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山内マリコ『東京23話』(毎日読書メモ(272))

山内マリコ『東京23話』(ポプラ社、現在はポプラ社文庫)の読書記録。
東京23区。それぞれの区に特徴があり、違う顔がある。中心的なエリアとか、象徴的な電車路線がある。とはいえ、すべての区に住んだことがあるとか、通学したり勤めたりしたことがある、という人もそんなに多くはあるまい。通りすがり的に持つイメージ。それも23区全部ではなく、よく知っている幾つかの区と、漠然としたイメージしかないそれ以外の区。
そうしたもやもやとした各区論を山内マリコが擬人化。楽しく読んだ。それぞれの区に、この本で描かれた以外の別の顔もあるよな、と思いつつ。

東京の23の区が擬人化され、自分語りしている。区の中の一つのモニュメントだけがクローズアップされ、これがこの区の代表?、みたいに思えたり、こんなの常識、みたいなことがあったりもするが、東京に馴染みのない若い人(ポプラ社のサイトでの連載だったので若い人向けなんだろう)が読むと、色々な知見が得られるのだろうな、と思ったりする。萩尾望都と竹宮恵子の大泉サロンとか、知らなかった話もあり、東京には色々な顔があるな、と後ろのややマイナーな区に行くほど得心。(2016年7月の読書メモ)

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