遠藤 宏 / Photographer

全国各地の小屋巡り。 1971年生まれ、東京都在住。 https://www.inst…

遠藤 宏 / Photographer

全国各地の小屋巡り。 1971年生まれ、東京都在住。 https://www.instagram.com/endo__hiroshi/?hl=ja https://www.endhrs.com お問合せは h.endo@endhrs.com へ。

最近の記事

  • 固定された記事

こんにゃく芋を保管する小屋 1

畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、よろしければ、しばしお立ち寄りください。 先日、茨城県北部の山間部に行く機会がありました。用事を終えて車を走らせていると、土壁の見事な小屋を見かけました。 車を道端に停めてじっくり眺めようとしたところ、敷地内に年配の女性がいたので、写真撮影の許可をいただこうと声をかけました。すると、幸いなことにお話を伺うことができました。 この小屋の思いも寄ら

    • 有明海に建つ棚じぶ漁の小屋

      こんにちは。 畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、よろしければ、しばしお立ち寄りください。 今年の夏、九州に仕事で行く機会があったので、帰京を1日延ばしレンタカーで小屋巡りをしてきました。いつもは大まかに行きたいエリアを決めるだけですが、今回は時間がなかったので佐賀県鹿島市にある棚じぶ漁の小屋を目的地としました。 有明海は干潮時と満潮時の潮位差が激しく、特に鹿島市では大潮の時には

      • 小屋カレンダー2024

        こんにちは。 畑や田んぼ、漁港の片隅に建っている小屋の写真を撮っては、こちらに記事を書いています。これといって役には立ちませんが、よろしければお立ち寄りください。 さて、今年も「小屋カレンダー」を作りました。 2022年10月から2023年10月までのおよそ1年間で撮影した中から選りすぐりの小屋を、1月から12月まで12棟(プラス表紙の1棟)並べました。 せっかくなので、一月ずつ紹介していきます。 霞ヶ浦の湖上に建つ小屋です。ここでは食用鯉の養殖が行われており、小屋の水

        • あの世とこの世をつなぐ小屋 2

          秋田県にかほ市の盆小屋行事の記録 1はこちらから (1はこちらから) 8月15日送り盆の日は、12日と違って青空の広がる天気になりました。浜の町丁内の町会では午後3時ごろから送り火をする準備を始めました。上からの日射しと砂浜からの照り返しがまだ強い時間帯で、肌が焼けるのが分かります。そんな中、早く済ませてしまおうとばかりに町会の男性らは早速作業に取り掛かりました。 盆小屋を燃やして送り火にするといっても、そのものに火をつける昔ながらのやり方をする町会は下荒屋だけです。ほか

        • 固定された記事

        こんにゃく芋を保管する小屋 1

          あの世とこの世をつなぐ小屋 1

          秋田県にかほ市の盆小屋行事の記録 畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、よろしければ、しばしお立ち寄りください。 秋田県にかほ市象潟町でお盆の間だけ建つ小屋があるというので2023年夏に訪ねました。 この地区では毎年8月12日に海岸に簡素な小屋を建て、その傍らで迎え火を焚き、先祖の霊を迎えます。そして8月15日に小屋を燃やし、それを送り火として先祖の霊を再び彼岸へと見送るというの

          あの世とこの世をつなぐ小屋 1

          SNSに小屋の写真を流すたくらみとは

          こんにちは。 こちらは畑や田んぼ、漁港の片隅に立っている小屋を写真に撮ったり、それについて文章を書いているページです。 すぐに何かのお役に立つような有益なことは書いてありませんが、よろしければしばしお立ち寄りください。 先日、Fm yokohamaの番組「FUTURESCAPE」に呼んでいただき、小屋の話をする機会をいただきました。小屋の写真を撮り始めたのが2017年6月、noteに初めて記事を書いたのが2019年11月。こんな地味なものを写真に撮って文章書いて、一体誰が見

          SNSに小屋の写真を流すたくらみとは

          「小屋へようこそ」展のご案内

          いつも読んでくださっている方は、こんにちは。 初めての方は、ようこそいらっしゃいました。 畑や田んぼ、漁港の片隅などに建っている小屋を撮り歩いては、写真をアップしているページです。すぐに何かの役に立つような情報は載っていませんが、しばしお立ち寄りください。 今日はご案内をひとつ。 SNSで知り合った小屋好きの3人が集まり、それぞれの持ち味を活かした展覧会をします。参加するのは建築士の玉井清さん、画家の石本光男さん、そしてわたくしフォトグラファーの遠藤宏です。 題して、 小屋

          「小屋へようこそ」展のご案内

          「小屋・オブ・ザ・イヤー2022」発表!!

          こんにちは。 気がつけば2022年もそろそろ終わろうとしています。コロナで制約の多かった近年でしたが、ありがたいことに今年はあちらこちらに足を運び、多くの小屋に出会うことができました。 そんな中、印象に残った小屋はどれだろう?ということで、、、 「小屋・オブ・ザ・イヤー2022」をやってみたいと思います! はい、拍手!!!パチパチパチ・・・・。 さぁ、まず初めに「流用の小屋賞」は「かつては冷蔵ケース、現在は消防団の収納ケース」(沖縄県宮古島市)です。 バンタイプのワゴン車

          「小屋・オブ・ザ・イヤー2022」発表!!

