日本人は仲良くはなれてもケンカができないから ― 九州「高速道路・外国人向け定額乗り放題」トラブルについて

九州の「高速道路・外国人向け定額乗り放題」でトラブルが起こっているそうです。

こういうとき、タイプ6日本人は、仲良くはなれてもケンカができないから困ります。
今回は、このニュースを取り上げてみます。

先に、少し説明をします。
日本人は、エニアグラムのタイプ6の国民性だと言われています。
タイプ6は、『忠実な人(ドン・リチャード・リソ)』『慎重な人(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』 とも言われる性格タイプです。
安心・安全・安定が大好きで、それが崩れる混沌を嫌がります。

さらに言えば、タイプ6には、大まかに、攻撃型と従順型がいます。
これはどういうことかと言うと、安心・安全・安定を得るために、あえて攻撃的になる人もいるということです。
ただ、日本は、攻撃的な態度に出ずとも安心・安全・安定な社会なので、日本人の多くは従順型に属します。
安村明史さんは、このタイプ6を「(サザエさん の)マスオさん」と表現しています。

そんな従順型のタイプ6である日本人にとっては、ケンカも安心・安全・安定が崩れる混沌となります。
ケンカや口論は(あえて言えば議論も)、安心・安全・安定が崩れるものとしてタイプ6は嫌がります。

※ 議論については、野球選手のDeNA・パットンさんが、
アメリカでは奨励されている「なぜ」と聞く文化を日本で行うと、敵対的に見られる
と語っています。
https://www.baseballchannel.jp/npb/32041/

ここまで長々と説明した上で、以下のニュースを取り上げてみたいと思います。

『高速道路 外国人向け定額乗り放題で混乱 トラブルも(毎日新聞2018年11月11日)』

高速道路を定額で乗り放題とする「九州エクスプレスウエーパス」(KEP)を巡り、利用者が割引対象外の都市高速(福岡市、北九州市)を乗り放題と勘違いし、精算時にトラブルとなるケースが相次いでいる。利用者が追加請求に応じないためレンタカー会社が代金を肩代わりするケースもあり、関係者は「都市高速もKEPへの参加を検討してほしい」と話している。
(略)
貸出時にはパンフレットの地図を示して乗り放題の対象道路を利用者に説明しているが、都市高速料金を追加請求すると激高したり、料金を払わずに帰ったりする客も少なくないという。担当者は「請求してらちが明かない場合はうちで料金を負担せざるを得ない」と頭を抱える。

タイプ6日本人は、仲良くはなれてもケンカはできない性格タイプなんですよ。
特に日本人はタイプ6の中でも従順型が多いのでそうなります。

これ、外国人が 好き嫌い とか関係なく、また、思想の右左も関係なく、
相手からお金を取るべき話です。
逃げたらつかまえなきゃならない話です。

安心・安全・安定が好きなタイプ6日本人は、通常はルールに依存して生きています。
ですが、
そのルールが安心・安全・安定を壊すとき、ルールに触れようとしません。
この話の場合、ルールを持ち出すと、相手が激高したり、料金を払わずに帰るという行動をするので、ルールが混沌を呼び込み、タイプ6は既存のルール以外に解決策を求め始めます。

たぶん、おとなしいタイプ6日本人が相手だと、「ルールですから」と言えて、周りの人も「自己責任」なんて言うのですよ。
でも相手が外国人で激高すると、ルール以外に解決策を求める。
自国ですら、ルールを押し通せない。

少し話が横道にそれますが、日本人がケンカに弱いのは、国際政治においてもです。

ロシア語通訳の米原万里さんがこのようなことを言っています。

日本人は交渉ごとでも、なるべく対立をぼかそうとする姿勢が強いですね。ロシア人も含めてヨーロッパ人は、中国、韓国人もそうですが、問題点を鮮明にしようとしますから、対談は対決で、それは一種のゲームなのです。ところが日本人は、人間関係までも壊れるのではないかと慮って、対決を避けよう、対決点をぼかそうとする答え方になる。だんだんまどろっこしくなって、相手は「通訳が下手だから通じてないのではないか」と誤解して、さらに攻撃的になってくる。

