時代はOODAだという文章を読んで

『PDCAがAI時代では「オワコン」な根本理由』

を読んでの感想です。今の日本と中国を語ります。

アメリカ海兵隊で採用され、湾岸戦争など現代戦で顕著な成果を上げているのが、OODAループと呼ばれるものです。これは、観察(Observe)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)という一連の活動から構成されます。
ミッションを遂行する者は、自発性、創造性を駆使して、ミッション達成のための手段を発見し、即座にそれを実行しなければなりません。
ミッションを達成するために必要な最低限の資源、権限を現場に与え、そのなかで自らの責任の下でミッションを達成せよ、という一種の契約がOODAループの背後に存在します。

ここまで読んでいて思うのは、要は、敵地に最低限の物をもたせて、「あとよろ(あとは、よろしく)」とばかり、送り出す感じですね。
目的志向の、タイプ3アメリカに合った手法ですね。

戦地での不確実な状況のなかで少数の精鋭部隊が情報収集活動に当たり、敵の裏をかき、機動作戦を実行します。ここでカギとなるのがOODAループをできるだけ速く回すということです。

「これ中国人が得意そうだな」「自転車経済の中国的みたいだ」と思って読んでいたら、
著者のかたが「自転車操業」に言急していて、
私と同じで、OODAループに自転車的なものを感じているようです。

私は経営の本質とは、自転車操業にあると考えています。ここでいう自転車操業とは、資金繰りに追われた経営ということではありません。そうではなく、自転車はこぎ続けることを止めれば倒れてしまうということです。


例えば、ファッションであれば、赤が売れるときには、とにかく赤を作って売って、緑が売れるとなれば、緑を沢山用意する必要が出てきます。次に売れる色にも注意を払います。
ほかにも、ゲーム会社であれば、あるゲームが売れるときは、それに注力しますが、そうしながらも、次の市場を観察していたりもしているわけです。
つたない説明ですが、言いたいことは分かっていただけるかと思います。

こういった業種は、観察(Observe)して、情勢判断(Orient)して、意思決定(Decide)して、行動(Act)するの繰り返しな訳です。
いわゆる流行を相手にして商売をしているところは、これは当たり前にやっているのではないでしょうか。
これが、今の世の中では、その適用範囲が広くなったということだと理解しています。

中国で、「貸し自転車」が儲かるとなれば、とにかく「貸し自転車」で、それが廃れば、また違う何かで、
そうやって、中国は流行経済のもとに経済の自転車をこいでいます。自転車操業です。

昨年だか、一昨年だかの日本でも、仮想通貨の流行に乗った人は、瞬間風速の元で儲けた人もいるわけです。
別に一生それをやる必要は無いわけです。流行なときに、それをとらえて、儲けられれば良いわけです。

そして、
近年は、多くのソフトウェアやハードウェアまでが流行的になっているので、
PDCAのようにP(計画)に時間をかけず、
OODAループを早く回して行こう、ということなのだと思います。
観察して、情勢判断して、意思決定して、行動するをとにかく早く回そうというわけです。

そうやって、その時々の流行から流行へ、つなげていって、生き残ろう、OODAループという自転車をこぎ続けようというわけです。

この流行から流行へつなげられない企業が、この前まで業績が良かったのに、傾いたり、つぶれたりする企業となるわけです。
日本企業であれやこれや思い浮かびませんか?

変化や混沌が嫌いなタイプ6日本にとっては、ちょっと難しい芸当でしょうけども。
特に、PDCAで成功体験のある企業や、固定のスタイルができてしまっている企業には難しいでしょうね。

タイプ6日本人論やってます。

ちなみに、中国人の国民性については、田中 信彦(たなか・のぶひこ)さんが、
「中国人は量で考える」と解説しています。

「量」で考える場合

●メリット
決断が速い
現状の変化に対応し、臨機応変な行動をする
(結果的に)効率的である
(現実に問題が出た時、初めて対応するので、うまく行っている間はムダな行動がない)

■デメリット
規範性が低い。人によって、状況によって言うことが変わる
継続性に乏しい。一つのことを続ける根気に欠ける
ものごとの本質を追究する姿勢が弱い

OODAループを早く回すのに適した国民性だと言えます。
今の中国は、時代との相性の中で、デメリットよりもメリットのほうが大きいということでしょう。

ちなみに、
中国の性格タイプについては、有料noteでは書いていますが、日本にいる同じ性格タイプの人に悪影響が出そうなので、今のところは大っぴらには書かないつもりでいます。

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