「そんなの知らないよ」夜回り先生と厚切りジェイソン

『夜回り先生こと水谷修さん「ただひたすら続く何百本の日々の相談。私の本を読んでくれればそこに答えが。疲れました。」とホームページ閉鎖へ - Togetter』

というものを読んだので、その感想を起点に文章を書きたいと思います。

まず、『夜回り先生は、今!(水谷修ブログ)』より

さようなら、哀しい
2019年8月21日

私に相談している人の何人が私の本を読んでくれているのか。
誰かから聞いて私に相談。
でも、それは哀しい。
ただひたすら続く何百本の日々の相談。
私の本を読んでくれればそこに答えが。

疲れました。
さようなら
2019年8月21日

さようなら。
哀しいけど
さようなら。
もう、疲れました。
これで、このホームページは閉じます。
さようなら。


これって、エニアグラム・タイプ6の段階5(レベル5)の記述にある

頼まれたとしても他者を指導することがむずかしい。

ではないですか!?
また、精神レベルが一段落ちた状態の段階6の記述にある

何かの「ために」働くことが非常にむずかしい。

にも多少当てはまります。

※ 『【エニアグラム用語】レベルとは?

これ、夜回り先生がエニアグラムのタイプ6と言っているのではありません。

日本という国は、エニアグラムのタイプ6の国民性だと言われています。
ですから、日本で生活すれば当然タイプ6的な反応が出てくるわけです。

それで、日本の通常レベル(レベル4~6)の状態である「頼まれたとしても他者を指導することがむずかしい」が出てきたりするのです。
通常レベルのタイプ6は依存的です。そして通常レベルのタイプ6は他者から依存されることにストレスを感じます。
その結果「もう、疲れました」「さようなら」となります。
何に疲れたのかって?
それは当然、タイプ6日本人の「依存」に疲れたのですよ。

ただ、本当のタイプ6であれば「依存はしたいけど、依存はされたくない」となりますが、
夜回り先生の場合は、「依存はしないものの、依存はされることには疲れた。だから、依存はされたくない」となっていて、少し違った形ではあります。
ですが、それでも日本のタイプ6文化の影響ではあるので、今回は大きく括(くく)って話を続けたいと思います。


今回の話はつまり、
夜回り先生と言えども、日本にいる限りタイプ6文化の影響を受けるということです。
今回の話はそういった話です。


そして、このタイプ6文化の影響は、例え他文化の外国人であっても日本にいる限り受けていくものです。

日本に住み続け、依存するタイプ6日本人に、真剣に対応すればするほど、その「依存」に疲れていくのです。
その結果として、
「頼まれたとしても他者を指導することがむずかしい」
となって行くのです。


一例として厚切りジェイソンさんのインタビュー記事を紹介します。

『日本に意見したいことなんかない!? なぜ厚切りジェイソンは日本人へのアドバイスをやめたのか|新R25 - 20代ビジネスパーソンのバイブル』

2014年に「Why Japanese people!?」のネタでブレイクして以降、日本のさまざまな問題に切り込む「平成の黒船」としても大きく注目を集めた芸人・厚切りジェイソンさん。

なかでも、ストレートな言葉で核心をつくジェイソンさんのTwitterにはフォロワーからの悩み相談が殺到し、フォロワーとのやりとりをもとに書かれた書籍「日本人のみなさんにお伝えしたい48のWhy」は瞬く間に10万部のベストセラーになりました。

…しかし、現在ジェイソンさんがフォロワーからの悩み相談に答えることはほとんどありません。あれだけ反響を呼んでいたのに、どうしてアドバイスをくれなくなってしまったんだろう…? 
○さっそくですが、日本人フォロワーからの悩み相談に答えなくなってしまったのには、何か理由があったのでしょうか?

厚)いただいた質問のほとんどが「やりたいことがない」、もしくは「やりたいことはあるけれど、挑戦する勇気がない」のどちらかだったんですけど、それに対する僕の答えは何十回と答えたはずなのに、まったく同じ相談が延々と来つづけたんだよね…

半年から1年くらいは頑張ったつもりだけど、僕に言えることは言い尽くしたし、この2つの相談に対する僕なりの解決策はすべて本にまとめたつもりだったので、これ以上自分にできることはないなと思ってやめちゃいました。

○そうだったんですね…
つまり、ジェイソンさんとしてはあまり手応えがなかったのでしょうか…?


