性格と遺伝子(一卵性双生児の研究を通して見えてくるもの)

 エニアグラムの性格には、遺伝子の影響があるのでしょうか?
 個人的には、「ある」と思っていました。そう想像していました。

 最近読んだ、池谷裕二の『パテカトルの万脳薬』という雑誌連載のコラムの中で、
 確か、物を見る順番、つまり、興味を持つ順番が一卵性双生児では、きわめて同じ傾向があり、極論すれば、一卵性双生児の片方でデータを取れば、もう片方の動きが9割予想できる。とか、
 私の記憶で書いているのでいいかげんですけど、そんなことが書かれてあって、それが本当であれば、一卵性双生児では、性格タイプも一致するのではないかと想像できます。

 ですが、ですがですが、私の知っている一卵性双生児の兄弟は、性格が違いました。

 中学のクラス替えで、その騒ぎは起きました。
 「おい、お前、なんで俺らを無視してるんだ」「どうしたんだ?何か言えよ」「仲良くなったのに、俺らのこともう忘れたのか?(せつない・・・あ、私の感想です)」
 これは、クラス替えで、兄弟の片方と仲良くなった生徒が、もう片方を見つけて文句を言っている姿でした。
 この兄弟、一卵性双生児で、片方は、明るく社交的、もう片方は、無口で引っ込み思案でした。

 それで、クラス替えで、活発なほうと仲良くなった生徒達が、廊下で無口なほうを見つけて、上機嫌で話しかけたのに、何も言わないし、自分たちを避けるし、「どうなっているんだ」と先ほどのような騒ぎになったのでした。
 この騒ぎ、後から、活発なほうが出てきて、皆の驚きとともに、事件は解決したのでした。

 少し話はそれるのですが、一卵性双生児といえば、
卒業アルバムで、同じ姿 同じ髪型の同姓の人物を、別のクラスにも見つけて、同級生が一卵性双生児の片方であったのを今更ながらに知ったときなんかは、衝撃ですよね。校内で見掛けたあれは、本人だったのだろうか?別人だったのだろうか?なんて、後からミステリーな気持ちになります。

 話を戻して、
試しに、一卵性双生児と性格で検索をかけたら、けっこう出てきました。

一卵性の双子なのに、性格が全然違うのはなぜ・・・(Yahoo!知恵袋)』より

一卵性の双子なのに、性格が全然違うのはなぜでしょうか?

ちなみに、

私の同級生の子供に、一卵性の双子がいます、同じ両親に、同じ家で、同じ物を食べ、同じ教育をされて育ったのに、その双子は他人のように性格が全然違います、普通、双子は性格が似て当然なのですが、不思議です。

ちなみに、その双子は血液型も同じです。

一人の子は誰にでも優しく明るい子ですが、もう一人の子はハッキリ言うと嫌な子で、友達もいないようです。

「研究室」に行ってみた 7000組以上の双子を調査してきた安藤寿康先生の研究室に行ってみた!』より

 高校の同窓に一卵性の双子がいて、それぞれ違う時期に親しかった経験がある。
 「弟」は、快活でひょうきん者。マニアックなアメコミ系のコミックを貸してもらったのを覚えている。「兄」は、ニヒルな笑い方が印象的なクールガイ。これまたマニアックなプログレ系のアナログレコード!(そういう時代だったのです)を貸してくれたっけ。

 一卵性双生児で、性格が違う話は、そこそこ出てきます。ただ、これも一卵性双生児なのに、性格が違って珍しいからこそ、話題になっている可能性もあります。

 そこで、ここからは、Webで見つけた研究内容から、見てみたいと思います。
これら先は、全て、ナショナル・ジオグラフィックに掲載されていた
『「研究室」に行ってみた 7000組以上の双子を調査してきた安藤寿康先生の研究室に行ってみた!』
からの引用です。
 文章は、小説家の川端裕人(かわばた ひろと)さんが、慶應義塾大学文学部教授の安藤寿康(あんどう じゅこう)先生にインタビューをして書いています。ですので、引用文がどちらの発言か分かり難いかもしれません。ですが、面白い話なので、とにかく読んでみてください。

