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はじめてのアンコンシャスバイアス研修

enechain コミュニケーションデスクの井上です。先日、社内ではじめてのアンコンシャスバイアス研修を実施しました。


アンコンシャスバイアスを知っていますか?

「アンコンシャスバイアス」という言葉をご存じですか?
2010年代にGoogleなどのIT企業が従業員向けに研修として実施するようになってから10年ほどが経ちましたが、日本では2021年にメルカリが研修資料を無償公開したことによって再度注目されるようになりました。

バイアス自体は悪いものとも限らず、誰しもが持っていて当たり前であり、わたしたち人間にとって不可欠なものです。その一方で、バイアスから生まれるマイクロアグレッションや不公平があることも事実であり、それらを職場や社会から取り除くための学びの機会が広まっています。noteでもたくさんの企業が研修を記事にしていますね。今回の研修準備でも、先人たちの知恵と経験にたくさんお世話になりました。

アンコンシャス・バイアスは、「無意識の思い込み、偏見」と訳され、誰かと話すときや接するときに、これまでに経験したことや、見聞きしたことに照らし合わせて、「この人は○○だからこうだろう」「ふつう○○だからこうだろう」というように、あらゆるものを「自分なりに解釈する」という脳の機能によって引き起こされるものです。(中略) 私たちは、アンコンシャス・バイアスがキッカケとなり、無意識のうちに (知らず知らずのうちに)、相手を傷つけたり、相手を苦しめたりしていることがあります。

日本労働組合総連合会ウェブサイトより

銀河系軍団を目指して

銀河系軍団 (Los Galácticos / ロス・ガラクティコス) は、スペインのサッカークラブ、レアル・マドリードの2000〜2006年頃の愛称で、当時活躍した有力選手たちによるドリームチームのこと。多様なメンバーがリスペクトしあいそれぞれの専門性を活かし合う、enechainがめざす理想の組織像のひとつです。みんながそれぞれの強み、そして弱みをもっているからこそ、視野や経験、可能性を広げられると信じています。

enechainでは、バリューのひとつに "Rainbow is beautiful" を掲げ、異なる才能や意見を持つメンバーたちが互いを信頼し、尊重しあうことで、一人ひとりがプロフェッショナルとして力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。ですが、電力、商社といったエネルギー業界のみならず、コンサル、金融、そしてITといったさまざまな業界の第一線で活躍してきた仲間が集まっているからこそ、お互いの違いを認めあい、高めあっていく姿勢が大切。その一貫として、メンバーが100人を超え、7月末に創業5年目を迎えた2023年、全社員に向けたアンコンシャスバイアス研修を実施することにしました。

なにから始めればいいの? 手探りの準備期間

…とはいっても、はじめは手探りな状態からスタートしました。何から始めれば良いのかわからず、情報収集の日々。誰にとっても身近でありながらセンシティブな内容でもあるので、当初は専門家の方に研修をお願いすることも検討していましたが、いわゆるDEI (Diversity 多様性 / Equity 公平性 / Inclusion 包括性) に関する取り組みを一過性に終わらせず、継続して組織の文化として醸成していきたいという想いから、自分たちだけで行うことにしました。

今回の研修のために作成したスライド

当日のプレゼンテーションスライドはGoogleメルカリが公開している資料を参考にしながらオリジナルで作成。たくさんの本や資料を参考にしながらのワークショップ設計は骨が折れましたが、結果的に多くの知見を得ることができました。ちなみに参考にした書籍や記事はこちらです。インターネットの集合知に感謝。

そのほか、先日参加したOUT JAPANさんのセミナー「LGBTの制度づくりと社内体制」の内容も多分に参考にさせていただきました。

準備を進めているなか、ちょこちょこと社内から聞こえてきたのは戸惑いの声。「こわい」「責められるんじゃないか」といった、自分たちの価値観が頭ごなしに否定されてしまうんじゃないかというみんなの不安に耳を傾け、参加者の心理的負担が少なくなるよう内容を見直したりもしました。

顔が見える人数で、みんないっしょに

はじめての企画ということもあり、研修は全員の顔が見える人数ということで20名ずつ、数回に分けて開催しました。全社で同じ方向を向いていくために、社長から新卒で今年入社したメンバーまで分け隔てなく参加します。時差もあるので任意参加とお伝えしていたロンドンオフィスのメンバーも、うれしいことにオンラインで加わってくれました。

プレゼンテーションの間、うんうんとうなずきながら真剣に耳を傾けてくれるメンバーも多く、「受け入れてもらえず、強い反発があったらどうしよう」という心配も杞憂に終わってひと安心。参加者同士のワークショップも、リラックスした和やかムードでディスカッションが行われ、良い雰囲気で研修を終えることができました。

これから向かう方向を決めるのは自分たち自身

開催後は、参加者を対象に研修とDEIに関するアンケートに答えてもらいました。これからの会社の向かう方向を決めるのはメンバーであり、押し付けとならないように一人ひとりの声に耳を傾けるため、すべてにじっくり目を通します。ありがたいことに、アンケートでは多くの参加者から「有意義な研修だった」「これから意識していきたい」といった意見が集まりました。その一方で、「現状で問題がないので研修の目的がわからなかった」「過度に権利を主張するような場面が発生するのが心配」といった声もあり、そういったまっすぐな意見のおかげで新たな課題も見つかりそうです。

アンケート結果の一部。1が「会社として必要ない」4が「会社として対策するべき」

アンケートの結果でうれしい驚きだったのは、自由記入式の回答に長文が多かったこと。他のイベントでも同様にアンケート回答をお願いしていますが、今回は圧倒的に気持ちの込もった長めの回答が多く見られました。研修やDEIに関してポジティブなものもネガティブなものもどちらも熱量が高く、このトピックへの関心の高さがうかがえます。普段の業務では気がつかない一面やそれぞれの価値観に出会うことができて、このアンケート結果だけでもこれからにつながる大きな財産になりました。

道のりはまだまだこれから

enechainにとって、初めて会社としてDEIについて考える機会となったアンコンシャスバイアス研修。「流行りだから」「みんながやっているから」ではなく、使命感をもって自ら進められたことで、企画を通して誰よりも運営チームが学び、成長できたように思います。

「アンコンシャスバイアスは誰にでもある」と認識することが研修の第一歩であるのと同様に、自分たちの現在地やそれぞれの考え、想いを伝え合い、理解することから、一歩ずつ前に進んでいきたいと考えています。誰もがメンバーの一員であることに誇りを持てる、銀河系集団 (ロス・ガラクティコス) を目指して。

今回の研修をゼロから企画したコミュニケーションデスクは、発足してからまだ半年ちょっとの赤ちゃん部署。あらゆる方面での社内外のコミュニケーションを担当しています。まだまだヨチヨチ歩きですが、誰もが心地よく働ける環境をつくるために、日々奮闘しています。


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