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わかってた、最初から

「オペアはあなたの仕事じゃないと思う」

わかってたけど、人からそう言われると苦しい

日本にいて学童で働いてたときは、面倒なことも嫌なこともありつつ、それでも可愛くておマセで生意気な小学生と会えて、最初はすごくすごく不安だったけど、遊んでもらえて楽しかったし、子どもたちにも多分、結構、かなり、好かれてた。
自信がなかったからこそ嬉しかったし、ほんとうに楽しかった。

それでも週4日が限界で、毎日これはしんどいよなってわかってて、まして一緒に住むだとかグズってる声で起きるだとか、寝る前に暴れるのを取り押さえて着替えさせるだとか、そんなのが何日も何週間も何ヶ月もできるなんて、思ってなかったよ。わかってた
そもそも学童でだって、察しのいい子にはなんか変って疎まれてたんだ。

面倒見てる子どもの写真を友達に見せて、「かわいいー」って言われるたび、かわいいって思えない私はまともじゃないのかなって、すり減っていった
子どもの世話とか向いてると思うよって言われるのも、そのたびに胸がチクチク痛んだ
向いてるわけないよ、私、いつも子どもに嫉妬してるから。
親のところに走っていけるのも、親が抱きしめてくれるのも、殴られないのも、怒鳴られないのも、全部羨ましくて、失ってしまえと願ってる。
私は不幸な子どもを見ることで安心してるから、学童で働けてたんだ

ホストファミリーって言ったって、もともと知らない人だし遠慮しちゃって、なにをどこまで自分の裁量でやっていいかとかわかんないし、母語じゃないから質問するのも毎回だとすごく疲れるし、最低限だけで諦めてた
単なるシャイとかじゃなくて、主体性も向上心も責任感も欠けた人間。

私にはなにもないって、わかってたよ
技術もないし経験もない、才能もなければ情熱もやる気も、なにもかもない。
わかってたんだよ

それでも、
「仕事はちゃんとやってるし、人となりは好きだよ、それでもこのオペアって仕事はあなたに向いてないと思う」
「楽しそうに見えないから、ほかの仕事をした方があなたのためでもあるよ」
そう言われて、なんだかすごく悲しいし、もっともっと自信がなくなった

わかってた、自分でも向いてないって
楽しいときもあるけど、イライラするときの方が多いし、緊張しちゃうし遠慮しちゃうし、自由じゃない気がして、すごく苦しかった。
それでも、私はほんとになんにもできないんだなって、受け入れるのが嫌で、意固地になってた。

前のホストママはかっこよくて尊敬できるなって思ってたけど遠慮しちゃったし、引け目を感じてたし、とっても伝統的なドイツ人って感じの生活をしてて、ライフスタイルがあわなかった。
今のところはとってもお金持ちだけどいろいろな面でどこかで見下しちゃってて、入り込もうと思えなくて、ずっと自分を出せずに終わった。

内にこもってばかりじゃダメな気がしつつ、でも私は自分を変えにきたわけじゃないし、オープンになりたいわけでもないし、自分のやりたいことのためにとりあえずここにいるんだ、って思ってたけど、それじゃダメだのかな。

どっちも田舎だからかなとか、いっぱい理由つけて自分を納得させようとしてるけど、結局どこにも適応できなくて自分のことも満足にできなくて、私はほんとに欠陥だらけの悲しい人間だな



いくら子どもと触れ合っても自分の子ども時代は取り戻せないし、そのために子どもを利用するなんて、失礼極まりないね。ごめんね
もう、子どもに関わる仕事は、ひとまず休憩しよ


自分の子どもがいなくてよかった




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