新型コロナ対応と投票率、あるいは日常への回帰願望

新型コロナの対応が後手後手との批判がある。
そこに判断が苦手な日本の姿がある。

話は少しばかり変わるが、
選挙というものがある。
選挙というものも判断をする作業である。
そしてその判断に責任を持つ作業である。

この選挙。投票率は毎度低い。福岡県は先の知事選で投票率が3割を切ったそうだ。
これは7割が判断を投げた(放棄した)と見ることもできる。

新型コロナ、東京オリンピック、ウイグル、ミャンマー、その他においての判断を嫌う行政と、
投票においての判断を嫌う市民は、
相似形である(似た者同士である)。




菅政権の支持率が持ち直している。
私は、はてな というサイトのコメントや、ヤフーでのコメントを見るのが好きなのだが、

『[B! 自民党] 菅内閣 「支持」44% 「不支持」38% NHK世論調査 | 選挙 | NHKニュース』

では、

何もしないと上がるんだなあ
そりゃ何もしないよな。

…なんてものがある。新型コロナ対応も、その他も、基本、何もしないほうが支持率が上がるということである。
余談になるが、

馬鹿にするな、というのも傾聴すべき意見だが、同時に1945年8月15日まで神州不滅を信じ、原発の安全神話に乗っかったのもほかならぬ日本国民であった事実を忘れてはなるまい。

という意見には考えさせられた。
こういった間違いを封じる仕組みは、今現在に至っても日本に無いと思うからだ。

こういうとき、いつも思ってしまう。もしもタイムマシンがあったとしたら、どこまでさかのぼって、何をしたら、その不幸を止められるのか?(今のところ、タイムマシンがあっても、任意の一人を過去に送ったくらいでは、311の原発事故を止められないと思っている。これは、未来から任意の一人がやってきて警告をしても、それを活かせないことをも示している)(※ 任意は、数学などでの「特別な選び方をしないこと」という意味で使用)


それで、なのだが、
この政権支持率の「何もしないと上がる」現象。
とりあえず現状維持に戻っている、ということだ(いつもの日常に戻っている、ということだ)(自民党政権は“日常”なのだ)。
そうなれば、とりあえず、判断の必要が無くなるから(判断は嫌いだし)(逆に政府が何かしているときは、評価対象の数が増えるから、それも嫌だし)。
不支持だと、どこか別の政党や人物を選ばなくてはならないし(そんな面倒なこと考えたくないし)。
今の変わらぬ日常や状況に安定を見い出している(変化は嫌いだし)。


参考
タイプ6国民、日本人の思考停止
タイプ6は心配事・不安に どう反応しているか、 精神レベルにより どう変化していくか


蛇足
『無印良品、新疆綿の取引継続 社長は質問に答えず: 日本経済新聞』

生活雑貨店「無印良品」を運営する良品計画は14日、中国・新疆ウイグル自治区の人権侵害を巡る問題で、プレスリリースで「新疆綿」を使った衣料品の販売を続けることを公表した。人権問題を重視する消費者や機関投資家の目が厳しさを増しているが、同日の決算会見で松崎暁社長は度重なる質問には答えず、具体的な言及を避けた。


このニュースへの はてな のコメントに、

ユニクロとかと違い良いイメージを持たれている(そうなるようにマーケティングしてきた)ので、ダメージはでかそう。自業自得と言えるが、それがわかっていながら使い続けるのは、270店舗以上中国に店舗があるからかな
新疆綿であることを付加価値としてウリにしてたから、仕方ない側面もあると思う。ある意味ユニクロよりも抜けにくいのでは?/ここから「俺達はウイグルの雇用を生み出してる」とか言い出したらアウトかも。
数カ月後には日本の消費者がどの程度この問題に関心があるのか、わかる案件だと思う。無印はユニクロよりいろんな点で“意識高い”顧客も多そうなので、その意味でも興味深い。

とうのがあって、
特に3番目のコメントが気になった。
もしも、数カ月後に日本の消費者が無関心になっているなら、
これは、政権支持率と同じ構造だと私は見る(全ては、この国の構造だということ)(「何も考えたくない」「いつもの日常に戻りたい」)。
無印良品支持率は、どの程度、持ち直すのであろうか?

「無印はユニクロよりいろんな点で“意識高い”顧客も多そうなので、その意味でも興味深い」

そう。だかこそ、これは、リトマス試験紙的なもの、この問題の深度を測るもの、となる。

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