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エーリヒ・ケストナー『エーミールと探偵たち』、『エーミールと三人のふたご』(毎日読書メモ(390))

読書の入り口が岩波書店の児童書だったので、リンドグレン全集、「ドリトル先生」シリーズなどは何回も読んだし、エーリヒ・ケストナーも、『ふたりのロッテ』、『点子ちゃんとアントン』、『飛ぶ教室』あたりは何回も何回も読んだのに、何故か、エーミールものだけ読まないまま大人になってしまった。50歳近くなって初めて手に取って、勿論手に汗握りながら読んだ。何年に1回かは、ケストナーを読み返した方がいいと思う。死ぬまでずっと。
わたしが子どもの頃は、ケストナー全集は高橋健二訳だったが、現在岩波少年文庫で出ているケストナーは池田香代子訳になっている。

『エーミールと探偵たち』:なんと子どもの頃に読みそびれて、この年になって初読み。もっと若いうちに読んで、手に汗握りたかった1冊でした。今読むと、母子家庭の親子関係とかそういうところについつい感情移入しちゃう。最後に泥棒を糾弾するオチとか、読んでいてドキドキしたのが一気に爽快な気持ちになる感じ。そこに至るまでの、少年達の信頼感、友情(初めてであったその日なのに!)とか、役割分担をきちんと護った少年の誠実さとか、人間の美しさを感じさせてくれた...犯人ひとりが悪役を担ってしまった感じだねぇ。(2012年12月の読書メモ)

『エーミールと三人のふたご』:これもまた、友情と冒険の物語であると同時に、親子の物語。母の想い、子の想いを考え泣きそうになる。作者は別に泣かせようとして書いている訳でもないのに。サーカスの「ふたご」たちを救うための少年達の機転。色々な立場の「少年」がいて、身分社会をある意味如実に感じさせられる訳だが、みんながそれぞれの分の中で、誠実さを最大限発揮する。(2012年12月の読書メモ)

『点子ちゃんとアントン』、『ふたりのロッテ』の再読の記録はこちら

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