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毎日読書メモ(113)『とっぴんぱらりの風太郎』(万城目学)

どの作品を読んでも発想の奇想天外さに驚かされる万城目学、『とっぴんぱらりの風太郎』(文藝春秋、現在は上下巻で文春文庫)は、導入がやや重かったが、分かっている史実の切なさを思いつつ最後まで突き進んだ。話も重いし、本も重かった...。

この本を読む直前に京都に行って、豊国神社とか耳塚とか見ていたので、豊臣家の滅びの過程が殊更に切なかった。

重たかった!(そこかよ) 風太郎が何を目指し、どこに向かっているかがわからず、意外と難航。しかも人があまり死にすぎる。切ない。戦世の終わりに、こんな物語もあったかもしれない。殺したら、その分何かを生かせばいい、という芥下のことばが一番印象的だったかな。高台院のねずみのひげ、豊臣家が歴史上から消えていく直前の世界。この間京都で豊臣家史観からの京都都市論を聞いたのが意外と役に立った。風太郎は海を見たか。(2015年12月)



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