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The Ascentレビュー「真のサイバーパンクゲー」

みなさんご無事だろうか。
おそらく現在大半の人類はエルデンリングのやりすぎで人間性を失っているはずだ。

私もしばらくエルデンリングをやりこみかなりの人間性を捧げ、頭ゴドリックとなってしまっていた。
しかし気づいているだろうか…人類がマレニアおばさんに自己紹介を聞かされ続けている間に、「The Ascent」という真のサイバーパンクシューターがこの世に生まれ落ちたという事実に…。

 The Ascentはどんなゲームなのか

皆さんは時代の狭間に埋もれた伝説のゲーム「サイバーパンク2077」というゲームを記憶しているだろうか。 生まれるタイミングが悪くさんざんな目にあい、人々から虐げられ遂には表舞台からその姿を消した忌み子サイバーパンクを…。
私ももちろんプレイした。PS4DL版を発売日に購入しその現実を突きつけられ、頬には一筋の涙が伝い乾いた地面を濡らしたが、何とかエンディングまでこぎつけたことを記憶している。
プレイ感としては正直100点満点の出来ではなかったが、その世界感は本物で映画ブレードランナーをリスペクトしたネオン輝く景色はとてもワクワクさせられるものだった。

そのサイバーパンクの遺志を継ぎ、見下ろしシューターとして生を受けたのが「The Ascent」だ。開発も全く違うインディーズのゲームであるが、かなりサイバーパンクをリスペクトしており、UI、マップ、用語に関してはパクリまでぎりぎりいかないくらいの類似率を見せつけていると感じる。
とりあえず全体像についてはトレーラーの映像を見てほしい。


一応注意点としては見下ろしシューティングでドロップがありディアブロを彷彿とさせるプレイ感だが、ドロップにランダム性はないのでルートシューターではない。固定ではあるが武器はドロップし、強化素材も敵が落とすことがあるのでハクスラゲーでないわけではない。
またオープンワールドでもないのでストーリーは一本道、マップは自由に再訪できるといった感じ。自由にこなせるサブクエストが数は少ないが存在する。メインストーリーに関係ないマップもあるので、探索要素もある。


ストーリーとあらすじ

このゲームの舞台は一言で表すと、「サイバーパンク+ポストアポカリプス+宇宙SF」だ。サイバーパンクとポストアポカリプスは割とセット販売をされていることが多いが、そこに宇宙系SFを融合することはあまりなく珍しい気がする。
設定としては、架空の惑星が舞台になっており、その惑星全体を「アセントグループ」という巨大企業が支配している。そして入植者たちはアセントグループの奴隷として日夜奴隷労働を強制させられ搾取されている。
プレイヤーもその最底辺の奴隷の一人で長きにわたり労働に従事してきたが、ある時突然アセントグループが破産、その結果企業による最低限の秩序が保たれていた惑星は無法地帯となり、町はギャングとミュータントで溢れ返る。
その騒動の中で、プレイヤーが底辺から這い上がろうと奮闘し、その過程でアセントグループ破産の真実を垣間見る、そんなストーリだ。



良かったところ

まず素晴らしいのが、緻密に作りこまれたグラフィック。
マップを歩いているとブレードランナーを彷彿とさせる煌びやかなネオンの景色、雑多な街並み、行き交う多くの人々と、どの景色を切り取っても映画のワンシーンのような芸術性があった。
ぶっちゃけこのゲームの評価のうちグラフィックの要素が大部分を占めると思う。この点においてはサイバーパンク2077よりもかなり完成度は高いと感じた。もちろんサイバーパンクのほうが画質はいいし、テクスチャの物量も多いのだがThe Ascentの景色のほうは一枚の絵画を見ているようで、プレイ中に足を止めてぼーっと眺めてしまうくらい惹きつけられる出来栄えだった。

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肝心のアクション部分についてもかなり爽快感のあるプレイ感に仕上がっていたと思う。敵は群れで襲ってくるし、倒した時の死体の飛び散り具合も気持ちいいものだった。カスタムでアビリティ、スキルが使えるので、操作感としてはディアブロシリーズが近いような感じだった。

海外インディーゲーでは機械で翻訳したようなガバガバ翻訳がありがちだが、The Ascentは翻訳部分はかなり良かったと思う。
ところどころ怪しい部分はあるが、肝心のストーリーに関しては全然問題なかった。会話やクエストログはただ翻訳しただけでなく、原文のニュアンスを自然に伝わるよう日本語訳に落とし込んでいたので、そこはかなり良かった。

ストーリーについて、The Ascentはインディーの割にはかなり世界観がしっかりしていた。
本作では惑星間での人身売買が盛んなほど、宇宙は割とオープンに交流がなされているらしく、5,6種類くらいの種族がまぜこぜで生活している。それぞれの出自や特徴はゲーム内資料でいつでも読める。私はプレイ開始直後に全く進めずに30分くらい読み漁った。SFが好きなら夢中になって読んでしまうと思う。こういうところはマスエフェクトを彷彿とさせる。

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↑こいつらは300年くらいの長生き種族で人間より知能も高くほかの種族を見下している。人生に「飽きている」やつも多いらしい、星新一みたいで良い。


微妙なところ

いくつかあるが、ファストトラベルが不便なのが大きいと思う。
基本的にはマップ内に点在する駅間でしかファストトラベルできない。なのでまず駅まで行って、電車に乗り、到着した駅に徒歩で再度移動する必要がある。タクシーを使えばどこからでも移動できるが有料なので、中盤以降出ないと気軽には使えない。またThe Ascentのマップは大きく最下層、下層、中間層、上層と4つに分かれている。この階層はエレベータを使わないと行き来できないためタクシーを使ったとしても時間がかかる。
実際このシステムは不評のようだが、個人的には先述の通りローケーションが非常に魅力的なのであまり苦に感じなかった。

またThe Ascentはインディーゲーなのでそこまでのボリュームはない。
PSストアで5000円弱くらいだが、サブクエを全部やっても30時間弱くらいだった。

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↑マップ移動時はこんな感じ、ただのロード画面より没入感があって良い


まとめ

個人的評価としては、The Ascentは100点満点中80点のゲームだった。
とにかくグラフィックの作りこみがすさまじく、何度見ても飽きない芸術性があると思う。
サイバーパンク系作品が好きな人にはぜひプレイしてほしい作品だった。
PS版はストアで配信中なのでチェックしてみて欲しい。
steam版は4000円で買えるので、PCでできる人はそっちがお得かもしれない。

以上!
また今度、謎日本語を喋る店主がいる謎ヌードル屋で会おう。


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