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”望外の喜び”と”想像を超える喜び”~教育の現場にて~

人を喜ばせる”他喜”は、
人に喜んでもらおう→最善の手段を考え、実践する→自身の成長に繋がる
→人に喜んでもらう→自分への喜びに変わる→更に成長しようとする
という最終的に自分に戻る”自喜”に繋がる『正のスパイラル』


本格的にnoteを始めたのは約2か月ほど前。
そしてそこから多くの人とつながりを得ることが出来ました。そんな私が他のnoterさんから企画のご提案をいただき、そして参加させていただくことになりました。

その名も「バトンリレー企画2023◎人生は人喜ばせ合戦」です。

先日、異業種交流会でお会いしたチェーンナーさんがスタートさせた企画。これはある『テーマ』に沿ったリレーバトン形式の記事創作の、企画にです。

そのテーマが

・人に喜んでもらったこと
・してもらって嬉しかったこと

…深いテーマです。私も、何気ないことを「当たり前」と思うことを「有り難い」と捉え、それが本来の”感謝”に繋がると発信していますが、改めて内省させていただく機会をいただきました。

今回、私は「探究横丁オンライン」のともやさん”からバトンをいただいたので、このテーマで書いてみますね。

※ともやさん、ご指名いただきありがとうございます!
ともやさんは先ほどの「探究横丁オンライン」の運営・サポートを積極的にされており、またnoteも毎日投稿を継続的にされている方です。今後ともよろしくお願いします!


たった一つの”クエスチョン”から始まる

数年前のことですが、とある通信制高校でセンター長として仕事をしていた時のこと。
いわゆる”塾長”や”校長”職にあたる立場なので、直接的に生徒指導に関わることは基本的には行わないスタンスでした(他の一般教務の職員に指示を出し、育成をするリーダー層だったため)

ある年の12月頃。当時3年生の女子生徒。この子は入学した1年生の頃は、私が担当しており、私の役割の変化ともに担当も変更したのですが、その後も生徒会的な役割で学校運営に関わってくれる生徒でしたので、よく話をしている生徒ではありました。

総合型選抜入試(旧AO入試)を活用し、ある大学へ最終選考まで進み、あと一歩で進路決定!となる直前だった頃ですが、どうも様子が………?
…表情も浮かない様子?
…あえて職員室の前をうろうろしている?
…いつもより挨拶の声のトーンが低い?小さい?

そこで一つ、私はその生徒に声をかけました。
「何か進路で困ってる?」

そして、その生徒は
「え…?あ…、じゃあちょっとだけお時間いいですか…?」
そこから個別面談がスタートしました。


言葉に出来ない言葉を『見える形』にする

結論から言うと、その生徒の悩みは
「今の選択は、自分の本当に行きたい学校なのか?」ということでした。

・その大学に進学をすると、そのモノ自体を”研究”することになる。
・でも本当はそのモノを活用した”何か”を作りたい…
・…ただ進学する前からこうした判断をしていいのか。
・そして大学進学を応援してくれた親たちに、また迷惑をかけていいのか…
・進学のために志望書の書き方や、面接の練習までしてくれた先生たちに、このタイミングで相談するのは、ガッカリさせてしまわないだろうか…

こうした様々な葛藤があることを、ツラツラと語ってくれました。

色々と話を聞いていき、想いを吐露してもらったところで、私はこう投げかけました。
「自分のこれからの人生選択は、自分自身が後悔しないことを最優先に」

私の中でのこの話の結論は、”後押し”と判断しました。
だからこそ、こうした方がいい、ああした方がいいというアドバイスではなく、道の先を照らすことのみに留めました。


望外の喜び

そして、その生徒は最終的に決まりかけていた大学進学を蹴り、自身がやりたいことに近い専門学校への進学に切り替えました。

迎えた卒業式。その生徒は卒業生代表として『答辞』を担当することになりました。”答辞”は、式典という性質もあり、定型文や学年全体に関わるような内容などの”無難”な部分がメインとなります。ただ、やはりその生徒の想いがあふれる部分があったりとするものです。