 新奇性追求、損害回避、報酬依存といったパーソナリティに、遺伝が寄与することは前に述べた。
 さらに、パーソナリティのモデルとして有名な「ビッグファイブ」(5因子モデル)について、安藤さんたちが調べたところ、これもやはり遺伝要因が大きく効いていることがわかった。5つの因子とは、外向性、神経症傾向、誠実性、調和性、開放性。それらが、順番に、46%、46%、52%、36%、52%が遺伝要因で、のこりは環境要因という結果が出た。
 ぼくとしては、その寄与割合の大きさはやはり驚きだ。「調和性」を除き、ほかの要素は「だいたい半分は遺伝で決まる」と言っているわけだから。さらに、この結果は、安藤さんたちの研究のみならず、カナダ、ドイツなどでも、同じ方法で調査され、きわめて似た結果になったという。我々人類の「心」の普遍性を示しているのかもしれない。
 パーソナリティの研究でも、遺伝の影響は50%前後であることが多かった。それはまぎれもなく、残りの50%は環境のなせるわざ、ということでもある。

 ここまでをまとめると、「調和性」を除けば、性格は「だいたい半分は遺伝で決まる」ということになるようです。
 つまり、残り半分は環境でもあるので、環境で性格が決まる可能性も残っており、「一卵性双生児といえども、性格タイプが異なることは普通にありえる」ということになるようです。

 一卵性双生児で性格タイプが異なるか? の話はここまでです。

 ここからは、ちょっと方向が違うのですが、その性格、つまり、ひとりひとりの個性に関して、周りは区別がついているのか?という話です。

 「安藤さんも関わったあるテレビ番組での双子にまつわる実験」
が面白いです。

 小学生9組と付き添いの成人女性2組合わせて11組の一卵性双生児を集め、それぞれ片割れずつ2つのグループに分けた上で、3泊4日のキャンプに送り出した。それぞれのグループに同じ活動をさせた後で、最後の日になって11組のうち5組を入れ替えた。入れ替わった組以外にはその事実を知らせなかった。

 結果、知らされなかった側で、誰かがそれに気づいただろうか。
「結局、1時間たってもばれなかったんですよ」と安藤さん。
 「実際に2人並べると、一卵性とはいえ個性の差は当然どの双子にもあるんです。大人の双子に至っては、一方は髪の毛を赤く染めていて、一方は黒。それに、3泊4日いろんなことやれば、お互いの個性もわかってくるじゃないですか。なのにばれない。『あれ、服ちがうじゃん』とか言われたら、『いや、ちょっと着がえたんだ』とか言ってごまかすことはあったけど、ほんと、髪の色が変わっていても気がつかない(笑)

 ですが、

 先ほどとは別のテレビ番組で、双子の片割れと結婚した人たちに、配偶者を入れ替える実験をしたケースがあるという。その場合、わずか5分で、配偶者の入れ替わりが発覚したという。

 夫婦だと、違いがすぐ分かる。
 なんだか、ホッとする結果です。


 最後に、調べていてちょっと性格タイプの話ではないけども、メモとして残したかった話をいくつか

 性格では無いですが、知能に関して

 空間性にかんする知能テストについては、遺伝要因がなんと70%になった。ここまで来ると、人間の空間認識能力は遺伝によってだいたい決まってしまうのではないかとの印象を受ける。
 一方、言語性にかんする知能テストは、遺伝要因が14%と小さく、残り86%が環境要因となった。

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120120/296812/?P=6

 外国語習得に関して、希望が持てるような内容です。逆に言えば、言い訳ができない。うっ、言い訳がしたい。。。

 子育てに関して

 問題行動の遺伝的素養は、しつけが厳しすぎたり(言っていることが)一貫していない家庭のほうが強く出る傾向があり、しつけが厳しすぎず、一貫している家庭ではあらわれにくい。

