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文章からのイメージ

 推理小説、探偵小説というと、どんな作品を思い出すだろうか。推理小説、探偵小説となると、事件がおきて、その事件の謎解きをしてくれる、もしくは、犯人を示してくれる探偵さんが登場する。

  その探偵さんが自分の好みに合うと、シリーズものであると読み続けることになる。とは、以前、友人の物書きさんが、何気に話したことだった。

 その言葉をよく覚えているのは、私もだいたい、探偵小説や推理小説は主人公である謎解きの探偵さんが好みであると、読み続けるからかもしれない。

 アガサ・クリスティだと、ポアロより、ミス・マープルが好きで、ミス・マープルが活躍する作品は全て読破している。


 また、コナン・ドイルだと、シャーロック・ホームズより、彼と同居しているワトスン医師に共感して、読み続けたように思う。

横溝正史の金田一耕助、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ、

探偵さんが主役で、非常にに魅力的に描かれている。

テレビドラマの「相棒」については、あのお茶の淹れ方が苦手で、右京さんより、右京さんの相棒の方に魅力を感じたり。
私は、少し、ひねくれているのだろう。


 最近のこと、祖母のところにいると、
山本周五郎ばかりを読むのだけれど、それは、祖母が
「あの作品だけどね、なあちゃんは、どのように受け取る?」
などと、一行あたりの文章にもつっこんでくるので、再読、再読となり。
祖母は執念深い、内容について、万が一、うろ覚えで適当なことを言おうものなら大変なことになる。
お付き合いみたいなもので、祖母のところにいる時は、山本周五郎や藤沢周平や池波正太郎ばかりを読む。
それにしても、山本周五郎は文章が良い。切れ味爽やかな男性の文章。ほれぼれとする。


 そして、札幌に戻ってから、最近は堂場瞬一の鳴沢了シリーズにはまってしまった。
警察小説。いくつかはドラマ化もされているようだけれど、祖父も父親も刑事の家で三代目が鳴沢了。

 本の中では、仕事に対しても自己に対しても、ひどくストイックで、今はこのような人は少ないかなと思いながら読んでいる。

鳴沢了いいわ、すごい、素敵!

友人にもススメ、社内でも、特に男性にススメ、家では姉に、、。

第一作目の「雪虫」から、はまってしまった。

気分転換に自分の靴を磨き、サプリメントにも詳しく、後々登場する冴ちゃんも、好みの女性であって。


車の好みも、まるで同じで、文庫本を開いて、
「見て!  ここ、、車について、、私の考えと同じよ!」


最近、家族は私につかまらないようにしているようで、夜、2階から、降りていくと、みんな、自分の部屋に消えてしまう。

小説の中の登場人物に対して持つイメージは、同じ本を読んでも、人それぞれまるで違う。私は鳴沢了大ファンだけれど、姉は
「こんな人が旦那様だったら、疲れちゃうわ、、なあちゃんなんて、きっと、すぐ別れるわよ、、」
と言い切り、姉は好みではないようで。

 父と母は大絶賛。父も母も普段は専門書ばかり読んでいるので、このような小説は気分転換になるのだろうけれど。
職場の人達も私といつも一緒に動くV君は、大絶賛派であり、そもそも、V君は私がイメージする鳴沢了に似ている、そして知性派のF君は、僕はちょっと苦手ですね、、と。


 書いたもので、イメージする。小説の中の登場人物をイメージするならまだしも、エッセイなどでは作者をイメージすることになる。すると、ちょっと恐ろしいなあと思ってしまった。改めて。


 ちなみに、ここnoteでの私のエッセイ風のものも、読んでみて私をどのようにイメージするかをきいてみると、

「ちょっと生意気な女性」
「冷たそうだけど、案外優しい」
「性格はハッキリしてるんじゃないか」
「敵にしたら怖い」
「隣にいたら疲れる」


私を直接知らない人に読んでもらってのイメージとなると、なかなか鋭く読み込んでくれているなあと感じつつ、それぞれ受けるイメージは違う。


 
 書くことの怖さも感じてしまうのだけれど、そこが、ビジネス文書と、一般的なエッセイや詩や小説の違いなのだろう。
ビジネス文書は、読み手の受け取り方が、それぞれ違っては困るのだから。


 それにて、ビジネス文書について、やかましくチェックされ、相応の決まりもあって、仕方ないのだろう。

 エッセイや小説は自由であるから、
読み手のイメージも計算しつつ、楽しみつつ書いてよしなのだろうけれど。


イメージと好みは別物だけれど、

先日、事務所に午前中顔出ししていた。


ランチにと、お鮨を出前してくれた。
目の前に置かれたプラスチックの寿司桶の蓋を取って、驚いてしまった。

量が多い、、ことじゃなく、

いつも事務所に花を飾ってくれている女性は、いつ知ったのかと。私のお鮨の好みを。

ウニと本マグロは外せない、
ホタテや甘海老もほしい。
そして、出前にする時に、上や特上では入っていない、イカゲソとイカ耳があったら欲しい。イカゲソについては、ぜったい食べる。
仕上げは、穴子と決まってる。

この人は、花の好みだけでなく、お鮨の好みまで調べている?

すると、もしかしたら、

サンドイッチやスィーツや、ボールペンの好みまで調べて知っているのかもと思うと、それもまた恐ろしい話であって。


おやすみなさーい、、ませ。