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2023年11月に観た映画の感想

あらすじ程度のネタバレがあります。特にオススメの映画にはタイトルのうしろに🌟つけてます。みた順で書いています。
以下のマガジンに他の月のぶんもあります。

今敏『パプリカ』

パプリカ~^^
© 2006 Madhouse, Inc. and Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All Rights Reserved.

Netflixでみました。

精神医療研究所が開発した、他人の夢を共有できる画期的テクノロジーDCミニが盗まれた。
それを機に研究員たちは次々に奇怪な夢を見るようになり、精神を冒されていく。謎の解明に挑む美人セラピスト千葉敦子は、極秘のセラピーを行うため、性格も容姿もまったく別人の夢探偵パプリカに姿を変え、クライアントの夢の中へと入り込む。
しかし、狂ったイメージに汚染された夢の中では、おぞましい罠がパプリカを待ち受けていた…。

https://www.sonypictures.jp/he/815804

今敏監督の作品ははじめてみたのですが、脳みそが腐ってるのか感性が腐ってるのかあんまり刺さりませんでした。もっと超意味不明な話かと思っていたのですが意味不明さが正当なものだったのでそのへんで肩透かし食らった感があります。私は林原めぐみさんが好きなので大変うれしかった!あと音楽もよかった。
しかしこういうの作れるのほんとうにかっこいいですね……今敏監督の他作品もどんどんみていきたいです。

ガイ・リッチー『コードネームU.N.C.L.E.』🌟

ナポレオン・ソロ、イリヤ・クリヤキン
(C)2015 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

アマプラで字幕版をみました。
原題“The Man from U.N.C.L.E.”の通り、1960年代のアメリカのテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイク作品になります。アメリカのスパイ×ソ連のスパイのバディ?もの。顔の良い人間しか出てこず大変眼福でした。
話の内容に関してはとくに触れる部分がないというか(つまらないというわけではなく)、テーマ性とかお話を通じてなにか伝えようというよりも、見目の麗しさを大事にしてます!というのが伝わってきました。その潔さが素敵でした。
とくに面白くて笑ってしまったのは、人間同士の銃撃戦のシーンをダイジェストでお送りして、カーチェイスとボートチェイスをしっかり流していたところです。カーチェイスはかつてのジェミニのCMを彷彿とさせる出来で、本編とエンドロール終了後にはアクションシーンのメイキング映像が流れるというおまけ付き。映画作るってすげーっすね。
ボートチェイスに関しては、バディの片割れが必死にボートで逃げ回っている様を眺めながらサンドイッチを優雅に食すというくだりがあり、とくにお気に入りのシーンです。バディふたりがずっと微妙にいがみ合ってるのもいいですね。水上を走るバギーも登場し、乗り物アクションが秀逸な作品でした。全体的に心地よい軽薄さの流れる、美男美女アクション祭り映画です。頭空っぽにしたいときにおすすめです。

庵野秀明『シン・仮面ライダー』

©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

アマプラでみました。
私自身新世紀エヴァンゲリオンシリーズは好きで、シンシリーズ(と呼称していいんですかね?)は『シン・ゴジラ』も『シン・ウルトラマン』もみています。でもこれは全く刺さりませんでした。仮面ライダーに関しては自分が平成生まれなこともあり平成ライダーにしか触れておらず(カブト〜フォーゼくらいまでは見てました。電王は3周するくらいには好きです)、1号2号の感じはまるで分からん、という状態でした。
終始「かっこいい」「仮面ライダーってこうなの…?」「エヴァ過ぎる」をぐるぐるしている感じでしたが、正直私にはあまりよさがわからなかったです。
中盤?ドラゴンボールみたいなCG戦闘シーンがあるのですが、もっと振り切ってくれたら受け入れられたんですがなんか中途半端な感じがしてちょっとキモかったです。あと長澤まさみに「はにゃにゃ?」とか言わせるな。仮面ライダー好きの感想も聞いてみたいです。そもそも庵野秀明のヒーロー象が刺さっていない説もありますが……

リュ・スンワン『モガディシュ 脱出までの14日間』🌟

©2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.

