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居場所は、どこに。


また、雪が降っている。

うそのような、ほんとの、またどっさり真っ白。
すべてを閉じ込めて、境目をなくしている。



いくら今年雪が多いからと言っても、ね。
慣れたと言っても、ねぇ…。
ここは本来雪の少ないところ。
大きなかたまりがどさどさと絶え間なく落ちてくる様子は、いくら見ていても不思議で、飽きることがない。
(いや…見続けると、酔いそうになった。)

こんなに動きがあるのに、落ちているのに、音のない世界、というところも非現実で。


でもね。
傘をさして歩くと、ちゃんと現実なのだ。
カサカサカサカサカサ…
何かがすごいスピードで通りすぎていくみたい。
(いや、これも非現実か。)
ふふふ。
(笑っている場合ではないほど、たくさんのものたちが、通りすぎている。)



皆さまのところは、雨ですか。
現実ですか。


久しぶりの早朝出勤。
1週間で、ずいぶん日が昇るのが早くなっている。
(朝はまだ、小雨だった。)

朝イチで飲んだエスプレッソが、とても甘くて美味しくて、たぶん一瞬すごく驚いた顔をしたと思う。


今日は、古くからのお客さんにたくさん会えた日でした。うれしい。

ドアを入ってくるときから、目が合うと手をふってくれるような方が多くて、それはたいがい自分よりだいぶ年上の方たちで、私は手をふり返しながら笑いながら頭をぺこりとすることになる。

ずいぶん会わないからどこかに異動したかと思った、とか、そういえば子どもは何歳になった?とか聞かれるたびに、いやずっとここにいますよ、とか、ちょうど小学校卒業します、とか答えながら。

本当に、この場所が好きだと思う。



でもそれと同時に、ここを出ていくことも考える。

本当にいなくなったら、誰か残念に思ってくれる人はいるかなあ、とか考える。
はじめはちょっと思ってくれても、すぐに忘れちゃうだろうなぁ、とか。


いつも誰かの居場所をつくりたい、と思うし、同時に、自分の居場所は自分でつくってきた、自分でつくるしかない、と思っている。


お風呂に入っていると、脱衣所に歯みがきをしにきた次男が、ママ、大好き、と言うのが聞こえた。
居場所は、ひとつじゃなくてもいい。
もちろん、たくさんあるとうれしい。



明日もでこぼこ雪道かな。
どうかあさっての卒業式までには、溶けますように。
晴れますように。


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