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「大炎上した投稿〝dead or alive〟」 vol.48

前回の話の続きになりますが、最年⻑住人ふくちゃんの退村がサイハテ村にとってどんな意味を持つのか、生産性で住人の価値を測ることがどんなことなのか。


そんな大事な話が無いまま、ふくちゃんがサイハテ村を去っていくことがあってはならないと思い、僕は2019年の1月7日 Facebookでこんな提案を投げかけました。


サイハテ2019〝DEAD OR ALIVE〟を住人に提案する!】です。

【サイハテ2019〝DEAD OR ALIVE〟を住人に提案する!】   〝DEAD OR...

Posted by 坂井 勇貴 on Wednesday, January 9, 2019


簡単に言えば、2019年の抱負をサイハテ住人たちが宣言し、実現に向けて挑戦する。そしてもし、達成することができなかったらサイハテ村を退村しなければならない


と言う提案で、コメントには村内外から賞賛と批判を買うことになりました。「選⺠思想的な感じがする」「自分の基準をほかの人に押し付けてなんらかの成果を共有する...サイハテ村にだけは起こらないと思っていた」


「良い悪いというかこう言うのをオープンに提案するのがすごい!」「サイハテ村を追い出された人たちで新しい村を作りたい。村名は〝村八分〟で合言葉は〝ほっといてくれ〟」などなど。

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たくさんのコメントが集まったのは、これはサイハテ村だけで起きていることではなく、僕らが生きている社会全体で起こっていることであり、誰もがもやもやを感じていることだったからだと思います。


そもそもこの提案のきっかけは、生産的な視点からふくちゃん退村が「まぁ、し ょうがないよね」的に決定したことに対しての僕なりのアンチテーゼであり、生産性を求めるならこう言う提案もありってことだよ?と言うメタファーを込めていたのだけど、開村から7年が過ぎた頃の住人たちに活気や熱意みたいなものを感じなくなっていることへの反発でもありました。


2011年11月11日、ル ールもリーダーもいない〝お好きにどうぞ〟でサイハテ村が開村し、〝水道、ガ ス、電気、政治・経済がストップしても笑って暮らせる村〟という大きなテーマのもと、開村時の一年間はものすごいモチベーションが渦巻いていたと思います。

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日本初のアースバッグドームを作ったり、各所に生まれる壁画やプロダク ト。まるで文化祭前夜のようなノリは夜が更けても冷めませんでした。


しかし、開村から1年が経ち、2年が経ち、ロマンだけでは食っていけない現実を知り、混沌から秩序が生まれ、ロマンより安定を、独創性より合理性を求め変化していった3〜4年目。


新住人がクラウドファンディングやメディアを使ってサイハテ村のハードやソフトをアップデートしていった5〜6年目。そして、住人たちの暮らしも快適になった上に、インカム制度が導入され、住人がこなしていた草刈りや日常の雑務が急激に減った7年目、住人たちからガツガツしたような情熱やリスクを冒してでも先に進もうとする意欲や向上心がなくなっているように感じていたのです。

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「みんなが集うラボのトイレが壊れた」「水道管が破裂した」とサイハテLINEで流れてきてもほとんどの住人は知らんぷり。結局、責任感の強い人や、技術を持っている人が動くことになる。


そうなると、今まで好意でしていたこともまわらなくなり、村の仕事をしてくれた人には共益費から日当を支給し始めるようになると、あらゆることに「日当を出してくれたらやってもいい。」的な主張が増えていく。


僕は内心「村づくりがしたくてサイハテ村に住んでるんじゃないの?!」「水道、ガス、電気、政治・経済がストップしても笑って暮らせる村を本気で作ろうと思ってる?」というフラストレーションが溜まっていたのだと思います。

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僕が〝DEAD OR ALIVE〟投稿で「なんのためにサイハテ村に住んでいるの?」そう問いた意図は、僕らが生きているこの社会や人生に対しての問いであり、無意識的に生きるのではなく、なぜ自分がここで暮らしているのか、どんな未来を描こうとしているのかをもっと意識的になって欲しいという願いだったわけです。


もちろん、〝DEAD OR ALIVE〟はサイハテ定例会議で却下されましたが、この騒動を通してふくちゃんが離村することがサイハテ村にどんな影響があるかを見つめる機会になったことは幸いでした。


正解も間違いもない選択の中で、僕らにできることは矛盾も葛藤も抱きながら、意識的に物事を捉え、その選択から生じた結果に真摯に向き合うことしかないのだから。


次回は、vol.49「シングルマザーを受け入れるということ」です。フォロー、スキ、シェアしてくれると励みにります!^ ^


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