アマプラで字幕版をみました。
国連加盟を目指して日々工作しながらお互いを蹴落とそうとしていた南北朝鮮の大使館職員たちが、内戦の始まってしまったソマリアから協力しながら脱出を目指すお話です。
韓国映画らしく?アクションもカーチェイスもあるのですが、やはり緊張感と和やかさのバランスや移行のシームレスさが素晴らしかったです。キャラクターも大変魅力的で、とくに南北の大使二人は血の気の多い参事官をたしなめながら大人として振る舞っている部分が共通していて素直に応援したくなりました。みんな生きて帰ってくれ。帰ったら帰ったで大変でしょうけど。
とくにお気に入りの登場人物は韓国の参事官を務めている男(カン参事官)で、あまりにも仕事上の覚悟が決まりすぎていてよかったです。「撃てるなら撃ってみろ」と相手の拳銃を自分の額に引き寄せる人間が大好きなので刺さりました。喫煙シーンもかっこよかったです。
終盤のカーチェイスのシーンかっこよくてお気に入りなんですが、そういうエキサイティングなシーンもかすむほど戦争のしんどさを伝える描写も多く(銃を持ってうろつく少年兵の描写は相当嫌だった)、いろんな意味でアドレナリンでまくりな映画でした。名作。おすすめです。

イ・ヨンジュ『SEOBOK/ソボク』

(C) 2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED

アマプラで字幕版をみました。
永遠の命をもつ人造人間・ソボク(画像右)を奪い合う人々を描き、人間の業を照らし出すSF作品。
主人公の一人で余命僅かな元情報局員を演じたコン・ユ(画像左)の顔がかっこいいな~と思ってたら映画終わってました。韓国映画、ノルマのようにカーチェイス挟まってくるの非常にうれしいですね。アクションも見所です。
シナリオもメッセージも悪くないのですが個人的には可もなく不可もなくな感じでした。ただラストの展開は好きというか、ああいうふうに終わってくれてよかった…と思いました。
ソボクの育てられた施設の研究員である博士の女性がいるのですが、彼女の喫煙シーンがめっちゃかっこよくてお気に入りです。

ガース・ジェニングス『SING/シング:ネクストステージ』

© 2020 Universal Studios. All Rights Reserved.

アマプラで日本語吹き替え版をみました。

今度の舞台は、エンターテインメントの中心地“レッドショア・シティ”!

とびきりゴージャスできらびやかな大都会を舞台に、何度つまづいても夢に一途なバスター・ムーンと、新たな仲間を迎えたキャストたちが最高の“ミュージック・エール”をお届けします!
歌のオーディションを開催し、取り壊し寸前の劇場を見事に復活させたニュー・ムーン劇場の支配人バスター・ムーン。だが、彼の夢はそれで終わらない。次に目指したのは、エンターテインメントの聖地“レッドショア・シティ”での公演だった!
バスターは仲間たちを引き連れてショービズ界の大物、ジミー・クリスタルのところへオーディションに行き、斬新なアイデアと持ち前のハッタリで超一流劇場であるクリスタル・タワー劇場での公演の契約を取り付ける!でも、その契約には15年間、人前から姿を消している伝説のロック歌手、クレイ・キャロウェイをキャストに迎えるという条件があった。
地元の小劇場を飛び出し、途方もなく大きな舞台に立つチャンスを手にしたバスターたち。
それは、数々の困難のはじまりだった―。いま、ネクストステージに挑む彼らの、笑いと感動の物語が始まる!

https://www.nbcuni.co.jp/movie/sp/sing2/sp/

シング1をみたのが遠い記憶の彼方だったため心配でしたが普通に楽しめました。コアラ(ムーンさん)の倫理観が終わっててめちゃくちゃウケました。その上大御所らしいウルフのジミー・クリスタルも倫理観終わってました。「こんなボスのもとでは働きたくない」の見本市みたいになってました。ショー・ビジネスの世界ってコワイネ~~~
スキマスイッチの大橋さんと俳優の長澤まさみさんの声が本当に素敵でずっと喋るなり歌うなりしててくれ…と思いました。想定よりも歌のシーンが多くなかったのは少し残念でしたが、それでもミュージカルのよろこびはマシマシです!2から登場するキャラクターに声を充てている声優さんにはアイナ・ジ・エンドさんやB'zの稲葉さんなどがおり超豪華なので、気になる人は是非一度みてみてください。稲葉さん声優うまかったですすごい。

リドリー・スコット『ブラック・レイン』🌟

サイバーパンク・オオサカ
TM & COPYRIGHT © 1989 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED

