『それぞれのPTA』を読んで

 何回かに分けて
元銀座のママと元小学校教師がPTA会長になって、ブラックPTAの改革に挑んでみた。
を読んだ感想を書いていきます。(実は、まだ全ての感想がまとまっていないのですが・・・)

 今回は感想の2回目です。

 エニアグラムでは、日本の国民性はタイプ6だと言われています。
 タイプ6は、安心・安全・安定を求める人たちです。
 ここでは、タイプ6を通して、PTA改革の話を解説していきます。

 今回は、
それぞれのPTA』より引用します。

現在の強制加入のPTAは
子どもを人質にして
この多様な人々に
単一のルールを押し付けている状態です。
それは子供のためでも、学校のためでもなく
「組織存続」のためです。

 「組織存続」のためにルールを押し付けてくることに異論はありません。
 タイプ6は集団気質で、自らが求める「安心・安全・安定」を所属する集団にゆだね、この集団を維持しようとするからです。

 ただ、加えて言うならば、「単一のルールを押し付け」るのは、タイプ6の一択癖から来るものでもあります。
 タイプ6にとって、沢山の選択肢は不安定なものに映ります。そこで、タイプ6は選択肢を一つに絞ろうとします。こういった一択癖が、「単一のルールを押し付け」に現れていると言えます。


 引用を続けます。

反対意見の無い世界などありません。
どんなに正しい意見であっても、反対意見は出てきます。
それが正常な民主主義です。
ただ、反対意見と誹謗中傷は全く別物です。
この線引きが日本人は苦手な気がします。
意見が違う人=敵ではありません。

 これはリソ&ハドソンがレベルの低いタイプ6として指摘しているものです。

通常のタイプ6は、集団と地位に一体化するが、この<段階>(=レベル6)では、極端に党派的かつ権威主義的であり、他者を「自分に従う」人と「自分に逆らう」人とに厳密に分ける。すべての人が、われわれ対彼ら、部外者対部内者、友人対敵というように遠慮会釈なく二つの分岐にくくられる。
(略)
誰かが彼らの信念に異議を唱えれば、自分の生き方そのものへの攻撃とみなす。

 ただ、今後書いていくつもりですが、この「反対意見と誹謗中傷」の混同がタイプ6だけのものだとは私は思わないでいます。
 つまり、タイプ6にとどまらない説明が必要だと考えています。
 一般に、ハートセンター(=感情センター)なども、感情的に対応することがあるからです。

 つまりこうとらえています。

 本来ならば、ヘッドセンター的な秩序ある対応を求めるタイプ6社会においては、ハートセンター的な対応、つまり、(ときに支離滅裂な)感情的な対応は、止められていたものだが・・・、
 レベルが下がって、タイプ6レベル6の「友人対敵」という状態になってしまっているので、感情的な対応をも許してしまっている。

と見ているのです。

 このため、本来のタイプ6以上に日本社会で「誹謗中傷」が出ているのだと見ているのです。

 さらに引用します。

何が言いたいかというと
「100人保護者がいれば、100通りのPTAが存在していい」
という事です。

 これは、始めに説明したタイプ6の一択癖とぶつかる考え方です。
 タイプ6の日本社会は意見が違う人がいると、安心・安全・安定が損なわれると、とらえるので、総意を求めます。
 以前にも書きましたが、これが日本にダイバーシティが根づかない一因になっています。

※ 他の感想は、ハッシュタグ「#ブラックPTA感想」にまとめています。

参考
・『【エニアグラム用語】センターとは?』ハートセンターやヘッドセンターの説明
・『通常のタイプ6(これで近頃の日本を説明する)』レベル6の状態の記述
・『国のレベルと「レベルを上げる条件」』解決方法の提示

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