大河ドラマ「光る君へ」感想 (10)
ストーリーが大きく動いた区切りの(?)10話。
伊勢物語ばりの駆け落ち話が出てきたのでトプ画もそれっぽい愛の逃避行のものにしましたw
以下、感想。
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*さぁ、やってまいりました寛和の変。
豪腕・兼家ショーの始まりですね!
(このドラマでは安倍晴明ブレーンでものごとが進んでる。まるで裏から操ってるみたいな……これって初回冒頭の意味深発言と関係ある感じですか??)
(黒い安倍晴明は個人的には好き……というかわりとそっちよりの解釈なんで、ぜんぜんいいんだけど、なぜそういう設定にしてるのかの理由付けがほしいなぁ。たんにお金のため、じゃつまらんぞ)
*義懐の進言も悪いほう悪いほうへと取ってしまう花山帝。
「下がれ!」と怒鳴りつけたあと、「あいつらにも嫌われてしまった」と嘆く本郷花山帝、あわれ。(み、みちかね~~~涙)
*兼家は道隆とは心中覚悟のもよう。
成功すれば栄達は道隆に。失敗すればもろともに失脚。
道綱と道兼は捨て駒。
道長は万が一の時のための保険で、計画が失敗に終わった時は「一人生き残れ」と命じる。
この設定はいいですね。このドラマにおいてとくに説得力ある。
だけど道長はまひろのこと思い出す。
(なんでなん??(^^;))
*為時が帰ってこないと話すまひろといと。
いとの「殿さまは諦めます。高倉にくれてやります」って。
やっぱりそういう関係だったの?w
(しかしノリがよくわからない。召人の物言いじゃないし、妾や愛人でもなさそうだし)
ちなみに為時が世話をする高倉の人。
これは源氏物語の末摘花や花散里など、恋や愛やの頃を過ぎても関係をもった女性たちを家族のように気遣って接する光源氏の種となるエピソードなのかしら、などと妄想。
光源氏って浮気者には違いないけど、夕顔や六条御息所とか、関係を持った相手に関してはその関係者たちまで面倒みようとしちゃう器の大きさは持ってるもんね。
(そこで娘のほうに言い寄らなければもっと立派なんだけど……)
*百舌彦がまひろに道長からの 折り紙 文を届けにやってきた。
これに対し、漢詩を引用して返すまひろ。
(拒絶ですよね、それ)
この詩、六朝時代の中国の詩人・陶淵明の『帰去来辞』というものらしい。調べてみたら、全編四段、六十句にもおよぶ長い詩なんですね。
その一段、“帰りなんいざ”で有名な初句をのぞく、二句目から言葉を引いて返しているらしい。
(やっぱり拒絶ですよね、これ(^_^;))
男が和歌を送り、女が漢詩で返す、珍しいパターン。
枕草子では、「俺は和歌とか苦手だから、俺に和歌を送るときは別れの時と思えよ(意訳)」という元夫・則光に対し、清少納言が「お前のようなマヌケとはこれまでよ(意訳)」とばかりに和歌を送り付けて絶縁……なるケンカエピソードがあるわけですが、道長も漢詩が苦手だ嫌いだと言ってたし。単純に嫌がらせみたいだ、と私は思ってしまった(^^;)
(自分への恋に狂う道長の志を正してあげてる、との感想をどこかでお見かけして、「そうなの!?」と感服いたしました。。)
*道長はなぜか行成に相談(なぜw)
「好きな人がいるのですか?」との問いにも答えず、大事なことは言わないし(ほんとになぜw ちょっと都合よく相談されてるみたいで後々の行成が思われて不憫)
*漢詩には疎いのですが、古今和歌集は大好きなワタクシ。
その仮名序は、紀貫之による序文。
平安人の和歌に対する心得などが説かれてるんですね。
仮名序、好きすぎるのでウワサの『かなふみ』で冒頭部分を作ってみました!
(貫之はやっぱり天才だと思う)
*そして道長と倫子との結婚もまだのうちに、もう一人の未来の妻・高松殿こと、明子さま登場。(純白のお召し物、お美し~~~!
(垣間見とかいう概念はもはや忘れよう……)
ところで、源高明の娘の明子。ここでは女王と呼ばれているんですね!
高明失脚後、叔父である盛明親王の養女となったことからそう呼ばれてるのかな??
