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コロナ渦だからこそリアルな学びを - MORIUMIUSとのオンライン課外授業②

こんにちは、エンカレッジ広報担当のシロです。
今回は引き続き、MORIUMIUSとのオンライン課外授業「食の循環を学ぶプログラム」について、内容と子どもたちの様子をご紹介いたします。
前回の記事は下記ご参照ください。


「食の循環を学ぶプログラム」

2020年の9月から、若葉こうさく室を子どもたちの拠点として、MORIUMIUSとの「食の循環を学ぶプログラム」をスタートしました。
小学2年生から中学1年生まで、12名のエンカレッジ生が参加しています。内、きょうだいでの参加が4組。

プログラムでは、月1ペースでMORIUMIUSスタッフとオンラインで繋ぎ、食の循環について学んでいきます。
菌を学び、塩麹や醤油麹、味噌を作り育てる。
MORIUMIUSから送られてきた海産物を手にとり、作りを学び、捌く。
コンポストとは何かを知り、畑の堆肥にするために準備する。
若葉こうさく室の庭を畑にし、植え付けや管理を行う。
そして収穫したお野菜を、海産物と一緒に作り育てた麹で調理して食べる。
食が循環していく様を、リアルに学んでいます。

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オンラインでの授業以外に、月に数回、畑の様子を皆で確認したり、収穫したお野菜を材料に、先生や周りの大人、教室のお友達を招いてピザパーティーをしたり。
若葉こうさく室をオフィスとして利用している大人たちとの交流を楽しむ様子も見られます。


初めて見るもの、触るもの

プログラムで実際に作る麹やコンポストは、これまで子どもたちとは無縁だったもの。新しいチャレンジです。

プログラム初回の麹づくりでは、人間の体もたくさんの菌でできていることを学びました。五感を使って、麹を研究。
「お酒のような匂い」「ねっとりしてる」「味しない〜」初回から、いろいろな発見をする子どもたち。
そして自分たちの塩麹と醤油麹を作りました。各回の調理で、味付けに使っています。
初めて塩麹でつけた豚肉と一緒に野菜炒めを作ったときは、感動がたくさんでした。
「お肉がやわらかいよ!あ!塩麹のチカラ?」
「ホントだ!やわらかい!」
丸みのある味が美味しかったのか、人参は嫌いだから触りたくないと言っていた子も、ピーマンをそっとどけていた子も、いつの間にか完食していました。

毎月、発酵度合いや状態を確かめるのも楽しみの一つ。
「あれ、醤油麹は甘い匂いが深まったねえ」
「いい塩梅だ〜」
と、発言も味見の仕方もプロ並に。

コンポストは、若葉こうさく室の近所の喫茶店とタコスのお店から生ゴミをいただいて作っています。
11月初回、生ゴミをコンポストバックに入れていく子どもたち。
「気持ち悪い〜」「くさい〜」「きたない〜」
予想通りの言葉が並ぶ中、ゴミの中に三角形のままのサンドウィッチを見つけた一人の男の子。
「おいしそう。でもこれゴミなんだ・・・。ぼく、これからは残さないようにしよう」
食べ物には感謝しよう、ゴミを出さないようにしよう、と気づいた彼。
このプログラムが、大切なことに気づくきっかけになっています。

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2021年1月、これで作った堆肥を使い、植え付けを行いました。
収穫できるものも徐々に増え、子どもたちの表情にも達成感が感じられます。
調理ででた生ゴミを、コンポストにいれる習慣もでき、さらにそれをプログラムを見にきた大人や子どもに教える姿も。
今まで知らなかったことが、リアルな学びを通して、自分ごとになってきていると思います。



お互いを思い合う

プログラムで子どもたちが一番楽しみにしている調理体験。
一緒に何かを作る、という体験の中、毎回たくさんの思いやりが見られます。

弟と一緒に参加している女の子。毎回、弟や下の子をサポートしてくれます。
ある日の調理、弟の包丁を使う手元が危なっかしくて私たちはヒヤヒヤ。慎重に慎重に、と、なかなか一切れ目を入れることができない。
その中、弟を信じて、手元をじっと見守る彼女。
最初の一切れができたときはホッとしたのか微笑みました。
下の子たちができるまで、決して自分だけ先にいくことなく、待ってくれる優しさを持っています。

銀鮭のお刺身づくりをしたとき、半分しか食べなかった兄弟がいました。
「お兄に食べてもらいたいから」
前回お話ししたタコのカルパッチョづくりでも、同じようにお母さんに持って帰りたいと残した女の子がいました。
自分たちだけでなく、家族にも美味しいものを食べてもらいたい。
子どもたちの純粋に家族を思う気持ちに、胸がいっぱいになります。

11月に初めて開催した石窯ピザパーティ、いつも寡黙なある男の子は、最後にピザを焼きました。
みんなに順番を譲ったのです。お腹も空いているだろうに。
そして焼き上がったピザ、さあ、やっと食べれるね、と思ったときです。
「ずっと火の番をしてくれてありがとうございます。食べてください!」と、
ピザ窯を担当してくれていたスタッフへ差し出しました。
まずは感謝を表した彼。大人でもなかなかできないと思います。



見えてきた課題と変化

一緒に調理し、ご飯を食べる中で、子どもたちの食生活について改めて考えさせられることも多々あります。
「家には包丁がない。お母さんはご飯作らないから」
「ハサミしかない。野菜もハサミで切るよ」

「みんなでご飯を食べるのは美味しいね」と言った女の子。聞けば、いつもお兄ちゃんと二人だけでご飯を食べているそうです。
「みんなで食べて楽しかったから、嫌いな人参も食べれたよ」
些細なきっかけが、こんなに子どもを変えるんだと思いました。

プログラム開始から5ヶ月目、キッチンバサミしか家にないと話していた子から、
「包丁を家に持って帰りたい。お姉ちゃんとご飯作りたいんだ」と言われました。すごい大きな、変化だと思います。

また、子どもたちの欠席が多かった月がありました。
約束をしていたのに、待ち合わせの時間になっても現れない・・。
プログラムが面白くないのかしら、若葉こうさく室の雰囲気がまずいのかしら。

あるソーシャルワーカーの方にお話しを聞くと、これは沖縄あるあるだそうです。
逆に、これまで何回も集まっていたことの方が珍しいそう。
「積極的に関わり続けること」「居心地のいい場所であること」の大切さと難しさを実感しました。



一つの居場所として

プログラム開始から早9ヶ月、子どもたちの発語や行動も活発になり、徐々にこのプログラムそのものが一つの居場所、コミュニティとして、構築されてきているのを感じます。

初回、初めて画面越しに会うMORIUMIUSスタッフに対して緊張で無反応だった子どもたちも、今ではパソコンに頭を打ちそうな勢いで話をしています。
スタッフからの問いかけにもどんどん答えます。毎回の授業、賑やかに楽しんでいます。

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また、これまで「これしていいですか?」「どうやるんですか?」と聞くばかりだったのが、今では「こうしたいんだけど、いいよね?」「こう思ったから、こうしてみた!」と主体的に日々の授業に取り組む姿も見られるようになりました。
それぞれで考え、話し合って日々取り組んでいます。

プログラム終了まで、あと4ヶ月。
ここでの体験が、いつか思い出せる拠り所になればと思います。
同時に、新しい体験や本質を考えた瞬間や、楽しいという安心感と共に思い出せる思い出になればいいなあ、と思います。

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改めて、応援ありがとうございます。



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