Z世代のタイプ6的愚痴を読んで

『Z世代の女だけど昭和に産まれたかった』

今の世の中、選択肢が多すぎて辛い
結婚するorしない
子供作るor作らない
転職するorしない
ゆるキャリorバリキャリ
他にも色々
選び放題で自由なのかもしれないけど自由って辛い
選んで失敗すると自分が嫌になるし
失敗してないかもしれない今も別の道があるんじゃないかそっちの方がいいんじゃないかって悩んでしまう
昭和って、男は死ぬほど働いて女は主婦で子供産むってはっきりしてるじゃん
それがよかった
昭和ならなんにも考えずに結婚して子供産んでただろうけど今は考えることがありすぎる 世の中のせいにできない
すべて自分の責任になる今の時代は嫌だ
だから病んでる人多いんだと思う
やること決まってない状態が人は一番辛いのかも

(略)
自分で決めろよって話なんだけど今まである意味運良くてあまり失敗・挫折がなかったかつ王道を歩んできたからこれからどうなるか怖い→昔みたいに産め!とにかく25までに結婚して産め!みたいな風潮あったらよかったなと思ってしまった もちろんそれで苦しんだ人もいっぱいいるのも想像つくんだけど…

正直今はそんなに結婚したくないけど自分の性格上後から後悔するタイプだろうから30超えて婚活するより今やったほうが有利だと思ってるんだけどそれが正しいのか もう色々めんどくさい
いい大学に入るのもいい会社に入るのもしんどいけどやること決まってたから簡単だった でも人生やること決まってなくてあまりにも難しすぎる

これ、日本の国民性のエニアグラムのタイプ6で説明できる。
エニアグラムのタイプ6は、安心・安全・安定が大切で、それが崩れた状態の未知や混沌を嫌がる。

ここで出てくる「選択肢」とはタイプ6にとっては未知や混沌の仲間となる。

また、タイプ6は、思考センターの否定点に位置する性格なので、思考停止となる。考えたくないのだ。

それで、どうなるか?

一般的なタイプ6は依存的となる。自分の外に答えを求める。
その答えも、簡単に未知や混沌に戻らない。完璧な答えを求める。
聖杯・銀の弾丸・テッパン、とにかく完璧な答えを求める。

そんなタイプ6が出ている文章だと思った。


なんだろう、昭和は同じレールが死ぬほどあって脱線したら辛いけど
令和は意味わからないくらいの種類のレールがあってぐにゃぐにゃのやつばっかりで脱線しても別にあっ脱線してるって指さされはしないけど
そもそも自分がレールに乗れてるのか脱線してるのかもよくわからなくて今動いてるのかどうか自分という車両が壊れてるのかもわからないみたいな辛さがある

これは、
筑波大学教授 土井 隆義(どい・たかよし)が解説している。

ところで、人間関係の流動性が高まったという事実は、それだけ制度的な枠組みが拘束力を失っていることを意味する。
裏を返せば、制度的な枠組みが人間関係を保証してくれる共通の基盤ではなくなり、それだけ関係が不安定になってきたということでもある。
(略)
今日の若者たちは、かつてのように社会組織によって強制された鬱陶しい人間関係から解放されることを願うのではなく、その拘束力が緩んで流動性が増したがゆえに不安定化した人間関係へ安全に包摂されることを願っている。

元の文では、人間関係の話となっているが、
言っていることは今回の話と共通している。

制度的な枠組みがゆるくなり、かつてのような締め付けがなくなって自由な時代となっているが、
それだけ不安定だとも言えて、今のZ世代となると逆に昭和をシンボルとした枠組みがきっちりしていた時代をうらやましがっているという話である。

それで言うと、最近
『梅宮アンナ、50日滞在してわかった「大好きだったアメリカ」の悲惨な現状。育児にベストな国ってどこなんでしょうね(OTONA SALONE)』

において、梅宮アンナが

私はつくづく思う、昭和に生まれて、昭和時代のがんこ爺、梅宮辰夫に育ててもらえて本当によかったと。

と書いているのも、今回のZ世代と同様の話となる。

父を何度も怒らせ、手も上げられましたが、それでよかったといま自分で痛感しています。だって、私、親をなめたことがないんだもん。怖いから。私には生きる姿勢そのものを示す「父という正解」があり、それが答えを自分なりに導き出す助けになりました。

父親を何度も怒らせた娘が、それで手を上げられた娘が、それでよかったと「痛感」するくらい、
昭和時代とされるものは遠くなったのだろう。

昭和を振り返るのもほどほどに、前を向くしかない。


ところで日本人をタイプ6と書いたが、状態の良いタイプ6は、安心・安全・安定を他人に供給する。
安心・安全・安定を求めるだけではなく、他人に供給する姿が理想である。
今は無理でもこのことを覚えておいてもらいたいと思った。

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