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庄野潤三『逸見小学校』(毎日読書メモ(418))

逸見へみは神奈川県横須賀市の地名。京浜急行に逸見という駅があります。

大好きな庄野潤三さんが2009年に亡くなって、この本が出たのが2011年だった。新作が読めなくなった寂しさを感じていた時期に、発掘された旧作もまた愛しい。

もう新作は出ないから、発掘された原稿も本になる。戦時中の若者の姿を描いた物語は、意外と雄弁に時代の現実を物語っている。老年の夫婦の物語よりも、リアル、きれいごとでなく、従軍する若者たちの姿が見える。勇ましくもないし、人間関係もどろどろ(どろどろは言い過ぎか)。でも、既に、庄野潤三世界の息吹も感じられる。いいもの読みました。(2012年8月の読書メモ)

前に書いた感想文:庄野潤三を読み、至福の時を味わう

#読書 #読書感想文 #庄野潤三 #逸見小学校 #新潮社

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