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思考は思考である。

「脱フュージョン」思考は思考であるについて今日は書きたい。
思考は思考。思考is思考。"Thoughts are just thoughts."

そんなことは当たり前と言われそうだが、人が悩んでいる時はだいたいフュージョンしている。
そもそもフュージョンてなに?音楽のジャンル?という声が、特に私と同世代界隈から聞こえそうなのであらかじめ説明すると、今日これから話す「フュージョン」とは、音楽や文化などで用いられるものではなくて、主にアクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)の文脈で用いられる概念で、

人が自分の思考、感情、身体感覚、記憶などの内面的体験と「融合」してしまう状態

を指す。

例えばAさんが、人前で話すことに対して非常に不安を感じているとする。Aさんの脳内では常に「私は話すのが下手だ」という思考が渦巻いており、これらの思考を自己の一部として完全に受け入れてしまっている。そのため、ますます人前で話すことを避けるようになり、社会から徐々に遠ざかっていく…。Aさんは、自分の不安や恐れといった感情や「私は話すのが下手だ」という思考とフュージョンしているため、自身の思考を客観的な事実として捉えている。その結果として行動や感情が制限されてしまう。

「君はフュージョンしているね!」


もし自分がフュージョンしていると気づけたなら、早くそこから脱出でき、しなやかな心を手に入れられるかもしれない。
ではどうすれば脱出できるのだろう。

「さぁ脱フュージョンだ!」



1.マインドフルネスの実践


私たちの心は、しばしば過去の経験や未来への思いから逸れがちである。しかし、マインドフルネスの実践を通じて、今この瞬間に意識を留めることができる。

想像してみてほしい。Aさんがプレゼンテーションを控えた日の朝、目覚めと同時に「私は話すのが下手だ」という思考が頭をよぎる。この否定的な思考は、次々と連鎖していき、不安が高まるばかりだ。

しかし、Aさんはマインドフルネス瞑想の練習を通じて、このような思考を客観的に見つめ直す方法を身につけていたら?深呼吸を繰り返しながら、現在の体の感覚に意識を向けると、思考は単なる一過性の出来事にすぎないことに気づく。「私は話すのが下手だ」という考えは、自分の全存在を表すものではない。瞑想を通して、Aさんはその思考から一歩離れて観察することができるのだ。

2.認知の再構築


私たちは往々にして、部分的な事実から過剰に一般化した考え方をしがちだ。しかし、認知の再構築を通じて、物事をより現実的かつバランスの取れた視点から捉えなおすことができる。

例えば、「私は話すのが下手だ」という固定観念にとらわれているAさんは、過去のプレゼンの失敗体験ばかりを思い出してしまうかもしれない。しかし、認知の再構築の練習を通じて、成功体験や他者からの肯定的なフィードバックも意識的に振り返ることができる。「あの時は緊張して言葉が出なかったけれど、資料の構成は適切だった」「同僚からプレゼンの工夫点を評価された」といった具体例を思い出すことで、自分の実力を客観的に認識することが可能になる。

3.価値観に基づいた行動


人生に意味を感じることは、私たちにとって大切な糧となる。Aさんの価値観を尊重し、それに基づいた行動をすることで、自分自身とも折り合いがつけられるようになる。

プレゼンを控えたAさんは、「失敗が恐ろしい」という思いにとらわれがちだ。しかし、Aさんの本当の価値観は「自己表現」や「成長」にあるかもしれない。その価値を意識することで、Aさんは「完璧を求める」のではなく、「挑戦することの大切さ」を学ぶことができる。たとえ今回のプレゼンで少し失敗しても、それは次への糧となる。価値観に基づいた行動を繰り返すことで、Aさんは自分自身を大切に思えるようになり、自信をより深められるはずだ。


もしよければこんなワークもおすすめ。
①なんの心配も制限もないとしたら、自分の理想の一日はどのようなものか、詳細に書く
② その一日の中で何を重視しているのかを考える。
上記以外に、全く価値のない人生とはどんなものか考えてみるのもいいかもしれない。全く価値のないことと反対のことが価値あることかもしれない。

4.セルフ・コンパッション


人生の道のりに陰りはつきもの。しかし、自分自身に対する思いやりの心を持つことで、その道のりを歩み続けられる。

Aさんはプレゼン当日、緊張のあまり言葉が出てこない場面に直面するかもしれない。そんな時こそ、セルフ・コンパッションが重要になる。「私は完璧である必要はない」「失敗は人間にとって当然のことだ」と、内なる自分自身に向けて語りかけてみる。自分を受け入れ、思いやる心を持つことで、Aさんは自己評価を下げずに済み、次のステップに向かう勇気を見出せるはずだ。私たちは時に傷つき、失敗を経験している。そんな時だからこそ、自分に対する思いやりの心を忘れずにいてほしいと願っている。この優しさを胸に、Aさんは間違いなく、自分自身と人前での発表を乗り越えていけるはずだ。

もしセルフ・コンパッションを育みたいと思っていらっしゃるなら、書籍を読んだりYouTube動画で学ぶことができる。

私もセルフ・コンパッションを育むマインドトレーナーなので、もしよろしければ、ベーシックコースを受講していただければ嬉しく思います。
料金などはこちらをご参考にしてください。

以下は私のWEBページです。

本日もnoteをお読みいただきありがとうございました。


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