厚)思ったより力になれてないな、と感じていました。

もちろん、サイン会で「この本を読んで、実際にこんなふうに行動を起こしました!」と言ってもらえたときなんかは、「やってよかったな」と思えましたよ。

でもそれも、1時間で200人くらいサインするうちの1人、2人。それに対して、数千人、数万人の人が「本、読みました!」と言いながら、本に書いたはずのことについて聞いてくるわけですから、メッセージが届いていない感じはしました。

しかも、返事をした質問者のツイートを見に行くと、大体みんな「わ~い、有名人から返事来た~」みたいなことを書いてるんですよ。

○えっ。それって…めちゃくちゃ腹立ちませんか…?

厚)腹立ちますね。

結局、本当に変わりたくて質問したというよりは、ちょっと大げさな人生相談をしてチェックマークのついた有名人のTwitterアカウントから連絡が欲しかっただけだったんだなって。

○でも、「やりたいことが見つからない」「やりたいことはあるけど、挑戦する勇気がない」って、多くのフォロワーが本気で抱えていた悩みだと思うんです。

日本人って、現状維持を選んでしまう「安定志向」が強い気がするんですけど、ジェイソンさんは「日本人がなかなか変われない」のはどうしてだと思いますか?


厚)まあ単純に、変化しないほうが楽ですからね。

新しいことに挑戦すると失敗する可能性もあるし、自分でどうすればいいかを考える必要があるんですよ。

「自分で考える」って、労力がかかるし怖い。だから、誰かに「これをこういうふうにやりなさい」と一から説明書みたいに教えてもらって、それを文字通りにこなしておくほうが、考えなくていいし、「あの人に言われたから」と責任も押しつけられるから楽なんです。

○正直、何かを決断するとき誰かに背中を押してもらって自分の責任を軽くしたい…みたいな気持ちは、ものすごくよくわかります。

厚)
たまに、「ジェイソンに言われたから会社辞めました」と言う人がいますけど、あれもどうかと思うんですよね。

僕に責任を負ってもらいたいのかもしれないけど、あなたたちがどう生きるかは僕には一切関係ない。僕の意見や本はあくまで一つのきっかけでしかなくて、そこからどういう行動を起こすかは本人の責任。

だから、変われない人って「自分の人生に自分で責任をもって生きる」という感覚が足りないんだと思うよ。

…だけどそれは、「日本人が」ということじゃないんですよ。「人間が」…という話です。
(略)
厳しい言い方になるけど、できない人ができないだけなんです。日本にだって、柔軟に変化できる優秀な人はいっぱいいる。僕が言っているのは、アメリカと日本の比較じゃなく、できる人とできない人の比較なんですよ。
(略)
でしょ!? 「日本人はなぜ変われないか」なんて、そんなの知らないよ(笑)!! 変われないやつは、どこの国にもいるよ! 以上!

(以下、インタビューが続いていく)

この記事が掲載されたのが、2019年2月20日、これをさかのぼる2016年5月13日の記事では厚切りジェイソンさんは、以下のような発言をしています。

『【インタビュー】厚切りジェイソンが語る、多くの日本人に欠けている3つの人生観とは?-slush asia 2016-|ferret [フェレット]』

私が日本人に対して声を大にして言いたいことは「あなた自身で考えろ」ということです。
(略)
具体的な例として、私が以前レストランに行った話をしましょう。
(略)
とても暑い日だったので、どうしてもアイスコーヒーが飲みたかった。ので、店員さんに「アイスコーヒーをください」と言ったら「すみませんお客様。ホットコーヒーならあるのですがアイスコーヒーはありません」と言われてしましました!氷を入れればいいだけなのに。外は40度あるんですよ。とてもショックでした。

それが今や
「そんなの知らないよ(笑)!! 変われないやつは、どこの国にもいるよ! 以上!」
です。


「頼まれたとしても他者を指導することがむずかしい」
厚切りジェイソンさんも日本文化にどっぷり浸かってしまったようです。

ですから、日本に住んでいて、日本人の依存に真剣に対応すればするほど、当人はすり減っていくということです。
で、
「頼まれたとしても他者を指導することがむずかしい」
となり、
ときに、
「そんなの知らないよ!!」
となっていく。
・・・という。



タイプ6日本人についてはこちら

タイプ6日本人、失敗への恐怖感から来る依存という罠
日本とアメリカ(タイプ6とタイプ3)・目覚めの注意信号

厚切りジェイソンさんの言葉の引用は過去にも数回行なっています。
その内の2つを紹介しておきます。
「日本の大企業からイノベーションが生まれなくなった理由は・・・」を読んで
求めていた正解が自分を否定するものであるという、今の日本

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