 また、読み聞かせをした子の問題解決力が高くなったり、無理に何かをさせず自由にさせていた子のほうが、知的能力が高くなるという結果も出ています。

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120120/296860/?P=4

一貫性が無いとはこういうことのようです。

より

先日、電車の中で隣り合わせに座った、3歳くらいの女児とお母さんのやり取りです。乗車してすぐに、

子「ジュース飲みたい」
親「ダメ。後で」
子「ジュース飲みたい!」
親「電車に乗ったからダメ、降りてからね」
子「ジュース飲みたい!!」
親「電車の中だからダメって言ったでしょ! 降りてからね!」

かなり強い口調だったからか、子どもは静かになりました。しかし、何駅か過ぎて、ある駅に到着した時。

子「降りる?」
親「まだ、次よ」

あ、次降りるのね、よかったわ、と筆者は心の中で思いましたが、その次の駅についても降りる気配がありません。

子「降りる?」
親「まだ。次の次かな……」
子「ジュース!!」
親「電車の中だからダメ、降りたらね」

非常に不誠実なやり取りに耳を疑いました。

(略)

これだけの言葉のやり取りができるのですから、降りるまであと何駅という数だったり、駅の名前だったり、わからなかったとしても〇分という時間だったり(こういった話しかけが、数や時間などの格好の学びの機会なのに残念です)何とでも言いようがあるはずなのに、適当に「次」と言ってしまうのは、「すぐよ」と伝えたい思いからなのかもしれませんが、はっきり言ってうそつきです。
しかも、この後、さらに「ジュース」とぐずりだした子どもに、何も言わずに、おもむろにジュースを飲ませたのです。


親の対応に、まったく一貫性がありません。



 そして、ここから話が壮大になります。

第5回 これからの「教育」の話をしよう』より

 双子研究が明らかにしつつある、遺伝と環境の交互作用をふまえたとき、ぼくたちの社会において、教育はどのようにあるべきなのだろう。
「──学校制度そのものは変える必要ないと思います。それは、とってもよくできている。どう利用するかというマインドの問題だと思います。
「──例えば誰でも全教科100点を取るのを目指す教育というのは、無謀というか、意味がない。本当にみんながすべてのことができるようになるのは、あり得ないわけですよね。それをもうちょっと突き詰めていくと、どんな人でも社会に適応していける環境をつくるのが、教育制度が目指す目標なんじゃないかっていうふうに思うわけです」
 それと同時に、学校教育がすべてではないとも安藤さんは言う。つまり、我々の社会、そのものが教育機会だと。
「私がこの年になって、わざわざアフリカに行きたくなった理由はまさにそこにあるんです。亀井伸孝さんに触発されたわけなんですが」といきなり、話題がアフリカに飛んだ時には、ぼくはいわば「目が点」になった。それも、この連載の第2回に登場いただいた文化人類学者の亀井伸孝さんが話題に出てきたのだ。亀井さんは、カメルーンの狩猟採集民、バカの子どもたちの遊びの研究者だ。バカの子どもたちは、大人たちからは放任され、自分たちで大人の模倣をして遊びつつ、様々なことを学んでいく。安藤さんは、亀井さんとともに、このバカの研究を始めているという。正直、驚いた。
「恐らく昭和の初めぐらいまで、日本でもバカと同じ状況があったんじゃないかと思うんです。子どもも、1軒に3人か4人はいて、子ども達同士で遊ぶ習慣ができていた。塾なんかもちろんない。同時に、大人の生活空間も子どもの周りにあるから、親がやってることを遊びに取り込んでいったり、多分、亀井さんが観察したようなものが比較的最近まであったんじゃないかなと思うんです。それを今、日本で実現することっていうのはできないのかなっていうのが、最近、夢想していることでして」
 その夢想がいきついたのは、なんと──「キッザニアってあるじゃないですか。子どもにいろいろな職業体験をさせてくれる施設。あれはいいと思うんです。あらゆる産業に関わってる人たちが子どもにも世界を開いて、自分達がやってることを見せる。そして、その中でその真似事ができるようにする。つまり、社会がキッザニア化せよ。あるいは、子どもたちが遊びの中で適性を見いだしていくバカのピグミー化せよ、と。荒唐無稽だとは自分でもわかってるんですけど。ただ、実際にキッザニアに行って聞くと、子どもに対して社会教育の一環としてああいうことをしようというモチベーションを持ってる企業は、かなりたくさんあるみたいなんですね」
 もしも、数学が苦手なら、三角関数が分からなくてもいい。でも、その人の適性に合った、満足できる仕事はどこかにあるはず。そのための「社会のキッザニア化」だ。
 話を聞いていると、当初、ぼくも抱いていた「優生思想への警戒」よりも、むしろ愉快さを強く感じた。研究の一部を捉えて、ねじ曲げ、ダークサイドに落ちるのではなく、謙虚に目に入ってきた事実を直視し、多様な遺伝をそのまま受け止める社会。それは、そのまま、ずっと以前から言われている「多様性を容認する社会」にほかならない。

