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毎日読書メモ(126)『生きていてもいいかしら日記』(北大路公子)

恩田陸の『月曜は青い蜥蜴』の中に、北大路公子『生きていてもいいかしら日記』(PHP文芸文庫)の解説文が収められていた。それを読むまで、北大路公子という作家について全然知らなかったのだが、すごく魅力的な解説文だったので、気になって読んでみた。

というか、最近、Twitter見ていると、わたしがフォローしている人たちがしょっちゅう北大路さんのツイートをRTするので、まるで自分でフォローしているのかと思う位北大路さんのツイートも見ている。

『生きていてもいいかしら日記』(毎日新聞社)は「サンデー毎日」に連載されていたエッセイ。2006年から2007年にかけての連載(その後も連載は続いて、『頭の中身が漏れ出る日々』という本が続きとして出ているようだ)。確かに「サンデー毎日」ってあんまり読んでいなかったが、こんなに面白いものを初出から15年も知らずにいたなんて!

そして、すごいのは、15年たっていても何も古くなっていない。週刊誌の連載だというのに、時事は全く扱われていない(神田うのの結婚式の話くらいか)。基本的に家の中にいて、あとは飲みに行っているだけで、すべての話が脳内で進んでいる。すごく自己中心的なのに、すごくわかってしまう論理の進め方。北海道に住んでいて、なんとなく、季節のうつりかわりの様子が関東とは違う、ということは感じられる。夢は佐藤浩市が隣に引っ越してきて、大変親しくなること。

あとがきがわりのインタビュー読んで更に笑う。ブログ書いていて、それが本になったら出版社に「本当にこの人はこんなことだけで毎日生きているんですか。ひとつも本当だと思えないんだけど本当なんですか、あの本は」と投書があったと。人を逆撫でする覇気のなさ。「この人はいついかなるときもバカバカしいことを書いている」と思われたい、と断言する潔さ。流石、座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」と書いているだけのことはある。

中毒になる面白さだ。またすぐ探してきて読みたい。


#読書 #読書感想文 #北大路公子 #生きていてもいいかしら日記 #恩田陸 #月曜日は青い蜥蜴 #PHP文芸文庫 #サンデー毎日  

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