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#7〜教育相談のキホン②-先生に向けて-

多くの場面で行われる”教育相談”と呼ばれるもの。
年間300件近くやってきたノウハウをまとめる。


ご覧いただき、ありがとうございます。
久々の「指導の引き出し」ですが、今回の”教育相談の基本”は色々な場面に応用することが出来ると思います。
年間300件近く、保護者・生徒の”相談”に立ちあったノウハウの一部にはなりますが、ご紹介します。

前回の内容はこちら↓

すぐに本題に入る前に…

私が意識的に行っていたことは、”事前準備の徹底”です。
事前準備の徹底というと、色々なことを準備するかと思いますが、
基本は
①自分自身の心構え/環境の設定
②面談者の情報確認

の2つに尽きると思います。

①自分自身の心構え/環境の設定

進路面談でも、三者面談でも、商談でも、面談者(来訪者)はどのような思いでいらっしゃるのでしょうか?
様々な状況を抱えながら、不安・心配・期待…などを持っています。
いかにその相手に対して、”想像力”を働かせられるかです。

訊ねてきたのに、誰も相手してくれない…
声をかけづらい状況…
面談室の座席が出来上がっていない…
椅子が足りない…
荷物をどこに置けばいいかわからない…
どこに座ればいいか案内されない…

これ論外です。事前準備が足りなさすぎます。
”気”はあっても”遣い”が足りない典型的な例です。

正直、私は立場上、小学校・中学校・そして高等学校や専門学校、大学と訪問する機会も多々あったのですが、事前にアポイントを取って、何名で何時にご訪問するということを伝えているにもかかわらず、この最低限の出迎えが出来ていないパターンが90%以上です。

正直、よくこれで面接指導やれるな…?
と思う対応も多いです。

迎え入れる側が最低限の”礼”を尽くし、ウェルカムの雰囲気を作り上げることが面談・相談のキホンの”キ”です。
※問題行動指導などの場合は、また違うかもしれませんが。。。

②面談者の情報確認

この事前準備に関しては、”出来る限り”が原則だと思います。
進路面談などであれば、事前にその生徒の希望校の情報などはまとめておく(BookMarkだけでも最低)
ご家庭の状況なども少し頭に入れておく、共働きか、ご兄弟がいるか、学費面での苦労面などはないか…

つまり、持っている情報の整理と、これも”想像”です

ただし、事前準備で一番良くないのは、
推断”です。
「きっと~~だろう」は、必ずしも当てはまるものではありません。
大事なのは、「こうした可能性もあるかもな」という、自分の中での引き出しの数をたくさん増やしておく。必要がなければ、その引き出しを無理やり開ける必要はないのです。


『”気”配り』・『”言葉”遣い』・『”思い”やり』

”先生”とは、どんな存在でしょうか?

正直、生徒・保護者など関係性が気づけていない場合は『安心できない存在』です。
恐怖・畏怖・何を言われるかわからない、こちらの情報を握られている…

そうした時に、淡々と話し始めたら…。
まず自分が相手にとって、どんな存在であるかを想像し、その壁を取り除けるような気配りは必要です。
特に転学時面談では、学校に行けないこと、学習が出来ないこと…今まで何もやれなかった…こんなことを話したら、どう思われるかな?
という心配が先立つ傾向があります。

出来て当たり前、~~をして当たり前、という感覚をもって面談してしまったら、その時点でアウトです。

面談時では「ここに来てくれたことに感謝」。
言い換えれば、ここで出会うこと自体が”有り難い”という気持ちで、面談を行います。
その意識があれば、配慮のある言葉遣いや思いやりは自然と出てくるのではないでしょうか?

担任生徒1/40名との面談かもしれませんが、その生徒にとっては、1/1の面談です。


受け入れ、共感し、後押しをする。未来を描く。

面談時に、全ての考えがまとまっていて、即結論に向かうことは、ほぼ100%ありません。
※こうした面談が行えるのは、事前準備段階で相当話が進んでいる場合です。これも準備の徹底ですね。

まず大事な姿勢は、バラバラになっている考え・思いのピースの解像度を上げること。
つまり「ピースの解像度をあげること」です。
ここには「言い換え」や「言語化」の能力が必要になりますが、一つ一つ確認をしながら、聞いていくことが大事になります。

そして次に「そのピースの繋がる部分を見つけ、繋げていくこと」です。
これは本人のピースだけでなく、保護者と本人の考えに一致するピースを繋げていくなども入ります。つまり共通認識を作り上げていくことです。

そして出来上がった方向性に対して、「肯定的な言葉で支援をして、本人自身に”YES”や”Do”の言葉を出してもらうこと」です。

「楽しい高校生活を過ごせるようになると良いよね」
「この進路の方向性で結果を出せると良いよね」

大事なのは、面談者自身から出てくる言葉です。
これを出せるよう、肯定的な話し方を心がけるのが良いですね。


改めて…教育相談のキホンは、”相手の幸せ”を願えるか。

今回は第2弾。
まだまだ教育相談のキホン編は続きますが、最終的な目的はやはり

"相手の幸せを願って、面談が出来るか"
です。

もっと短期的な目標で言うと、
"面談した相手が、来た時よりも笑顔になって帰ること"
です。

せっかくのお互いの時間を最後は笑顔で終わらせられるよう、心を尽くしたいものですね✨


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