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自治体が率先して、地域理解と学びの場を提供する好事例。
短期間の学びでも、内容が伴えば繋がるのが教育。
地域と考えていくことは”共育”の第一歩。


是非、こうした事例を通して、共育の在り方を考えていければと思い、ご紹介させていただきます。

こちらの内容は、2023年10月4日に広島テレビで放映された内容とのこと。
Youtubeでも載っていましたので、是非ご覧ください。

石丸市長の姿勢から学べる事

今回のこの取り組みは、自治体主催として実行されたものです。
参加した学生は”全国から”というところがまず一つポイント。

意欲の高い大学生らを招き入れるというインターンシップ。
まずここから「広い間口」を提供していることが伺えます。

過疎の町であろうが、いかにジブンゴトとして捉えられるか。
若く、そして別環境で育ってきた人たちの知恵を使う。
またこうした現状を知ってもらったうえで、新しいアイデアを産み出す。
素晴らしいスタート地点であるといえます。

そして、大事なポイント2つ目は
「『議論』に向き合う姿勢」をディスカッションさせていること。
おそらく全てのプログラムを見据えてのものだと思いますが、今回最終的にグループワークを経て、提案・プレゼンまで持っていく内容になっていることと思います。
そうした中で、急造のチームではなかなか議論は闊達に進まないもの。

石丸市長のメッセージ
「議論というのは、生産的であり、建設的なもの」
「誰かと戦う話ではなくて、誰かと協力するための手段」
「(私は)よくやり合ってはいるが、その先に得たいものがある」

これを理解できている人は本当にどれだけいるのでしょうか?

この姿勢を、公務の忙しい中の石丸市長自らが、インターンシップ生に声をかけるということからも”本気度”が伝わってくるものだと思います。

つまり、ヘッドが率先垂範することによる”本気度の姿勢”を魅せているわけです。この姿勢は最終の発表から、その講評まで随伴を続けているあたりからも伺えますね。


現地の声を聞く”コマリゴト”は『解決の種』

2日目の行程では、市内を散策しています。
●3年前に移住してきた方との懇談
●酪農家との懇談

おそらくもっと他の散策や、その日の内容をまとめる打ち合わせの時間などが設定されていたことでしょうが、大事なことは
「百聞は一見に如かず」
ということ。

実際の声、現状を知ることで、より地域の方が直面している”コマリゴト”に接近することが出来るのです。
こうした意味では、PDCAサイクルの前段階であるR(リサーチ)が非常に重要となりますし、また別の観点から言うとOODAの観点からでも、一番最初の【O】Observe(観察)でも大事なことと言えます。

以前、通信制高校の特別授業の中に、ブランディングの講座を依頼した際の講師より、
”コマリゴト”は、”解決の種”ということが発信されていましたが、まさしくその通りです。


グループを分けて、考える意味①グランドルールの効力

インターンシップ最終日には3つのグループごとに分かれて、立案した政策を発表するとのことでした。

グループを分けて、最終的に発表に持っていく意味は、教育的な観点からも、そして新たな発想を生むことからも非常に有効な方法だと思います。

教育的な観点から行くと、今回の参加者は11名。3つのグループに分けるということは、1グループ3~4名。非常にバランスの良い人数です。
少なすぎると、チーム内での強弱が生まれ、役割分担が上手くいかないことがあります。
また多すぎると、これまたバランスが崩れ、今度は何もしない人間が生まれてくることにもつながります。
グループセッションはやはり3~5名程度が、それぞれの役割を全うする最適な人数であると言えます。

そして、短い期間の中でも、そのチームがどのようなチーム編成をしていくかによって、様々な経験を得ることが出来ます。
そこで、大事なのは「グランドルール」。

ここで、冒頭の石丸市長の「『議論』に向き合う姿勢」の話が効力を増してくるのです。この「『議論』に向き合う姿勢」が”グランドルール”となり、より円滑かつ有意義なグループ活動に繋がっていくのです。

こうしたプロジェクトをやっていく際の、基本である
「グランドルール」の設定を、初日の段階でやるあたりがお見事ですね。


グループを分けて、考える意味②別の視点を必ず入れる

少ない数でのグループワークをやる場合に、もう一つ大きな意味は、人間の心理に働きかけるものもあります。それは、
「他のグループには負けたくない」という競争心からくる、
”かぶり”が避けられること
です。

こうしたグループワークを例えばクラス内で実施をしたとき。
グループが複数生まれて、6~8チームほどになってしまうと、自然と発表テーマの”かぶり”が発生します。

テーマの”かぶり”は、そのチームにとって、良くも悪くも働きます。
良い場合は、切磋琢磨して、相手より良いものを出そうという向上心に繋がるのですが、悪い場合は、相手に依存した状態になる傾向もみられてしまうことです。
例えば、
●あのチームの方がデータを持っているから、それを教えてもらおう。
●あのチームの視点でもう一度自分たちの内容を組み立てなおそう。
など、向く方向が「あのチーム」になりがちなのです。

そうした意味でも、この3チームという編成は非常に効果が高いものと考えられます。そして動画内容を見ていただければわかるように、全グループが独自の視点から”雇用の維持創出”・”農業”・”高齢者”と違う切り口から発表をしてくれています。

5泊6日という濃密な時間で得られたものは、このインターンシップ生にとっても、市にとっても非常に大きなものがあるのではないでしょうか。


これを実現させ、そして総括を行うのがPBL

非常に素晴らしい取り組みではありましたが、やはり短期間でのプログラムということもあり、政策の発表というところまでを一つの区切りとしていました。

PBL(Project Based Learning)では、ここからが本番になります。
つまり、いかにこれを実行に移していくかです。
そして、この実行に移してくまでの、困難や課題を乗り越え、プロジェクトを完了させたときに、全体を総括し、外部視点で講評を受ける。
こうした取り組みを自治体レベルではなく、教育機関・もしくは商店・商店街などの規模間で行うことが出来れば、

町の困りごとを”ジブンゴト”化した、地域の全員が”共育”しながら、『解決の種』を育てていく学び

に繋がっていくはずなのです。
実は、教育機関の中でもPBLは簡単に行うことが出来ます。
難しくとらえず、子どもたちに任せる・託す、そのための土台を教育支援者が環境を整える。

これさえできればよいのです。

もう”教える”からは少し脱却した学びに変化させてもいい頃ですよね。


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