レンタカー会社はゲームに負けたのですよ。
それも圧倒的に有利なはずのホームでゲームに負けたのですよ。

それでもゲームに勝ちに行く気持ちは無く、
「都市高速もKEPへの参加を検討してほしい」
と味方に譲歩をお願いしています。

この乗り放題プラン、当初は外国人レンタカー利用者の約7割が使っていたそうですが、
トラブルに懲りて積極的なPRをしなくなり、昨年9~12月はこのプランを使う人が3割まで落ちているそうです。

とことん、混沌に対峙しようとしていません。
この混沌から逃げる姿は、タイプ6日本人らしい姿ではあります。

全国レンタカー協会は「外国人利用者にとって分かりにくく使い勝手の悪い制度だ。九州は公共交通機関が少なく外国人のレンタカー利用が多いためトラブルが目立つが、今後は九州以外でも増加が予想される」と指摘。昨年から国や道路会社に対し、地域の高速道路も含めて乗り放題の定額料金にするよう要請しているという。

儲かったり、なにか良い面があるのであれば、すでに他も参加しているでしょう。
「混雑を助長する」と嫌がっているところもあるようです。

タイプ6が苦手とする「混沌」もしくは「対立」という精神的負荷から逃れるために、他を巻き込もうとしている日本人の姿がここにあります。
これは、自分達では解決できないということも意味しています。

個人的には、他をあてにせずに踏ん張って欲しいところです。

この件に関しては、対応はできると思っています。
タイプ6は、「突発的な変化は安心・安全・安定が崩れた状態なので、反応ができない」という性格タイプですが、
それがテンプレート化して一つの形になると対応ができる性格タイプです。

対応策ができたら、粛々と対応していくことができるはずです。
いわゆるお役所仕事な対応となるでしょうが。

お役所仕事的になると、これはこれで新たな問題となりはするのですけどもね。
先ほど紹介したロシア語通訳の米原万里さんの話で、
日本の文化を紹介してもらうために日本に呼ばれたロシア人の文化人が、
米原さんに会って「あなたに会えて良かった。このままロシアに帰ると日本人が嫌いになるところだった」と言ってきたというのがあって、それも二回。
今までどのような日本人と会ってきたのか尋ねたら、それは日本の官僚であったという話があって。

お役所的な対応になるのは避けて欲しいのですが、フレンドリーでありつつ口論・論破ができたなら、そもそも問題にはならないわけで。

お店で接客するわけですから、コミュニケーション能力のある人を選んでいるとは思うのですよ。でもそれは、タイプ6社会においてのコミュニケーション能力であって、異文化(異性格)コミュニケーション能力では無いわけです。

日本は長い年月をかけて、タイプ6的な人たちが暮らしやすい国を作ってきましたが、
これから、旅行者、労働者、移民(国連の定義では1年以上にわたってその国に住む外国人は「移民」となるそうです)を受け入れていく中で、
このような問題は増えることはあっても、減ることは無いでしょう。

このような話は、だんたんと身近な話になっていくのでしょうね。

参考
男性がマスオさんなら、女性はどのような人?と思ったかたへ
実在の人物ですが、
金田朋子とタイプ6

2018/11/14追記

『上海で異変、日本人がどんどん逃げ出している! 社会の急変に危機感? 先を争うように脱出する日本人居住者たち | JBpress(日本ビジネスプレス)』
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54631
なんて話もありますが、

アウェイから逃げ出して、ホームで妥協して、

安倍外交は妥協し続けていますが、
それを支持する国民も、国内で妥協し続けるのでしょうか?(どちらもタイプ6だしね)

アウェイから逃げるのは良いとして、ホームがいつまでもあるなんて、なんか誤解していませんか?(切り崩しはすでに始まっています)
移民だけの会社はすでにできあがっていて利益も出し始めていることをお忘れ無く。
「タフでなければ生きて行けない」国になってきていることに自覚を持っておいてください。

タイプ6日本人のマスオさんは、優しいんだけど、タフでは無いという。
タイプ6なマスオさんにタフさを求めること自体、確かに無理筋なのだけども。

※ 最後のほうは、「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ 生きている資格がない」が元ネタになっています。(フィリップ・マーロウ - Wikipedia

エニアグラムのタイプ6日本人論書いてます


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