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私がドリームキャストでHTMLを学んだ話

私がHTMLを覚えたのは、中学生のころ。

まだPCがなかった我が家ですが、素晴らしいネットツールがありました。

その名は、ドリームキャスト。

このエントリーでは、私とドリームキャストの愛の物語と、HTML覚えてホームページを作っちゃう話をつづっていきます。


ドリームキャストと私

ありがとう、せがた三四郎。はじめまして湯川専務。

セガサターンを救うため、炎のなかに入ったせがた三四郎は、もう戻ってこなかった。

うちひしがれるサターンユーザーを慰めるように登場したのが、真っ白な四角いフォルムで愛くるしいぐるぐるマークを持つ「ドリームキャスト」と、よくわからない謎のおじさん「湯川専務」を起用した自虐的なCM。

私はすっかり虜になった。

湯川専務を男にしないといけない。

そう決意した私は、親戚からせっせと募金を募り、なんとか発売日にドリームキャストを手に入れたのだ。

ゲームショップからドリームキャストを持ち帰り、開封すると「ドリームパスポート」という謎のディスクが付いてきた。

ネットブラウザがついてきた

ドリームパスポートを起動してみると、どうやらインターネットが出来るソフトのようだ。

しかし、何をどうやったらネットにつながるのかが分からない。

今だったらスマホで検索するところだが、当時はガラケーすら持っていなかった。取説を熟読してみる。

どうやら、ドリームキャストの後方に電話線をさせばなんとかなりそうだ。

家の電話から電話線をこっそり抜いて、ドリームキャストにつなげてみると、そこには見たことのない世界があった。

ドリームキャストでネット初体験

はじめてのネットサーフィンに大興奮

設定画面をガンガン進んで、初めてウェブサイトが表示されたときは「うぉーーー」と叫んだ。

クリックするごとに、ちょっとずつ読み込みが進む画面に、まだかまだかと心を躍らせる私。

ゲームの攻略情報が載っているウェブサイトを見て攻略のヒントをもらったり、掲示板で同じゲーム好きと交流したりして、世の中には、いろんな人がいるんだなーとワクワクした。

ネットサーフィンは、すぐ飽きた

ネットの世界を満喫し、掲示板で誰かから返事がくれば小躍りしていたが、すぐ飽きてしまった。

飽きてしまった理由は、

  • 自分の興味の幅が狭かった

  • 今ほど多くのウェブサイトがなかった

  • 掲示板での交流が途絶えやすかった

主にこの3点。とにかくコンテンツが少なかった。

ドリームキャストでホームページが作りたい

ドリームキャストで自分のホームページを作っている人がいた!

久々にドリームパスポートを使って、「ドリームキャスト」と検索してみたら、ドリームキャストでホームページを作るというサイトを見つけた。

今までは見ているだけだったのに自分でホームページが作れるんだ!しかもドリームキャストで!

新しい世界を知った私は早速ドリームキャストでのホームページ作りにチャレンジすることにした。

お役立ちサイトを参考にして、見よう見まねでホームページ作り

思い立ったが吉日、さっそくホームページ作りに取りかかった。

作り方を指南しているウェブサイト※1を見ながら悪戦苦闘しつつホームページ作りを開始。

まずジオシティーズでアカウントを作って、サイトの説明どおりになんだかよくわからない英語を打ち込んだ。

そのよくわからない英語こそHTMLだったのだが、最初はよくわからずに見よう見まねで入力し、きちんと表示がされなくて落ち込む日々……。

失敗を繰り返すうちに、だんだんとHTMLに慣れてきた私は、もっとHTMLを知りたくなった。

のめりこんで、HTMLタグ辞典を購入

ウェブサイトのHTMLの説明に物足りなさを感じた私はついにHTMLタグ辞典に手を出した。

HTMLタグ辞典とは、1ページごとにHTMLタグが書いてあり、これを使うとこんなことができるよーというような内容の辞典。

貴重なお年玉を使って買ったので、絶対何かをつかんでやる!と思い、1ページずつじっくり、何度も読みなおした。

このよくわからない情熱のおかげで、HTMLの使い方が分かってきた気がする。

せまりくる親の恐怖

HTMLも大体わかったことだし、いよいよ本格的にホームページを作っていくか!とやる気になった私は、ドリームキャストのソフトキーボードという劣悪な環境に耐えながらなんとかHTMLを打ち終えた。

そこに迫りくる、母の足音。
「いつまで電話使ってるの!電話できないから電話線抜いといたよ!」

これは鬼の所業。

なぜならドリームキャストは、ネットワークが切断されると、それまで書いていたテキストは保存されず、無になるという邪悪な仕様なのだ。

今までの苦労が無駄に……。サラサラサラサラ~~~~~!!!

母から愛のある一撃をもらった私は、悲しみをそっと胸にしまい、ふたたびHTMLを打ち始めた。

ついにホームページ完成!HTMLも習得

試練を乗り越えて、ホームページが完成

やっとの思いでホームページが完成した。

HTMLを打ってはプレビューをひたすら繰り返してやっとたどり着いたショボいホームページ。

全く中身のないウェブサイトたが、この広いネットの世界に自分がホームページを持てたのは本当にうれしかった。

ホームページでドリームキャストのすばらしさを伝えることができて、やっと湯川専務に恩返しができただろうか?(もうどんな内容だったか忘れたけどね)

やりたいことをできるように頑張ったら、いつのまにかHTMLを覚えていた

ホームページを作りたいと思い立ってから、HTMLを覚えて地道に打ち込んで完成させるまで1か月もかからなかった。

1か月といっても土日に1,2時間作業していただけで、実際に使った時間はほんのわずか。

こんな風に表示させたいと思えばHTMLタグ辞典で調べて、入力する。その繰り返しだけでいつのまにかHTMLを覚えられた。

やってみたいと思って、突っ走ったら何かが身につくんだなと思ったのは、このときが初めてだった。

私は自分が愛するドリームキャストでホームページを作ろうとしたからこそ、最後までやりとげられたのだ。ありがとうドリキャス!

ちゃんちゃん!!

※1…その当時お世話になったサイトさん

  • Archive of SEGAさん

  • ドリームキャストでホームページをつくろう!さん


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