 いいですね。これ。
 「多様性を認める多彩な選択肢」は、一択を好む日本のタイプ6社会とはぶつかるかも知れませんけども・・・。いまだって、成績が良ければ、医者になれって言う人いますよね。
 とくに、近年日本は、ストレスが増していて、性格の幅が狭くなって、一択癖が強固になっています。
 けれど、ここに紹介されているようになればいいと思います。

 最後にちょっと印象的だった話を

「遺伝子は同じで、育つ家庭も同じ、一卵性双生児なのに、違う環境に置かれ、違う経験をする」具体例として、安藤さんにはこんな体験があるそうだ。

「研究に協力してくれている家庭で、すごくハンサムな男の子の一卵性双生児がいたんです。もちろん、そっくりなんですが、でも一方のほうが紙一枚、微妙に、よりハンサムなんですよ。そうするとね、女の子達がみんな「こっちの方がいいよね」みたいに言う。単体で出てくれば両方ともすごいイケメンなんだけど、2人いるばっかりに片方には日が当たらないんです。もう可哀想になっちゃうくらいで──」

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120117/296498/?P=6

 双子の微妙な違いはここで見ることができます。
『 ナショナル ジオグラフィック日本版 2012年1月号
双子が明かす生命の不思議 フォトギャラリー』


 明日もこんな話を書きます。

参考
『「研究室」に行ってみた 7000組以上の双子を調査してきた安藤寿康先生の研究室に行ってみた!(2012年 ナショナル・ジオグラフィック)』
第1回 遺伝か環境か、それがモンダイだ
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120117/296498/

第2回 「知能指数は80%遺伝」の衝撃 ←「心理的・行動的形質に寄与する遺伝と環境の影響」という名のグラフが見れます
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120118/296619/

第3回 パーソナリティも遺伝で決まる?
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120120/296812/
第4回 ドッキリ企画!双子を内緒で交換したら
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120120/296860/
第5回 これからの「教育」の話をしよう
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120123/296972/

本も出しているそうです(アマゾンでの検索結果)


2018/10/18追記
ちなみに、
一卵性双生児であってもまったく同じ指紋にはならないそうです。

2019/09/09追記
19.7.29 No35 AERA(週刊誌アエラ)より

遺伝の影響
指紋は98%が遺伝の影響。15歳時の身長や体重は9割以上遺伝の影響。
以下、音楽92%、スポーツ85%、数学87%、執筆8割以上、美術は6割以下。
IQは児童期41%、成人初期66%と年齢が上がるにつれ遺伝の影響が大きくなり、その後はほぼ横ばい傾向。
性格では、勤勉性と開拓性52%、神経質と外向性は46%、
反社会性は男性63%女性61%
マリファナへの依存は61%

遺伝子検査について
現在、健康リスクや体質だけでなく性格に関する項目も検査できるようになっている。
ただし、
「家族性がん」などの疾患の遺伝子の検査は、医療機関でのみ行なわれる。
消費者向けの遺伝子検査では取り扱うことはできない。

雑誌で紹介されていた国内で受けられる主な遺伝子検査サービス 3社
・DeNAライフサイエンス
・ジェネシス ヘルスケア
・ジーンクエスト
各社およそ3万円からサービスが始まるもよう

遺伝子検査を信じるべきか?
安藤寿康教授の発言
「DNA検査で適性や才能を知ることは理論的には可能だが、今の技術で正しく測定できるとは言えない」
「ただの占いとまでは言わないが、確率の低い天気予報みたいなものだと考えたほうがいい。天気予報を見て傘を持っていくかどうか決めるのは自分。DNA検査の結果を見てどう行動するかも、自分の責任です」


