マガジンのカバー画像

武蔵野シェアハウス発、辺境の山旅

12
1990年代末、若き日のアルピニスト野口健たちと共に暮らした東京・武蔵野の木造一軒家。 無名の冒険家たちが集まるその空間は、異様なほどのエネルギーであふれていた。 「ヒマラヤに行…
運営しているクリエイター

#星野道夫

連載第2話 『旅をする木』とはじめての旅

連載第2話 『旅をする木』とはじめての旅

写真家・星野道夫さんの『旅をする木』を、とりわけその中の「16歳のとき」の章を繰り返し読むうちに、私は長野県の北アルプスにも目が行くようになった。
山岳雑誌に出てくるその山域は、アラスカを連想させる広大な山々が広がっていた。
星野さんのように16歳でアメリカに行くことは難しいが、ここには一人でもいけるだろう。

1997年の夏—―。
16歳の私は、北アルプスの北穂高岳から剣岳まで縦走した。
知識も

もっとみる
連載第1話 16歳のとき

連載第1話 16歳のとき

1979年生まれ。
サッカー好きであれば、その年で思いつくのは「黄金世代」というキーワードだろう。
2002年に行われたワールドカップ日韓大会では、この「黄金世代」が主力メンバーとなり初の決勝トーナメントに進出。
その「黄金世代」は「サッカー王国」=「静岡県」の出身者が多かった。
私もその「王国」育ちの「黄金世代」。中学は強豪校のサッカー部に所属していた。
「全国制覇」を目標にしていたその中学は、

もっとみる