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思いやりのリーダーシップって、全然ふわふわしてなくて、むしろパワフルだった。

最近、何人かの方から、リーダーシップとコンパッションについて質問されることがありました。
時代が呼んでいるのかな、などと思っています。

そんなわけで、今回はズバリ、『リーダーシップ×コンパッション』をテーマに、noteを綴りたいと思います。


1.2020年、世界は大きく変わった


もうこのことについて説明など要らないくらい、ほとんどの方がこの大きな出来事に何らかの形で直面していると思います。
2021年1-3月に早期・希望退職者を募集した上場企業は41社で、前年同期の約2倍のペースで推移していると報じられました。

多くの業務が、猛スピードで電子化、オンライン化し、これまであった仕事が消えてゆくのも目の当たりにしてきました。

人と人との分断が生まれ、追い込まれた人がなかなか声を上げられない、周囲もそれに気づき難い、そんな状況が続いており、これまで以上に、お互い思いやりを示すことが必要な時代になりました。

特にリーダーは、オンライン化だけでなく、AI化や自動化が進む中で、ビジョン、決断力などが備わっているだけでなく、心の資質も問われる時代、思いやり、コンパッションが求められる時代になったと思います。
それは、実際企業のリーダーとして働く人たちと話していて、強く感じたことでもありました。

ところが、ある日こんな記事をネットで見つけました。



『AI時代において、「ビジネスで重要な能力」と思うものはどのような能力ですか』

2017年の結果は以下の通りです。
1位 対人関係力 55.0%
2位 創造力 36.9%
3位 分析的思考・概念的思考 36.6%
4位 複雑な課題に対する解決力 35.3%
5位 情報収集力 23.0%

それに対して、2020年の結果は以下です。
1位 分析的思考・概念的思考 45.9%
2位 創造力 40.4%
3位 複雑な課題に対する解決力 39.6%
4位 情報収集力 37.6%
5位 対人関係力 31.3%

管理職を対象にした、AI(人工知能)に関する調査(2017年・2020年比較)より出典 
(https://www.adeccogroup.jp/power-of-work/193)


え?

この結果に私は驚きました。2017年で1位だった対人関係力(対人影響力・関係構築力・対人理解力・共感力)が、2020年では5位に落ちています。私の肌感覚とは大きく異なる結果で、なぜこういう違いが生まれたのか、未だに理解ができていないのですが、これも一つの事実と考えるならば、現代において、管理職の対人関係力が重視されなくなっている可能性が否定できず、それはつまり、他者に対して前向きな関心を寄せ、人とのつながりを生み出すコンパッションとは、真逆の方向へ向かっているかもしれないという事だと思いました。

というわけで、突然ですが、本題の『コンパッション×リーダーシップ』の話をする前に、これまでのリーダーシップ理論を振り返ってみます。
(嗚呼、キャリアコンサルタント資格試験勉強を思い出す)


2.リーダーシップ理論の歴史

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