個人的な感想、
そういえば、以前、複数の遺伝子検査を受けたら、祖先について違う結果が出た。という話が海外であったような。

指紋が98%遺伝で決まるのならば、手相はどうなのだろう? 双子の手相が同期しているのならば、手相の変化は単に予定された体の変化を伝えているだけとなる。手相は、運勢、性格、体調、健康にいたるまで分るとうたっている。特に、違う人生や異なる特技、異なる性格を持つ双子においての手相の違いが気になる。場合によっては一気に手相占いが無くなるかも。

それと、雑誌内の文章で気になった箇所として、
北陸の小さな町の出身だという、43歳・東京都・男性会社員の、
「今まで会ってきた人の中で『かなり能力が高いな』と感じた人って、聞けばだいたいその親も能力がなければできないような仕事をしていました」
という箇所は、思わず我が身はどうか?と思い、うなってしまった。
ただ、この今回の文章の後半で取り上げたWebページにおいて、安藤寿康教授は、「あくまで確率の話ですし、そこに環境の影響も加わってきますから、子どもが実際にどんな形質になるのか事前に予測できるわけではありません」と語っている。

参考に、親と子の職業の関係を、フェイスブックが親子560万組のデータで調べたというwebでの記事 ↓

雑誌AERAの記事について、気になったかたは、図書館でバックナンバーを探してみてください。
2019年の7月のものだから、読める可能性は高いと思います。
「19.7.29 No35 AERA」です。ギタリストのMIYAVIが表紙でした。


雑誌の話はここまでで、ここから先は、安藤寿康(あんどう じゅこう)教授が出ている他のWebページからの引用

 
遺伝率(遺伝の影響) について

遺伝率は、定義としては「表現型の全分散(ばらつき)に占める遺伝分散(遺伝で説明できるばらつき)の割合」ということなんですが、直感的には、「ある集団の中で相対的に、ある性質が後天的にどのくらい変わりやすい」かを表していると考えてください。つまり、遺伝率が50%の形質より、遺伝率80%の形質の方が、ある特定の社会の中で、環境によって相対的順位を変えにくいということを表しています。

例えば、肥満傾向の強い遺伝子セットを持って生まれた人が痩せようと思ったら、そうでない人に比べて相当頑張らないといけないということです。

誤解されがちなんですが、持って生まれた性質は絶対に変わらないということではありません

遺伝の影響を振り切ることは可能だが、かなりの努力が必要となる。
音楽92%、スポーツ85%、数学87%。
ということは、勉強を頑張るよりも性格を変えるほうが楽だってこと!?
美術は6割以下だから、地道な努力が実る可能性もあるってことか。何浪かして藝大に入るとか。noteのマンガでそのような世界があることを知ったという。ただし、空間認識能力は7割。ここで辛さが出るのかも。

例えば、8割以上ある執筆の遺伝による影響を努力でどうにかするには、以下のページが参考になるかも。

『読むコンテンツによって、文章力に差が出るという研究結果 | TABI LABO』


他にもこんな話が・・・

『クロスワードパズルには強力な脳の老化予防効果がある(英研究) : カラパイア』

単語パズル数字パズルで異なる効果が出ているとのこと。

 コーベット氏が見たところ、単語パズルをやる人とやらない人とで特に違いが生まれるのは、文法的推論・パターン認識・注意力である。

 これらに関して、パズルをまったくやらない人は、週に数回程度しかやらない人と比べてもはっきりと劣っていた。
 また数字パズルを頻繁にやる人の場合、個人の経験についての長期的な記憶であるエピソード記憶が優れていた。

 さらに空間作業記憶(物理環境の手がかりを記憶するなど)や、注意力・処理速度・実行機能にもアンチエイジング効果が見られたという。

これは、老化予防のみならず、脳の機能強化にも使えるのでは?


