![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62286069/rectangle_large_type_2_6c660516ca15f383bcaff8a3730da48e.jpg?width=800)
毎日読書メモ(119)『想像ラジオ』(いとうせいこう)
いとうせいこう『想像ラジオ』(河出文庫)、ヨーロッパ旅行に行く途中のトランジットで、イスタンブールの空港で読んだ。
深夜に、高い杉の木の上から、DJアークが「想像~ラジオ~」と語りかける。Stay Tunedしているのは一体誰か、アークが一番届けたい人に、彼の声は届くのか。垣根があって、ラジオが届くか届かないかの境目で、もう一度話したかった人と脳内で会話する人。東日本大震災を通奏低音に、喪失と再生を語る。きれいごとのようでもあるが、それでも語られなければならないことだった気もする。美しく哀しい物語でした。(2015年9月)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?