文化村ザ・ミュージアム　ポーラ美術館コレクション展　甘美なるフランス

ポーラ美術館コレクション展　甘美なるフランス | Bunkamura

午後から所用あり、休暇を取っていて、午前中何しようかな、と思って、渋谷に来てみた。「ポーラ美術館コレクション展　甘美なるフランス」、ポーラ美術館の収蔵品による展覧会。箱根に行く機会があまりなくて、ポーラ美術館行ったことなかったので、初めてまとまった形でポーラ美術館の収蔵品を見られた。日本人の好きな泰西名画をこれでもかこれでもか、と提示する、そんな展覧会。

化粧品会社のコレクションらしく、絵画の合間に、香水瓶や、化粧道具、手鏡などの展示があり、エミール・ガレとか、作者名のない工芸品とか、展覧会の趣旨とずれている感じがちょっと可笑しい。

絵画作品については王道過ぎて、何も言えない感じ。展覧会に貸し出しされていた作品も多く、見たことのある作品も沢山。印象派系の展覧会の導入としてデフォルトなコローから始まり、モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー。ポスト印象派というくくりでセザンヌ、ゴーガン、ゴッホ、ボナールなど。ゴッホは1点だけだったが、「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」、初めて見た絵で、補色使いまくりのビビッドな筆致で面白かった。個人的にボナールが苦手なんだけど、今回出品されていた4作はどれも面白かった。

20世紀絵画ではヴラマンク、マティス、ピカソ。ブラックは、キュービズムでない2点、特に「ティー・ローズの花籠」という絵がすごく印象に残った。デュフィは「パリ」という縦長の絵4枚をつなげて展示する衝立みたいな作品が「電気の精」を思い起こさせてとても素敵。レジェの「鏡を持つ女性」も、画題が男性でなく女性なところが印象的。ユトリロ、モディリアーニ、スーティン、パスキン、ローランサン、ヴァン・ドンゲン、キスリング、シャガール、どれも粒ぞろいで見入る。一つとして駄作なし。優等生的コレクション。

こんなに沢山の作品を貸し出し中でも、箱根のポーラ美術館でもレベルの高い作品を展示しており、コレクションの質の高さを感じる。一方で、日本人の好むフランス印象派の系譜のコレクションをきっちりきっちり集め続けていて、コレクターの趣味があまり感じられないのがちょっと残念だったりもする。

絵画史の教科書をリアルで見ている、というそういう感じの展覧会。

ミュージアムショップは3日前に行ったゴッホ展に較べると淡白な印象。

会期は2021/9/18~2021/11/23。9/28と10/26は休館。平日は、日時指定不要だが、会期中のすべての土日祝日および11月15日(月)～11月23日(火・祝)は【オンラインによる入場日時予約】が必要。

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