          歩道橋にジャストフィットな防災倉庫

          こんにちは。 畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、よろしければ、しばしお立ち寄りください。 今年(2022年)初めに都内の環状7号線(環七)を車で走っていたとき、歩道橋の下に小屋があるのを見かけました。 階段下のスペースを上手に活用していて、すぐにでも撮りたいと思ったのですが、あいにく仕事に向かう途中だったことと、交通量が非常に多く気軽に路駐できる場所でもないので、ひとまずその場は

          歩道橋にジャストフィットな防災倉庫

          鳩舎 レース鳩のための小屋

          畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、よろしければ、しばしお立ち寄りください。 みなさんは鳩レースをご存知でしょうか? レース用に育てられた鳩を数百キロ、長距離では1,000キロも離れた場所から一斉に放ち、鳩舎(レース鳩を飼育する小屋)に帰ってくるまでの速さを競う競技です。 鳩は帰巣本能が優れているため、古くから軍事や報道分野で伝書鳩として活用されてきました。情報の受け渡しがほぼデジ

          鳩舎 レース鳩のための小屋

          下北半島の神楽桟

          こんにちは。畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、どうぞお立ち寄りください。 先月、下北半島へ行った際、人力で漁船を浜辺に引き揚げる巻上げ機=神楽桟(かぐらさん)をいくつかの漁港で見かけました。現在ではエンジンやモーターを動力源としたウィンチで巻き上げるのが主流なので、この道具はもはや絶滅危惧種と言っていい存在です。 今回たまたま青森県佐井村の漁港で、神楽桟の所有者だという年配の男性

          下北半島の神楽桟

          柱状節理の石を活かした小屋

          こんにちは。畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、どうぞお立ち寄りください。 先日、青森県の下北半島を二日間かけてぐるっと回ってきました。 地方に小屋探しに行くときには、毎回Googleのストリートビューである程度目星をつけてから現地に向かいます。しかしそれをなぞるように回るだけではツアー旅行のようで面白くありません。そもそも目的地のない曖昧な旅なので、できるだけ気まぐれに車を進めて

          柱状節理の石を活かした小屋

          薪小屋を愛でる

          畑や田んぼ、漁港などに建っている物置小屋や作業小屋の写真を撮り歩いては記事を書いています。 何かのお役に立ちそうにはありませんが、どうぞお立ち寄りください。 夏から秋にかけての今の時期に、北国の人達がせっせとしている作業があります。それは冬を前にしての薪作りです。 薪に好まれるのは杉や檜などの針葉樹よりもクヌギやカシ、ミズナラなどの重くて堅い広葉樹です。これらの木の方が燃焼時間が長いからです。 薪作りはまずは山から木を切り出すことから始まります。幹や枝をトラックで運べる長

          薪小屋を愛でる

          東京湾のアサリ漁の小屋

          田畑や漁港のすみに建つ小屋に魅せられて、あちこちを巡っています。有益な情報はございませんが、どうぞしばしお立ち寄りください。 千葉県に仕事で行った帰り道のことです。車の窓からチラッと漁船と小屋の並びが見えたので立ち寄りました。後から調べたところによると、ここは東京湾の中でも遠浅の海が広がり、江戸時代からアサリ漁が盛んだった場所なのだそうです。 小屋自体はいたって簡素なトタン壁だったり、トラックのコンテナを流用していたりで、これといって特徴的な形をしていたわけではありません

          東京湾のアサリ漁の小屋

          小屋と看板と政治ポスター

          こんにちは。田畑や漁港のすみに建つ小屋に魅せられて、あちこちを巡っています。すぐに役に立つような情報ではありませんが、どうぞしばしお立ち寄りください。 道路沿いに建っている小屋には案外と広告看板がつきものです。例えば金鳥の蚊取り線香や大正製薬のリポビタンDの琺瑯看板などは比較的容易に思い浮かべることができます。そうした全国区の大企業だけではなく、地酒や地元の動物園、個人商店の看板もよく見かけます。そこから地域の特色を見出すのも楽しみ方のひとつです。 もうひとつ、小屋によく

          小屋と看板と政治ポスター

          山に人生を捧げた林業従事者の小屋の記憶

          先日、「昭和林業私史-わが棲みあとを訪ねて-」(宇江敏勝著/農文協/1988年5月刊)を読みました。 書き手の宇江氏は1937年(昭和12年)に三重県で炭焼き職人の子として生まれ、高校卒業後ほどなくして炭焼きのために父親と一緒に山に入り、その後造林の仕事に従事しました。 この本は、生まれてから1975年ごろまでを過ごした炭焼き小屋や造林のために長期滞在した山小屋の跡を訪ねる形をとりながら、自分の半生と林業の変遷を辿る内容です。 私たちが山小屋というと、一般的に登山者が休憩

          山に人生を捧げた林業従事者の小屋の記憶