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白い日、ピンクを思う日。


起きたらたっぷりと雪が積もっていて、まだその上にふわふわのかたまりが絶えず落ちていた。

今日は開店時間を遅らせたので、いつもの朝番より遅く家を出る。
こんなに積もるのは年に1、2回というところなので、除雪はなかなか進まず、道はぼっこぼこ。

ぐらりとハンドルをとられないように、握る手にも肩にも力が入り、そろりそろり、ぼこぼこと進む。(全身疲労だ。)
何かのアトラクションのよう…。
いつもより車は多く、誰もがきっと気持ちは雪に向き、真剣に運転している(はず)。
道沿いの家や店舗では、みな雪かきに必死だ。


私、この大雪の降った朝の雰囲気が、実はちょっと好きでもある。
いつもは他人のことなんて気にもせずに、きっと皆自分の朝で精いっぱい……でもこんな日は、誰もがこの同じ白い景色を見ていて、同じことを考えながらそこにいるような。


雪の状況は歓迎すべきことではないのだけれど、妙な一体感を感じて、密かにうれしくなってしまうのだ。




店ももちろん、いつもより静か。
お足元の悪い中、ようこそいらっしゃいました、そんな気持ちでゆるやかにお迎えしつつ。
晴れて眩しくなった白い景色を眺めながら、あれこれ整えつつ。

もう店には春のコーヒーが届いていたので、いれて感想を言い合ったりしながら、来たる春に向けての準備を始めている。

いつもながら、まにあわない…!と焦りつつも、やはりそれは心浮き立つような気持ちでもある。
白い景色を見つつも、気持ちはもうピンクに向かってる。



帰るころ、サッカーの夜練の中止連絡が届く。
その瞬間に心の余裕とパワーが全回復し(笑)、家に着くや否や、雪かきを開始!
子どもたちも、家での仕事を終えた夫も出てきて、せっせと雪かき。

雪の上に、隣のハルの足あとをたくさん見つけた。
真っ白な雪の上で、ころころ真っ白なハルは(ピンクの春も好きだけど、白いハルのことをみんな大好き。)、朝から大はしゃぎだったらしい。


私も見たかったな。



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