見出し画像

「つながり」と「構造」を使いこなして、複雑な社会を紐解いてみよう

皆さん、こんにちは!
エンパブリックのインターン生、髙田です!
この記事は、全2回で行った「「つながり」と「構造」を使いこなそう!~ 複雑な社会問題を解決し、変化を促すためのシステム思考入門講座」の開催レポートです。

〔11/22〕「つながり」と「構造」を使いこなそう!~ 複雑な社会問題を解決し、 変化を促すためのシステム思考入門(全2回) | 株式会社エンパブリック (empublic.jp)

お金がなくて困っている人を助けてあげたく、団体で10万円を支援しました。
しかし、寄付したお金はすぐになくなり、問題は解決しません。
それどころか、「お金を出さない方が悪い」と責められました。
助けてあげたかったのになんでこうなるの?

イベント紹介文(peatix)より


問題や課題があると、「早く解決しなきゃ!」となり、短期的でその場しのぎになってしまいがちです。
そんな時に、目の前に起きている問題の対処に追われるのではなく、本質的な変化を生み出したいとお考えの方も多いのではないでしょうか?

この記事では、そんなシステム思考入門講座に参加した私が気づいた、システム的に課題を認識し、問題を解決するための3つのポイントについてご紹介します!

  1. 目の前で生じている問題を解決するのに個人の努力では限界があることを知る。

  2. なるべく多くの人と課題が生じる要素を共有し、多角的に問題をとらえる。

  3. 個人の意識ではなく、社会システムの構造変化にアプローチする。


1. 問題が起きているのは、あなたの責任なのか?

同じような問題が対処したにも関わらず繰り返し起こってしまう時、問題を「個人的なこと」と考え、個人の努力だけで解決しようとしていませんか?

よく、自身が取り組んでいる問題を努力が足りないからと自己責任にしがちです。しかし、同じような問題が他の場所でも繰り返し起こり、社会問題となった課題は個人の努力だけで対応するには限界があります。

例えば、この前先輩に「髙田君の賃金が上がらない理由は何故だろう?」と聞かれました。
その際に、僕は自身の能力が賃金の値上げに値しない、そもそもインターン生だから賃金は変化しないと思い込んでいたため、その趣旨を伝えました。

すると先輩は、僕の能力は最低限を満たしていて、プラス僕にしかできない事もあると教えてくれました。しかし、社会ではプラスでその人にしかない特徴や出来る事をどう給料の上昇に反映させるか基準が確立していないことから賃金の値上げができないのでは?と話をしてくれました。

このように、目の前で起きた問題に直面した際、問題が生じている原因を自分の能力や努力が足りないからだと自己責任にしてしまう事を実感しました。

しかし、実は自己責任論にしてしまう背景には社会的な思い込みや文化、構造が影響していると思います。そして、これを認識し問題を各個人の努力だけで防ぐのも対応するのも限界がある事を知る事が最初の重要なポイントです。

2. 問題が起こっている要因は1つなのか?

対処したはずの問題が繰り返し起きている時、この問題の構造を作りだしているのは、本質的な問題の予防や対処ができていないからです。
そして、それは、自分がこれまで積み重ねてきた文化や常識、思い込みによって、問題を一つの視点で見てしまっているからかもしれません。

会の中では、途上国の支援金調達事業をおこなっている方より、事業不振の原因についてこのような意見がありました。

「チームに非正規雇用社員が多い事で意思疎通がうまくできず、事業が中々うまくいかない、これは、社会課題というよりも組織のマネジメントや経営方針に問題があるのでは?と感じている」

このお話では、組織の管理の問題で問題が発生しているとも捉えられますが、一方で社会の状況から見ればネットサービスの普及によって、途上国への支援資金のルートが増えたことで、一つの事業で支援金調達をすることへの難しさが上がっている可能性もあります。
これ以外にも、そもそも非正規雇用の方を組織の中でどのように扱うかや、コミュニケーションの仕方などなど、他にも様々な要因が絡んでいるかもしれません。

問題が生じている要素を考えようとする時には、「きっとあれが原因なんだ」と決めつけすぎず、「本当にそうなのか?」「他の要因はないのか?」と批判的な目線を持って、なるべく多角的に課題をとらえていくことで、他の原因や問題同士のつながりが見えてくることもあります。

また、一人で課題が生じる複雑な要素を分析しようとしても、バイアスや文化、これまでの経験によって、どうしても偏りが生まれてしまいます。だからこそ、様々な人との意見交換を通して、課題が生じる要素をより広くみていくことも大切です。

 3.課題解決のために個人の意識にアプローチするのではだめ?

社会問題を解決したいと思った時、人々の行動変容を促そうと各個人への意識へアプローチしていませんか?

社会課題は単独では解決できない構造的な課題のため、個人の意識にアプローチするのではなく、社会システムの構造変化へ対処する必要があります。
環境問題に関して、システム構造の変化へアプローチした事例をご紹介します。

環境問題へ取り組む際、人々にペットボトルを外で購入する代わりに水筒を持ち運ぶように声掛けをするなど、個人の意識から行動変容へアプローチをしてしまいがちです。
しかし、中々人々の意識から行動を変化させようと促すのは難しいです。
そこで、ある場所では、公園に自動販売機を置くのではなく、浄水がでる水栓柱を置き、人々が水筒を持ち運ばないといけない状態を作りました。

このように、社会のシステムの構造を変化させる事で、人々の問題への意識や行動を変化せざるを得ない、人々の行動が変化した状態が当たり前になる状況を作る事がポイントです。

本質的な課題解決を考える

今回は2回の講座を通じて気づいた、本質的な問題を解決する際のポイントをまとめてみました。

とはいえ、社会問題の複雑さをいざ目の前にすると気が遠くなるし、この記事を書いた僕自身も3つのポイントをなかなか実践できていません・・・

だからこそ、以下のループ図のように周りの人と一緒に課題のマッピングをし、課題解決に向けての施策やそれにより生じる新しい課題の洗い出しをしながら、問題解決の糸口を探っていきましょう!

講座内で紹介したループ図

エンパブリックスタジオでは、今後も皆さんと一緒に本質的に社会課題を解決する方法を考えていきたいと思っています!

また、上のループ図のようにスタジオメンバーが日々感じている課題を、他のメンバーさんと一緒にループ図を書きながら考える会を2月にも行おうと思っておりますので、そちらもぜひご活用してみて下さい!

エンパブリックスタジオ
https://empublic-studio.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?