三沢厚彦ANIMALS Multi-Dimensions展(千葉市美術館)
三沢厚彦ANIMALS Multi-Dimensions展を見てきた。
千葉市美術館で2023/6/10-2023/9/10開催。入場料1200円は最近の美術展入場料金としては良心的な安さ! 残念ながら(?)あまり混んでいないので、それぞれの作品を360度ぐるっと回って色んな角度から鑑賞。
最初は屋外に置いてあるライオンから鑑賞。
(これは木彫作品をシリコンで型をとり、ブロンズを流し込んでから着色したもの)
それから、1回のさや堂ホールの中で三沢厚彦と仲間たち(舟越桂、浅田政志、小林正人、杉戸洋)の作品を堪能。
エレベーターホールで茶色いクマがお出迎えしてくれて、いよいよ8階と7階の有料展示へ。
ホールのクマとパンダは撮影OK。他に油絵もあり。
8階はANIMALSの展示で、大小さまざまな動物たちがこれでもかこれでもかと登場。最初の部屋のこぶりな鳥たちが可愛かった。
2017年に渋谷の松濤美術館「三沢厚彦 アニマルハウス謎の館」展でも見た作品も色々出展されていたが、初めて超巨大なワニのインパクトが半端なかった。
そして第3室と第4室は撮影OK。クマの彫刻が多かった。それ以外に、昔丸ビルの前にブロンズ鋳造の作品が置かれていた白いトラもいて懐かしかった。
7階は撮影不可。コロイドトンプという、海岸に漂着したものをアサンブラージュした像とか、木片やさまざまなものをつなげて着色したミクストメディア作品が色々あって、これら(アニマルズ以前から制作されていた作品群)は初めて見たので、作家の作風の変遷なども感じられた。
途中に制作スペースがあり(松濤美術館でも、制作スペースが何ヶ所か設けられ、展覧会の初期と終期では同じ作品の違った姿が見られる。その過程も展示の一部なので、図録は会期後に発行される)、ユニコーン像の補修とか、新たに女性像の木彫とかが置かれていた。作家在廊日は、制作風景も見られるらしい。この部屋にはまた舟越桂をはじめとする仲間たちの作品も多く展示されていた。
千葉市美術館収蔵品とのコラボで、長谷川潔の版画作品からインスパイアされたセラミックパネルの作品もあった。
最後の部屋が、近作のキメラの部屋。ライオンの姿形、身体にはヒョウのような文様、頭にシカの角、背中に翼、尻尾はヘビ、というキメラは、実物の動物のイメージから作られたこれまでの作品と一線を画す、不思議な風合い。これまでも、麒麟とかフェニックスとかペガサスとか、実在しない動物は色々製作していたが、それらとも違う、喜びとか哀しみとかを超越した、不思議なまなざしを、キメラたち(彫刻作品3点、その他油絵などもあり)から感じた。
二本足で立つキメラの後ろに回ったら、翼の間に人の顔が浮かび出ていて、じゃあ四つ足のキメラの背中は?、と戻って背伸びして(台座にも載っているし、わたしの視線より高くて見にくい)翼の間を覗いたら、アマビエらしきものが彫り込まれているようだった。
部屋によって照明を落として展示されていたりして、メリハリの利いた展示。過去の大規模な三沢厚彦展の展覧会風景のスライドショーなども見たが、それぞれの展覧会で、その館の学芸員が、作家と相談して、どのように作品を並べるか工夫しているのがわかり、興味深い。
5階の常設展でも、ガラスケースの中に小品がちらっと入っている遊びが。常設展の外にはフクロウがいた。
4階の図書室、そしてオープンワークショップ「千葉の街の空洞をうめる○○をつくろう」コーナーにも作品あり。ワークショップで参加者が着色してつなげて製作する木片の中には、三沢さんの作品を削った際に出たものなども混じっているとのこと。
そして、最後にショップで海洋堂のフィギュアを買う。
ガチャガチャにはなっていなかったが、何が入っているかわからない箱を自分で選んで買える。税込み935円で、ゾウ、トリ、タヌキ、クマ、トラがあって、重めの箱と軽めの箱を買って帰ったら、ゾウとクマでした。トリが可愛かったんだけどなー。流石にコンプリートセットを買う漢気はなかった。
トラやクマは値段の高い(5ケタ)大き目で精緻なフィギュアもあった。
なんだかとっても楽しい展覧会。まだ会期があるので、もう1回くらい行きたいかも...。
これは2017年の松濤美術館の図録。この時も会期後発刊されて申し込んだ人の家に郵送されてきた。
会場に置いてあった「かがくのとも」。17年前の刊行なのか….単行本化はされていないようで、新刊書として買えないのが残念。
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