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全ての蚊は人工的に作られたロボット兵器

タイトルで本文にきてしまった人も多いと思う。すまんね。
このように、例えばSNSで誰かが「蚊は人工的に作られたロボット兵器で日本にばら撒かれたんだ」と投稿したとする。

ん? 君は何を言っているんだ? とまず感じるのが普通だと僕は思っていた。

が、コメント欄にはそれを肯定する言葉が溢れていたりする。
「やはりそうだと思っていました」「知りませんでした、家族にも伝えます」などなど。なんなら「それはアメリカが作った」みたいな尾ひれがくっつき勝手にインターネットの大海をバシャバシャと泳ぎ出す。
そんな中でむしろ「君は何を言っているんだ?」なんてコメントは少数派だったりして、自分がおかしいのかな?と思い始めたりする。
そんな経験一度はあなたもあるでしょう?

これはなぜなのか。

人は誰しも願望ポケットを持っている。僕にもあなたにも。
“こうあって欲しい”という願望を入れるポケットだ。
政治も戦争もウィルスも芸能も金融も、そして蚊も“こうであれ”という願いが無意識のうち自分の中にポケットを作ってしまう。
そして、そのポケットに入るものを探し始める。
“こうあってほしい”と願うくらいだから、実際は“そうなっていない”ケースが多いのもポイントだ。
パチンコで「当たれ!」って思いながらハンドル握っているのと同じことだ。こうして徐々にストレスを蓄積したりする。
そして、最初は神経を張り巡らせていた小さな願望ポケットも、段々とガバガバになってくる。
ギャンブルで最初に使う千円より、追い詰められた一万円の方が軽く感じるように麻痺してくるのだ。

そうなるともはや真実でもフェイクでもどっちでもいい、大事なのは自分の願望に沿った情報かどうかという歪んだ正義に変わってしまう。
先にも述べたがそれは誰もが持っているポケットだと思っている。
自分は大丈夫!は、ないと思った方がいい。
我々は不都合な情報をスルーし、求めている情報だけをコレクションすることで自分の思い描く方向へ進んでいない現実から目をそらし溜飲を下げているのだ。

願望ポケットなんて本当はいらないものだ。
だが、これが非常に難しい。なにせそれは自分自身の否定にも繋がってしまうから。自分を指摘することほど難しいものはない。

気を付けねばいけないと思っている。自戒も込めて。


#創作大賞2023 #エッセイ部門

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