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毎日読書メモ(152)栗田有起『ハミザベス』、古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』

読みかけの本を読み終えられなかったので、過去日記から読書日記を拾う。この間触れたばかりの村上春樹Remixと、あんまり間があかずに読んでいたのか。

栗田有起『ハミザベス』(集英社)読了。中編2本、いずれも、特殊な境遇にありながら、その特殊さを特殊さとしてアピールすることのない、淡白な少女の物語、という感じ。表題作で母の更年期を扱っているのが、逆にわたし的には卑近であったが、もう一声欲しい感じだったかな? 結論のついていない終わり方(両作とも)が、賛否わかれるところかも。続けて古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』(文藝春秋)にちょっとだけ取り掛かる...なんか村上春樹を意識している感じがするのは、Remix小説を書いている先入観からか?

電車の中では『ベルカ、吠えないのか?』を読む。アリューシャン列島に取り残されていた軍用犬とか(イメージが「南極物語」みたい...)、ロシアンマフィアとか、切り口は全然違うのに、語り口が初期の村上春樹(『1973年のピンボール』辺り)みたいに思えてしまう。不思議な小説。なんでこんな物語を思いつくんだろう?

『ベルカ』を進める。ようやく、ベルカ、という名前が出てきた...。頭の中で系図が描けなくなった思考停止状態はほんと『百年の孤独』みたいだよ...。

やっと読了。なんて込み入った、すごい小説なんだ! 頭よくないと読み解けないが、これは小説好きにはたまらない小説だったよ。(2006年2月の日記より)

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