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パリ北東のヴィレール・コトレ城に国際フランス語博物館がオープン

2023年11月1日、パリの北東約80kmに位置するヴィレール・コトレ城に、国際フランス語博物館(Cité internationale de la langue française)がオープンした。

ヴィレール・コトレは1539年、ラテン語に代わってフランス語を公用語として定めたヴィレール・コトレの勅令が公布された地であり、フランス語の歴史との関係も深い。

世界で約3億人の話者がいるとされるフランス語。フランス以外にも、アフリカの国々を中心に話者が分布しており、フランス語を公用語とする国は29ヵ国にのぼる(※)。

※参照:World Population Review|French Speaking Countries 2023

世界の5つの大陸に広がったフランス語は、地域ごとの環境やニーズに応じてさまざまなバリエーションを生みながらその土地に根付いてきた。

国際フランス語博物館では、この多様性の中にフランス語のバイタリティーを見出し、あらゆる角度からフランス語を探究するための展示を実施している。

フランス語という言語そのものに特化した常設展の設置は初めての試みであり、見学者はヴィレール・コトレ城の装飾や館内の芸術作品を楽しみながら、フランス語の歴史を辿ることができる。

工夫を凝らした視覚資料のほか、一連の質問に答えることでAI搭載の「バーチャル司書」がおすすめのフランス語書籍を選んでくれる没入型の体験設備、「魔法の図書館(bibliothèque magique)」などが興味深い。

国際フランス語博物館の公式サイトによると、城の中庭にあるガラス屋根を利用した展示も必見だ。フランス語の多様性を映し出すおよそ100語の言葉が吊るされ、言葉の海ならぬ「言葉の空」を表現したディスプレイにどんなワードが並んでいるのか、ぜひ一つひとつ自分の目で確かめたい。

フランス語を学んでいる人だけでなく、言語や文化に興味を持つ人たちが広く楽しめる展示が充実した国際フランス語博物館。

フランスを訪れる機会があれば、旅の行き先リストに追加してみてはいかがだろうか。

国際フランス語博物館(Cité internationale de la langue française)
住所:1, place Aristide Briand 02600 Villers-Cotterêts
アクセス:パリ北駅(Paris Gare du Nord)よりフランス国鉄TERで約45分。ヴィレール・コトレ駅(Villers-Cotterêts)から徒歩10分。

Cité internationale de la langue française ー Access and Transport


(編集部・Moe)

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