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指導の引き出し④〜当たり前を徹底的に〜

今回は、実は子どもたちだけの話ではなくて、私が別のところでに出向をして、管理職として組織のヘッドを経験している際に行ったことを紹介したいと思います。

色々な場面で応用することもできる内容にしていけるよう、是非参考までにご一読いただけると幸いです。

第4回目のテーマとしては「当たり前を徹底的に」

実は、私の中でこれをどれだけできるかによって、組織の土台が変わると思っています。少し事例も紹介しながら、ご紹介できればと思います。

何かがおかしいチーム。原因は?

私が新たな環境で、仕事を始めたとき。早速違和感を感じました。
何かがおかしい?
何がおかしい?
こうした違和感というのは、外部的な視点が入った時にこそ気づくものなのだと思います。

組織の在り方として、私の立ち位置は”中間管理職”でもありますが、組織を束ねるヘッドとして、能力を発揮をしなければならない。そうした自分自身に対する与えられた”役割”をどのようにしていけるか。

しかし、ここが自身の弱さでもあると感じていたのですが、
今まで築いてきた文化・慣例・慣習を外様がいきなり壊していけない。
という”思いこみ”を持っていたため、かなり長い時間をかけて、様子を見ていたのだと思います。
※分析する、知るという”大義名分”を使っていたのだけかもしれません。

私が感じた違和感の一番は、
全員、自ら考えて仕事をしているのかな?
ということでした。
私が勤めることになった新たな環境は、一人のカリスマ経営者が運営していた組織であり、その人の指示のもとメンバーはそのスピードについていけるように動いていました。だからこそ支持をされた時の動きは非常に速い。
しかし、この環境が即変化する現代社会において、自ら考え動くという
”考動力”
が欠如しているように感じたのです。そうなると、色々なものが崩れています。職場内の連携もうまくいかず、新たな発想は出ない。何故ならば、失敗をしないことが大事。そして心理的安全性はない状態といっても過言ではなかったかもしれません。


原因がわかっても、打てない打ち手

新たな環境の変化にとまどいながらも、何かを変えなければ。
そういう気持ちの中で、まずは全員一人一人としっかりと話をしよう!
そこから活路を見出すことを意図的に行い、雑談の時間、1on1の時間、そして積極的に打ち合わせには参加をする(ただ打ち合わせのやり方も文化としてほぼなかったので、ほぼ私が主体でやっていました。これが失敗の要因だったと反省しています)

全員に想いはあり、全員に考えはある。
しかし全員から感じたことは”利己”の精神だったのです。
必要な意識ではありますが、これでは業績は伸びない。どうしたら楽に仕事を行うことが出来るか、作業効率を減らせるか、ワークライフバランスを保てるか…
こうした中で、悶々とした日々を経験していました。
※親会社から出向した人間で、周囲が警戒する中、周り全員が私よりも一回りも上の人たちの集合体というのも、悶々とさせていたのかもしれません。言い訳にはなりますが…。


思い出した”凡事徹底”

何をするにしても、まずは何を目的にするかということを考えたときに、
「顧客満足度」をどれだけ高められるか
ということが、基礎基本だと考え、顧客のために何をするかという一番最初のところから考えることをはじめました。
ただ、今までが顧客中心でなかったというわけではありません。
しかし”顧客視点”になれているか?
という問いに答えられる人は誰一人いませんでした。

しかし、私の中で勘違いをしてほしくないと思っていたことは
「お客様は神様」ではない
ということ。
ここの境界線引きを出来ないことが、多くのカスタマーハラスメントや、教育の現場で言うモンスターペアレントというような言葉を産み出してしまう温床だと感じていました。

そこで以前、こんな事例があったなということで全体に以下の事例の話をしました。

少し昔の話でしたが、長崎ハウステンボスの再建の話です。

また近年PAGによるハウステンボスの経営権取得もありましたが、一時期は本当に厳しい状況にあった長崎ハウステンボスでしたが、18年連続赤字のところをどう再生させたか…というところに学ぶべきところがあるだろうというところでした。

簡単にこの「3つの施策」をまとめると

1.まずはきちんと掃除をしましょう
2.嘘でもいいから明るく元気にやってほしい
3.1.2倍の速度で歩いてください

澤田秀雄H.I.S.会長が語るハウステンボス再建「3つの施策」より

ここのポイントは「わかりやすさ」「すぐ出来ること」
そして一番大事な裏側の意図としては
「”僅かな差”の積み重ねが、”大きな差”につながる」
ということです。この積み重ねが、我々の毎日の意識を変えていくことにつながる。
毎日、体重計に乗る人は、やはり体重を気にする(意識)でしょうし、
毎日、歩数計測をしている人は、どのくらい歩いているかを気にする(意識)でしょう。

私も、通信制高校の職員時代は、絶対に意識していたことは

・黒板は必ずきれいな状態にする(授業前でも必ずきれいにする)
※チョーク置きのところまできれいにしてました。
・机を一回整頓(綺麗に並べてもらう)してから、開始。
・挨拶は、遠くからでも、必ず聞こえるように
・一般教務だったときは入口で挨拶運動

あ!今こそこれだ!と思ったわけです。


まずはこれから始めよう。

「とりあえず、これだけが意識しませんか?」
この一言から始めました。

・あいさつは大きい声で
・会議中は発言者の顔を見る(PCは見ない)
・良いことの報告は、みんなで喜ぶ

基本かもしれません。でもこれをやるのにもすぐ皆さん意識から除外されます(笑)
何度、「あいさつ!お願いしますよ!」とか「顔を見て話さないと、相手に”伝える”から”伝わる”に変わりませんよ!」とか話をしたか数え切れません。
簡単なことのように見えるかもしれませんが、これだけ長い間、文化・慣習が根付いたところは”当たり前”が”当たり前”ではないのです。

だからこそ、どんな組織においても
”凡事徹底”
ってすごい大事なことなのだと思います。
挨拶が出来る。
机の上だけはきれいにする。
顔を見て、話をする。

何気ない”微差”の積み重ねが、悪い意味での”大差”につながることは本当によくあります。
上述の話は、まだ過渡期。でも正直、社員の方からは「だいぶ雰囲気が変わってきた」という声も出てきていました。

今回の内容は、色々な組織、人が集まる場面では起こりうる話だと思います。まず”微差”が何なのか…ここを見つけるだけでも、何か一つ変わるかもしれません。

自身の中にある”微差”を見つけ、そして良い”微差”を作り、積み重ねていけることで、やがて”大差”を産めるようにしていきたいものです。

ご覧いただきありがとうございました!

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