タイプ6がパッシブ アグレッシブを行う心理

日本語では、「受動攻撃」と訳されているパッシブ アグレッシブ。

これは、意訳すれば「静かに攻撃的」とか「不作為による拒絶」とか「未必の故意(みひつのこい)」とかが該当する言葉です。

リソ&ハドソンは、タイプ6のレベル5(レベルとしてはちょうど真ん中)の態度にこの「受動攻撃」を挙げています。

ここで、エニアグラムのタイプ6の説明を入れます。
エニアグラムのタイプ6は、『忠実な人(ドン・リチャード・リソ)』『疑念者(ヘレン・パーマー)』『慎重な人(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』とも言われる性格タイプです。

タイプ6は、安心・安全・安定が大切な性格タイプです。

ちなみに、日本の国民性もタイプ6です。

先日、
アメリカ人の言う「Passive Aggressive(受動攻撃)」とタイプ6について
を書いた後に、
こういった行為がタイプ6としてなぜ起こるのか考えていたのですが、

被害者意識が異様に発達した加害者

という表現を本日ネットで見つけて、なるほど、こういった精神状態がタイプ6にはピッタリだと思い、今回ここで取り上げてみることにしました。

つまり、タイプ6にとっては、自分は安心・安全・安定を崩された、もしくは崩されつつある、もしくは崩されそうな、
“被害者”なのです。

それで、被害者である自分が、自らの安心・安全・安定をなるべく崩さない形で、その身を守ろうとするときに、攻撃的になり、静かなる“加害者”な態度をとる。
それが、パッシブ アグレッシブとなるようです。

以前紹介したエピソードで、バカリズムさんの言った、

トイレに張られた但し書きについて「『いつもキレイに使っていただきありがとうございます』は、押し付けですよね? 先に言うことで」

に関しても、
当事者は、日ごろトイレを汚されている被害者なのです。
それで、なるべく角を立てないように、自らを守りながら反撃して相手に言おうとしたときに、パッシブ アグレッシブ・・・「静かに攻撃的」となるわけです。

これは、アメリア人男性が嫌がる、日本人女性のパッシブ アグレッシブな行為、「すねた黙り込み」も、当人の日本人女性にとっては、先に自分が“被害者”だという意識があるのだと思います。


こういうのが、タイプ6の受動攻撃にあたるらしい
優柔不断な人が嫌いなのに、かといって引っ張る人も嫌いという女性の性格タイプ


あと、
パッシブ アグレッシブには、「敵意あるジョーク」も入るとのことですが、ジョーク文化の無い日本では、これは、「敵意ある皮肉」として出ていると感じます。

「敵意ある皮肉」。日本では、多いです。特に党派性がからむと多いと感じます。

以前にパッシブ アグレッシブを取り上げた文章の引用文中に、
「passive-aggressive は"自分が"傷つかないための行動です」
という言葉がありました。
たしかにパッシブ アグレッシブは、"自分が"傷つかないための行動なのですが、
その前の段階には、特にタイプ6の場合は、「私は被害者だ」というのがありそうです。

タイプ6としては、自分にとっての安心・安全・安定を崩された(過去)、もしくは崩されつつある(現在進行)、もしくは崩されそうな(未来)、状態だから、
「私は被害者だ」となり、
そこから、「身の安全のために、反撃が必要だ」ということになっていくわけです。

タイプ6としての安心・安全・安定の対象はいろいろあり過ぎるので、これが何かと決めることはできませんが、
タイプ6は同時に依存的な性格タイプでもあります。
安心・安全・安定のために、何か自分の外に依存するということです。
この対象も、信仰、思想、ルール、法律、人物、集団、といろいろあるわけですが、
そういったものを否定されそうになったときに、“被害者”意識が出ると思われます。


それと、受動攻撃ばかり取り上げていますが、自分を守るためなら、攻撃的になることだってあるのもタイプ6だと断っておきます。


「被害者意識が異様に発達した加害者」
という表現はよいですね。
タイプ6は心配事・不安に どう反応しているか、 精神レベルにより どう変化していくか
に書き加えたいです(ただし、やるとは言ってません)。

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