(そういえば真の四納言の一人、俊賢はいつ出てくるのかなぁ……)
詮子さまがやたら源、源、言うのもなんか違和感ですが……
それはそれとして、毛嫌いしてる父の陰謀には普通にのっかってくる詮子さま。ちゃっかりしてるのか何なのか。。
*そうやってピリピリした陰謀の手配が着々とすすむ裏側で……まっひー&みっちー、何やってんねん!?
和歌と漢詩での恋の応酬、気持ちのすれ違い、想い合いながらの拒絶、志、使命、切ない恋………
かと思ったら道長から、
『我亦欲相見君(われもまたきみとあいまみえんとほっす)』
(この“見える”は、ただ“会いたい”ということではなく、この時代で言うならばもっと率直に、つまり“愛し合いたい”“あなたを抱きたい”と伝える文面である(どストレートすぎる))
高まるBGM、まひろ走り出して荒屋での逢瀬、のっけからのバックハグ、流れるような熱いキッス、月灯りの下の抱擁、くどいくらいの愛の言葉の応酬……
(でも「駆け落ちしよう!」という道長に、「坊ちゃん育ちには無理(意訳)」と全否定する苦労人まひろには笑った)
(あと藤原を捨てるって、まひろも藤原なんですがw)
(このまま行こうというものすごくロマンチスト道長なんですが、昇進や国を変える未来を見据えているリアリストまひろ)
(直秀の一件でもっと好きになった……??)
(偽りを申すな、行かない、行こう、行かないけど見つめつづけます、行こう!…………って、長くない? 道長、ちょっとしつこくない?)
(だめだ、ツッコミが止まらないw)
そしてとどめのセンシティブに濃密な契り。
(ウソでしょ!? 日曜8時のお茶の間にまさか!!)
いや……美しいきらきらの下で愛し合う二人、ロマンチックでしたよ。事後感満載で汗ばんで、寝乱れてエロチックなシーンでしたよ、たしかにね……
でも正直、どうしてそういう流れになったのかほんとにわからない。。
「フったのはお前だぞ」って。
フったのにヤることはヤるもんなんですか。
「また逢おう」って。
逢うの? また???
ソウルメイトってそういうもんなの……?
(たぶんこれは好みの問題かもしれない。私の感覚では“みちまひ”には萌えられませんでした( ;∀;)
個人的には、ソウルメイトというからには清い関係でいてくれたほうがグッとくるかなぁ)
*き、気を取り直して寛和の変(情緒が忙しいわ)
平安中期のクーデター、これ以後の天皇&摂関家の主流が確定したといっても過言ではない歴史的事変で、大鏡、栄花物語、古事談、江談抄、愚管抄と数々の書物にも記されている。
いろいろ読み返してみたら、今回の大河ドラマの流れは愚管抄の記述に一番近い感じでしたね。
《大鏡》
《栄花物語》
《古事談》
《江談抄》
《愚管抄》
*花山帝の剃髪を見届けた後、
「おそばにお仕え出来て楽しゅうございました。ニヤリ」(鳴り渡るエレキギター)
道兼……とことんヒールに描かれるんだな……(^^;
しかし花山帝も不憫だけど、あれはまぁほぼ史実だし、しかたないとして……
それよりもなによりも、側近の義懐(&惟成)があまりにもダサい描かれ方だったのが悲しい涙
古事談では、
と、惟成とともにいさぎよく花山帝につき従う。
あと、枕草子“小白河といふところは”の段は何度でも推したい。
→「光る君へ」感想(5)参照。
*寅の一刻。ことは大成功に終わった。
(京の街並みにオーバーラップする高笑い兼家には笑ってしまった。昭和の悪役かw)
明けて朝。
兼家の摂政就任と道兼の蔵人頭就任、ならびに蔵人たちの解任を言い渡す兼家。
意義を申し立てる実資に「静まりませい!」と一喝する道兼。
そして次回へ。。
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次回、中関白ファミリーがついに勢ぞろい!?
伊周! 三浦翔平さまの伊周が!!
そしてちったい定子さまと、ちったい阿古君が!!!!(大歓喜)
ところで道兼、「お前の席ねーから」されてなかった??笑笑
そしてそして、これ!↓↓↓
こっそり一人で主張しているこの説も。↓↓↓
次回からも楽しみ……
わたくし中関白家推しですので、ええ。
あれやこれやに期待と不安がとまりません。
頼みますよ、NHKさん!!! (伏拝)
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