そこで彼女が伝えた内容は
「何か進路で困ってる?」これが私の人生を変えた言葉でした』
と答辞内で読んでくれたのです。

これは私にとっては、望外の喜びでした。
※反面、もっと他にもあるでしょう!とは思いつつも(笑)

・してもらって嬉しかったこと

改めてこれを考えたとき、自分の「外にあるもの」をされた時に、その喜びは増すことがあるのだと感じました。つまり”望外の喜び”です。
そして、これはその人のために「何かをしよう」とするものでなく、ただ「感謝」を伝えたことから生まれたもの。

”喜ばせる”ということを意識せず、自身の”プラスの想い”を伝えることでも、”他喜”は生まれるのです。これを生徒から学んだ一つのエピソードでした。


【後日談】事前期待・表層期待を超えるのは、仕事の流儀

その卒業生と話す機会があって、こんなことを言われました。

『なんであの時、「進路困ってる?」って声かけてくれたんですか?』
『そう見えたからだよ。長たるもの、全員見てますからね(自慢気)』
『なんか、凄いドヤってきますね…(笑)』

もう少し時間が経過してから、本人には話してあげようと思いますが、こちら側は全て綿密な準備をしていました。

・現担当とのヒアリング(進路決定状況の報告)
・登校状況の分析(あまり最近友人と会話していない様子?)
・進路希望調査時の内容確認、
・保護者との連携状況(保護者は基本的に応援姿勢だからOK)
・友人からの近況報告(最近悩んでいるっぽい)
・他の職員からのヒアリング(最近改めて、専門学校資料見てた!)
・成果発表会での発表内容(何かの作品を作ることが多い状況)
・学習状況(大学進学についていける学力かどうか
・声かけに関しての現担当等の連携(私があえて声かけますよ?)
・現担当との相談の上での、別進路候補のピックアップ+資料準備

…「そこまでやります」です。これは、私と現担当の職員が、”阿吽の呼吸”で計画的に11月頃から考えていたものでした。
目的は2つ。
①その生徒の進路決定を、納得度の高いものにしてあげること
②新しい職員(入社3年以内が4人)へ、「そこまでやる」集団だという模範を示すため

これは

・人に喜んでもらったこと

に当てはまるかどうかわかりませんが、大事なことは、事前期待や表層期待を超えた先に、喜びがあるものだと考えることだと思います。
いわゆる「顧客満足」ではなく「顧客感動」です。
この「顧客感動」は、ロイヤルカスタマーを生むものと信じています。”経営学用語”では「顧客が顧客を呼ぶ状態」を指すことになりますが、私は

与えられた「顧客感動」は、その人がまた誰かに「顧客感動」を生む活動をしてくれる。

と信じています。教育の場で、それが生まれること。これが私の願いであり、こうした場こそが”新しい教育の場”であると信じています。


さて、長い文章となってしまいましたが、ご覧いただき誠にありがとうございました。

さてこのバトンを次に渡す方を指名することになるのですが、如何せん私もまだこのnoteをはじめまだ期間も短いこともあり、直接お会いした方も少なく、ご無礼を承知でお願いできればと思っております。


まず1人目は竹内明仁@人と戦略研究所/あり方とやり方を追求さんです。

以前、Twitter上のコメントで数回だけやり取りをさせていただいたのですが、その際も丁寧にご対応いただいたのと、また毎日非常に参考になる発信をしていただいております。いい会社と事業作りという観点でのお話、毎回参考にさせていただいております。


2人目は、かつや先生のミライフィールドさんです。

一度もやり取りをしたことのないまま、更にスキをつけさせていただいただけという関係性の中、本当に不躾なお願いにはなるのですが、「日本の教育を何とかしたい!」という想いと、拝読した記事が、勝手ながら非常に親和性を感じるものが多く、是非お願いをしてみたいと思いました。

お2人とも何も予告なしに、かつ直接的なお話もしたことをないにも関わらず、こうしたことをご依頼してしまい、申し訳ございません。日々、お忙しい中かと思いますので、決してご無理いただかなくて構いません。以下のチェーンナーさんの記事の通り、可能な範囲でのご対応をいただければと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。


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