親子の話

親の世代から子どもの世代へどうやって遺伝子セットが伝達されるかという話もあります。IQの場合、子どものIQは両親の中間値より平均寄りの値を取る確率が高くなります。
例えば、両親ともにIQが120同士だった場合、その子どものIQは120ではなく、もうちょっと低くなる確率が高くなるわけです。同様に、両親のIQが80だったなら子どものIQはそれよりもよくなる確率が高くなり、こうした現象を「平均への回帰」と言います。
子どもが実際にどんな形質になるのか事前に予測できるわけではありません。親に才能があるからといって子どもに才能があるとは限りませんし、親に才能がないからといって子どもに才能がないとは限らないんです。

それにしても、両親が同じIQであったときに、それが、全体から見て、高いか低いか、どうやって分るのでしょうかね?
子が親ほどでは無い例としては、佐久間象山の話を思い出しますが、賢さは母親からの遺伝なんて話もあります。海外でも貴族が庶民の娘との間に息子をもうけたら、あまりできが良くなかったとか、そんな感じの話があったような。どうなのでしょうか? 。なんだかミトコンドリアな話。安藤教授の話を伺ってみたい。単なる「平均への回帰」か?


親から子の遺伝について、
相加的遺伝と非相加的遺伝
そして、性格の話

遺伝は大まかに、相加的遺伝非相加的遺伝に分けられます。
相加的遺伝というのは、1つ1つの遺伝子の影響は小さいけれど、それらが累積すると効果が大きくなる、そういう遺伝パターンのことです。
一方の非相加的遺伝は、相加的遺伝では説明のできない遺伝パターンを指します。

どんな形質にも相加的遺伝と非相加的遺伝両方の影響がありうるのですが、僕は特に「量」で測られる形質は相加的遺伝の影響を受けていると考えています。身長や体重もそうですし、知識量や体力などの能力も「量」として存在します。

これに対して、非相加的遺伝の影響が強い形質は、「質」的な違いとして現れるものだと思うんですね。「AさんはBさんに比べて語彙が2倍」ということなら量的に測定できるでしょうが、「Aさんの明るさはBさんの2倍」とは、まあ言えないことはないけど、ちょっと違和感を感じますよね。これはもう「質」的な違いです。(略)「質」的な違いというもので、人間の性格なんかはそっちの方に入る形質だと思います。そういう形質には、相加的遺伝だけじゃなく非相加的遺伝の影響も表れやすいんです。

顔の美醜もそういうものだと考えられます。(略)

(略)非相加的な要素が強いほど(略)、子どもの形質が両親とはほとんど無関係になる可能性が高くなります。

数値的な資質は親から子に遺伝しやすい、ただし、その上で「平均への回帰」が起こりやすい。
質的な資質はあまり親子間の遺伝の影響が無い。
といったところでしょうか。
「鳶が鷹を生む」というのは、ならば、質的な話となるような。


2021/03/20追記
関連した情報があったので追記

「一卵性双生児の遺伝情報は同一ではない」ことが明らかになってきた | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト』

より

1つの受精卵が2つに分かれて生まれる一卵性双生児は、同一の遺伝情報を持ち、それぞれの身体的特徴や心的特性は、遺伝的要因よりも環境的要因によるものだと考えられてきた。
しかしながら、近年、一卵性双生児の間で異なる遺伝情報があることが明らかになってきた。
約10.2%にあたる39組で100個以上の突然変異があった。その一方で、遺伝情報が同一であったのは38組で、全体の約9.9%にとどまっている
遺伝子の突然変異と関連するとみられる自閉症やその他の発達障害は、双子の一方で発症することがある。研究チームは、一連の研究結果をふまえ「このような表現型の差の形成において、遺伝的要因の役割が過小評価されてきたのではないか」と考察している。

スウェーデン・ウプサラ大学の遺伝学者ヤン・デュマンスキ教授は、AP通信の取材で、「医学研究に明らかに役立つ重要な成果だ」と研究成果を大いに評価し、「双生児法をはじめ、双子をモデルに用いる際は、慎重でなければならないことを示唆している」と述べている。

これをどう解釈するかは、専門家の研究を待ちたいと思います。
(下手をすれば遺伝子の影響の割合が高くなる。逆もあり得る)

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