた。美しい身体に近づく様子は楽しい。


1〜2年でこの生活に慣れてみて、徐々に仕事を調整しながら増やしていきたいと考えている。ただただ忙しい生活はもうやりたくないが、自分の調子の良いペースを掴みたい。

30歳を目前に、これを知れて良かったと心から思う。

余裕ある生活の美しいこと。
精神的にもとても良い。

自分とはなにかを深掘りできてきている。

毎日たのしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?