日本はTPPで中国と交渉なんてできるのだろうか?

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授で、早稲田大学現代中国研究所所長の青山瑠妙氏が、新聞にて中国を語る中の最後のほうで、

 中国は環太平洋経済連携協定(TPP)加盟に向けて、さまざまな理由をつけてルール適用の例外を求める可能性がある。日本をはじめとする加盟国は、ルールをゆがめることなく、交渉するスタンスを取ることが重要だ。

日本経済新聞 2022/01/01 15面

と発言しているけども(すでに中国がTPPに加盟するがごとく書いているのが気になるが・・)、
日本が交渉できるかに不安がある。

当事者になりたくないタイプ6日本
でも書いたが、中国のTPP加盟問題でも、日本政府からは「中国が加盟に価するか見守りたい」のような発言しか出てこない。

日本は外野では文句を言うが当事者になれない。

タイプ6のレベル5に、

何かうまくいかなければ、それについて声高に不満を述べるが、そのまずい決定についてはどんな責任も避ける。

とあるが、そういうことだ。
不満は言うが責任は取りたくない。

日本は本当に交渉が苦手である。

対中国で見守るだけの日本
でも書いたが、韓国レーダー照射問題では、私は日本のほうが正しいと見ている。だが、日本は戦いを降りた。相手がまだファイティング・ポーズをとって戦う意志を示しているのに「ま、このへんで勘弁してやるか」のような態度、これ以上関わりたくないような感じで日本が先に折れた。
あれだけ勝てる戦いで、勝ちを得られない日本が、
通常の戦い・交渉事で勝ちを得られるとも思えない。

このように書くと「日本が正しいことは皆、分かっている」という声が聞こえてきそうだが、それは願望というものだ。

例えば、トランプ前大統領であれば、韓国を勝ちとするだろう。
エニアグラムのタイプ8なトランプ前大統領は、勝ちをあきらめないファイターを好む。
タイプ6な日本人はそこが理解できていない。
だから日本人は、トランプ前大統領が「金正恩氏は『立派な人物』」と言っても理解できないし、元主席戦略官のスティーブ・バノン氏が「トランプ米大統領は中国の習近平国家主席を世界の他のどの首脳よりも尊敬している」と発言しても理解できない。


トランプ米大統領、金正恩氏は「立派な人物」?

肝胆相照らすトランプ大統領と習近平国家主席


ここでもう一度、『日本人が知らない「トランプ支持者」の正体 (2016/11/11 脇坂 あゆみ 東洋経済オンライン)』から、テレビのリアリティーショーの『アプレンティス』においてのトランプ氏の采配の話を紹介する。

マイノリティのなかに1人、ものすごく性格の悪い黒人女性がいた。有能だが勝つためには手段を選ばない強烈な個性だった。チームワークも何もなく、視聴者も含めて誰もが、次に「お前はクビだ」の決まり文句で解雇されるのは彼女だ、と思いながら眺めていた悪役だった。だがなかなか解雇されなかった。

選抜が進んだ第8話でのこと。ボードルーム(負けたチームがトランプタワーの役員会議室に呼ばれ、うち1人が解雇される)で、彼女が保身のためにチームのメンバーの1人に対して罵詈雑言の限りを尽くし、目も当てられない泥仕合になったときのことだ。解雇されたのは、その性格の悪い女性ではなく、自分を守るために戦わず、節度を守ってしまった相手の女性だったのだ。トランプは、嫌われ者の女性は人としてどうかと思うと戒めたうえで、それより悪いのは攻撃を受けてもやりかえさず、負けを受け入れたもう1人の女性と断じたのだ。

彼にとって人種や性別などは些末な判断材料であり、ただ勝つことへの執念があるだけなのである。

それは共和党の予備選での容赦ない他候補への攻撃でもあきらかであり、本選の討論会で「互いについて尊敬する点」を訊かれてクリントンが決してあきらめない戦士であることだと述べたことからもうかがわれる。

これを読めば、韓国レーダー照射問題においての勝者は、トランプ前大統領から見れば、あきらかに韓国であることが分かる。
エニアグラムのタイプ8なトランプ前大統領は、勝ちをあきらめないファイターを好む。
次の大統領が再びトランプ氏となる可能性もある。
それまでに日本は「決してあきらめない戦士」となれるであろうか?


元K―1の平本蓮は、ツイッターで、
「運動神経が良くてスポーツはできても 真っ向からファイトできる勇敢な人は少ないと思う 誰にでも格闘技の技術は身につけられるけどファイトする気持ちは生まれ持った才能でしかないと思う」と言ったそうだが、
これは交渉事においても同じである。

頭が良くても 真っ向から外国と議論できる勇敢な日本人は少ないと思う 誰にでも交渉の技術は身につけられるけどファイトする気持ちは生まれ持った才能でしかないと思う


事実、韓国とのトラブルでは、日本は最後までファイトすることができず、自ら戦いの場を降りていった。

これは政治家、官僚だけでは無い。基本的にタイプ6な国民性の日本人全体におよぶ。

以前あった九州の「高速道路・外国人向け定額乗り放題」トラブルにおいては、
日本国内で、ルールも決めていたのに、外国人とのトラブルを解決できなかった。
アウェイではなく、ホームにおいても交渉事ができないのがタイプ6な日本人である。
外国人の前では九州男児も無力であったのであろうか?


日本人は仲良くはなれてもケンカができないから ― 九州「高速道路・外国人向け定額乗り放題」トラブルについて


もちろん日本人にも例外はいる。
ただし、そのような人物は、日本の中においては、少し窮屈な思いをすることになる。混沌を起こすものは日本においては嫌われる。「出過ぎたクギ」として、かなり飛び抜けないかぎり。


基本的に多くのタイプ6日本人は仲良くなれても喧嘩ができない。
それで、今回の題名が出てくる。

日本はTPPで中国と交渉なんてできるのだろうか?

(というよりも、台湾をTPPに入れる気はないのだろうか?)

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