映画館で字幕版をみました。

NY市警のニック(マイケル・ダグラス)と相棒のチャーリー(アンディ・ガルシア)は、凶悪事件の犯人・佐藤(松田優作)を逮捕し、大阪まで護送してきた。だが、受け渡し直前に佐藤は逃亡。汚名返上のため、二人は府警の松本刑事(高倉健)の監視下、菅井親分(若山富三郎)がトップに君臨する大阪暗黒街への捜査を開始する。ニックと松本は事あるごとに対立するが、事件の背景に偽札製造を巡る組織内の暗闘があることを突き止める。

https://asa10.eiga.com/2023/cinema/1221/

超豪華なキャストと本格的な大阪ロケが魅力の本作ですが、たしかにヘンテコ日本像みたいなのがあんまりなくてびっくりしました。1980年代には生まれてすらいませんし堅気の中の堅気なのでリアルを知る由もないのですが、リアリティすご!と思いました。
ニックとマサのバディの、はじめはチャーリーを挟んでようやっと成立していたようなあの感じと、最後には直接的に信頼関係が成立したところでお別れという潔さがとても好みでした。あと噂には聞いていましたが佐藤役の松田優作凄まじかったです。とくに最後の戦闘の気迫……!
大阪府警の人がみんな標準語かつ英語話せるマンが多かったのと、途中明らかに神戸元町でロケしてたのが面白かったです。大阪の中だけでも結構移動してるっぽかったですがさらに神戸までいくとは、めっちゃ移動しましたね。ケーサツって大変。
今はなき阪急梅田のコンコースを見ることができたり、カッコよく撮られた大阪の街を見ることができたりと、実際に足を運んで聖地巡りしたいな!と思わされる作品でした。スクリーンでみられてよかった。高倉健かっこよかった。オススメです。

パク・フンジョン『The Witch/魔女』🌟

© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

アマプラで字幕版をみました。

ある特殊な施設で育てられ、8歳の時に逃げ出したジャユン。記憶を失った彼女は、助けてくれた酪農家の娘として暮らすことに。それから10数年後。頭に異変を感じるようになったジャユンは、その手術費用と経済状況の厳しい養父母のため、賞金目当てでオーディションを受けることを決意。しかしテレビ番組であるマジックを披露したことから、謎の男たちに追われる身となってしまう。

https://eiga.com/movie/89763/

血糊多量系爽快アクション!中二病の俺たちにはうれしい設定モリモリ!!!な映画でした。
主人公のジャユン役の俳優さん、前半と後半で顔が変わっていて俳優さんってすげーーー!!と思いました。アクションもドラゴンボールを彷彿とさせるような超人VS超人の闘いでめちゃくちゃアツかったです。
この作品マッドサイエンティストが登場するのですが、彼女には利害関係だけで繋がっている部下の男がおり、この終始ピリピリしたコンビが好みすぎてうれしかったです。ただフィクションのマッドサイエンティストとしての矜恃を示しきってくれなかったところだけ気に入りませんでした。
今日はアクションがいいぞ!という日に、ゆで卵とサイダーを用意してみてください。2もたのしみ!!

ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』🌟

©2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

アマプラで字幕版をみました。ポン・ジュノ監督の作品をみたのはこれが初めてでした。おもしろかった!画面もずっとかっこよかった!
全員失業中で半地下に住む貧しい四人家族が、お互いを他人と偽りながらあるIT企業の社長宅に雇われます。正反対ともいえる二つの家族が交差するが…というお話です。
前半はコメディ、後半はサスペンスと一気に雰囲気が変わるのが素敵でした。そして思いのほかエンタメ要素が強かった!!あと音楽の使い方がかっこよかったです!
主人公家族は全員中々職を得られない割にお仕事スキル高すぎて、みんな詐欺師としてやっていけそうな感じが面白かったです(それでもままなってないのがかなり嫌というかつらいですね)。社会流動性が神話じゃない世の中で生きたい……
金持ち家族・パク家の奥様役の俳優さん出てるとなんか一気にコメディな感じが出て素敵ですね。そしてラストのホームパーティーのシーンのソン・ガンホ!すさまじかったです。
刑事が逮捕するときに言う「黙秘権がどうの、弁護士がどうの」みたいなやつが「ミランダ警告」というらしいということを知れたのは思わぬ学びでした。あとハイパー良喫煙シーンがあった!最高最高!!!もう一回みます!

ドラマ🌟

この月は最高のドラマ『怪物』をみて気が狂いました。ちょっと面白すぎる。全人類におすすめです。愛してるありがとう!!!!感想記事も載せておきます。

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